解説 |
『南城市の御嶽』掲載資料。屋比久殿、ノロ殿内ともいわれる。屋比久ノロの住居跡。屋比久児童公園の北側にある慰霊塔の後方に位置する。コンクリート製の建物がある。建物正面入口真ん中にはコンクリート製の四角い香炉がある。左手奥には火ヌ神を表す鼎状[かなえじょう]の石が設置され、その手前に陶器の香炉がある。建物右外には祠が2宇祀られており、「ヌンドゥンチ」と書かれたコンクリート製プレートが建てられている。こちらの祠を指してノロ殿内と呼ぶこともある。
『由来記』巻13-294に「屋比久巫火神」とある。「麦穂祭・稲穂祭三日崇、且、三・八月、四度御物参之時、佐敷巫火神同。稲穂祭之時、穂・五水四合(百姓)。年浴三日崇ニ神酒壱(百姓)。年浴之日、五水四合・神酒壱(百姓)。麦初種子・ミヤタネ三日崇ニ花米九合・五水四合・神酒壱(百姓)。麦初タネ・ミヤタネノ日、供物上同、自百姓供レ之。巫祭祀也。」。1日、15日にはノロがウチャトウをあげるという。また、五月ウマチーでは「部落で酒代を集めて、十四日にコーサク(現在の書記会計)の家で米を炊き、ノロ殿内でウンサクをつくりはじめる。(略)十五日にノロ殿内とキヤ城ヌ嶽、下ヌ殿の三つにわける。ウマチーに供えるのは、ウンサクとシルドーフ、他に豆腐一丁を五つに切り、さらに四つに切った長四角形のものを供えた」という。
現在、5月15日の五月ウマチー、6月15日の六月ウマチー、6月24日の六月カシチー、6月25日のアミシ、12月24日の御願解き[ウグヮンブトゥキ]の際に拝んでいる。各拝所参拝の際には、それぞれの戸柱も拝む。
※拝所のなかには、私有地に位置するものもあります。無許可での立ち入りや迷惑行為は慎んでいただくようにお願いします。 |