1985年5月11日
佐敷・中城漁業協同組合の山城健青組合長および佐敷町役場経済課職員が、浮漁礁調査を実施する。
●参加者は、午前5時半に、川平義夫船長が操縦する船舶(第三正丸)に乗り、久高島沖に設置した浮漁礁へ向かった。
●参加者は、浮漁礁設置場所付近でトローリング(漁具を船で引きまわして魚を釣る漁法)をすると、マンビカーやマグロ、カツオなど十数匹の魚が釣れた。
●山城組合長は「この漁礁設置で漁獲量は、かなり増えています。あまりたくさん獲れるのでかえって販売ルートが悩みのタネになりました。今後は、できるだけ浮漁礁を増やし、いい魚は本土直送も考えていきたい」と話した。
【用語解説】浮魚礁(パヤオ)
参考資料:
マグロやカツオなどが木材などの漂流物の下に集まる習性を利用したもので、ブイを海面に浮かせて魚を集め、漁をしようというもの。
本土復帰以降、漁具漁法等の改良に伴う漁獲圧の急増、陸域・沿岸域の急速な開発による水産生物の生息環境悪化等により、沿岸水産資源量の動向が案じられていた。そのような状況で5トン程度の一人乗り漁船での日帰り操業で、マグロ類を効率的・ 持続的に漁獲できる浮魚礁漁業は、新たな漁業として急速に普及した。浮魚礁導入初期には県や地元市町村が漁協に対し、敷設補助金を交付していた。
甲斐哲也2013「沖縄県における浮魚礁漁業の概要」,『水産工学』, 49(3),pp.203-206.
琉球新報社編2003『最新版 沖縄コンパクト事典』琉球新報社(https://ryukyushimpo.jp/okinawa-dic/prentry-42681.html 2024年7月12日閲覧)
1989年5月16日
佐敷町議会浮き漁礁調査特別委員会が、久高島沖に設置した浮漁礁の視察と調査を実施する。
●奥間邑一佐敷町議会副議長、佐敷町議員12人、佐敷町役場職員、山城健青佐敷・中城漁業協同組合長の計19人が参加し、浮漁礁の設置効果を確認した。
●参加者は、浮漁礁設置場所付近で約2時間半一本釣りに挑戦し、シーラやマグロなど計37匹の魚を釣り上げた。
参考資料:広報さしき 第143号(1989年6月)PDF
【コラム】浮漁礁の減少
参考資料:
佐敷・中城漁業協同組合(山城健青組合長)が1985年に佐敷町の補助を受けて久高沖に設置した12基の浮漁礁は、1989年5月16日時点で、2基になってしまっていました。その理由は、①流失、②船舶による破損 でした(その場所は、大型タンカーの航路近くでもありました)。
広報さしき 第92号(1985年6月)PDF
広報さしき 第143号(1989年6月)PDF
1991年3月12日
山城時正佐敷町長が、1991年度第83回佐敷町議会定例会で、次年度に向けて浮漁礁設置補助を表明する。
●同定例会の会期は15日間(26日まで)。
●山城町長は、生産基盤の整備、漁業経営の向上、組織活動の活性化に向けた施策を打ち出した(仲伊保港の整備促進、漁船作業省力機器購入補助、ハーリー行事の助成等)。