なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

②玉城福梁さんグループ

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ワークのねらい等

●玉城さんの証言から、同じ場所で過ごした隊長の言葉が玉城さんの後の行動に影響を与えていると考えた。そこで、玉城さんの言葉や人物像を子どもたちに注目させたいと考え設問を検討した。

問① どうして「この人スパイだ」と言ったのかな?

●戦前、玉城さんと一緒に過ごした隊長は、周りの人たちにいかにも日本が負けるような発言をしている。福梁さんはこれに対して「『この人はスパイだな』と思っていた」と証言に書かれている。
●子どもたちに、「①どうして「この人スパイだ」と言ったのかな?」と問う。おそらく子ども達は「隊長は捕虜になったほうがいいって言っているから」とか「この戦争負ける」とか「逃げた方がいいって考えてるからスパイだって言ったんだよ」と言うのではないかと想定。
●隊長の人柄や考えを踏まえた上で「この時代の人は戦争のことをどう考えていたのか」、「この時点で、玉城さんはどっちよりの考え方なのか」と子ども達に問い、考えさせる。
●「この時点では日本兵寄りの考え方をしている」というところまで押さえて、続きを読ませていく。

問② 「この人はスパイだ」と言っていたのに、隊長の言っていたことを聞いたのでしょう。

●証言の最後あたりに、玉城さんは逃げながら「私は逃げる方がいいと考えていた」、「民間人だと手を挙げたら殺されないから、手を挙げて捕虜になったほうがいいよと聞かされていたから、私はいつも逃げる方がいいと考えていた」というように、明らかに隊長寄りの思想になっている。
●ここで「②「この人はスパイだ」と言っていたのに、隊長の言っていたことを何で聞いたのか」と問う。
●子ども達は証言から「日本兵に対する不満」や、「生きるか死ぬかの選択」を読みとり、考えを広げていくのではないかと考えた。

問③ 捕虜になったあと、どうなったと思いますか。

●問2.の時点では、玉城さんも捕虜になったらどうなるのかわからない。子ども達も「捕虜になったほうがいいのはわかったが、捕虜になって何をしていたのか」がわからない。両者が同じような状況でその後の行動を考えることができるのではないか。
●子ども達はこれまでの平和学習で「捕虜になったから生き延びられた」という知識はあり、捕虜になったあとの生活を良いように考えていると思う。しかし、実際は周りの人々がマラリアで亡くなったり、食糧確保のために人の物を盗んだりなど、捕虜になった後の生活も苦しい。そういった資料を次の授業で提示することで、捕虜になった後も苦しい思いをしていることを読み取らせることができたら、新たな学びが深まると考え、最後にこの問いを設定した。

講師コメント

【山城氏】
●戦後についても多く語っている体験者なので、その後の学習にも繋がる証言だと思う。

【山口氏】
●①、②の問いが国語的にならないかどうかの難しさがある。
●様々な証言で、防衛隊の人たちが日本兵に「解散したら家族のもとに帰って捕虜になるように」と言われる。その一方で中学生だと、ステレオタイプの日本兵を描く側面が出てくる。日本兵の分析は難しい、かといって「人によりけり」というまとめ方もできない。もう少し細かい部分が見えるように上手くできたらと思う。
●基本的な軍隊の価値観と、見方が戦場で変わっていく「ゆらぎ」に着目しているのが、人間味があっておもしろい。

作成したワークシートと用いた証言

ワークシート
[PDF]/[Word]※制作されたワークシートを基に事務局がデータ化

用いた証言
玉城福梁さん(大里・稲福)

書籍:『南城市の沖縄戦 証言編-大里-』98頁~105頁 掲載

テキスト:玉城福梁(大正15年生まれ 大里・稲福)【キーワード】陣地構築/南部避難/収容所/戦果