1967年11月6日
玉城源光佐敷村議会副議長を含む佐敷村議員4名、佐敷村当局1名が、大分県の瀬戸内海栽培漁業センター上浦事業場(現:独立行政法人水産総合研究センター 上浦栽培漁業センター)を視察する。
●視察研修の目的:本土復帰を前に、本土のあらゆる産業の実情を確認するため。
●本土への視察研修は、23日間の日程で行われた(10月20日から11月11日まで)。
1991年5月28日
佐敷中城漁業協同組合の通常総会が開催され、養殖漁業の推進が重点項目のひとつとして掲げられる。
●同会は、津波古公民館で開催された。
●46人の組合員が出席した。
●漁獲優良者表彰も行われ、宮城吉信さん(1位)、知念重徳さん(2位)、謝名堂昌信さん(3位)が受賞した。
●同組合前理事の小波津善栄さんと前監事の徳田安永さんに、感謝状が贈られた。
1991年8月12日
中城湾沿岸漁業振興推進協議会が、海野漁港沖合でチンシラー12万匹を放流する。
●放流の目的は栽培漁業の振興。
●チンシラーはミナミクロダイに似た魚で、冬場の漁業対策漁として期待されていた。
●放流されたチンシラーのうち6万匹は、放流の成果確認をするために標識づけ(腹びれの切除)がなされた。
1992年4月23日
佐敷中城漁業協同組合が、マダイの試験養殖の成果確認を行う。
●同組合は、1991年4月にマダイの試験養殖を開始した。
●同組合は、養殖いけすから100匹あまりのマダイを水揚げし、成長ぶりを確認した。
●山城健青佐敷中城漁業協同組合長は、「専門知識も余りなく、これまで試行錯誤のくり返しできましたが、今回の成長ぶりで自信のようなものも生まれました。1993年度には、免許を取得して、組合員力を合わせて本格養殖に取り組みたいと考えているところです」と話した。
【コラム】佐敷中城漁業協同組合の試験養殖
今回は、佐敷中城漁業協同組合(以下、佐敷中城漁協)の試験養殖について紹介します。
佐敷中城漁協は、1991年4月にマダイの試験養殖を開始しました。試験養殖開始当初、5000匹のマダイの稚魚をいけすに放流しました。日に2回ほど餌を与えて養殖していたそうです。それから約1年後に養殖の成果確認を行った結果、約3000匹のマダイの稚魚が約30㎝に成長していたことが分かりました。
沖縄では本土復帰後に、各地で人工造成による大規模な養殖場や試験研究設備が整備・機能強化され、養殖業・栽培漁業が活発になりました。
しかし、養殖業・栽培漁業にも不安要素が3つあります。1つ目は、大量の稚魚を密集した空間で育てるため、病気が発生しやすい環境にあるということです。2つ目は、台風など自然災害による設備の破損です。3つ目は、海鳥による魚の捕獲です。
では、佐敷中城漁協の試験養殖ではどうだったのでしょうか。この試験養殖では、1992年4月23日に成果の確認をした時には、病気の発生や台風の被害はありませんでした。海鳥の被害も、ネットを張ることにより防ぐことができました。
この試験養殖の成果は、佐敷町の漁業関係者に新たな漁業の展望を与えたといえます。参考資料:
『広報さしき 第178号』(1992年5月)PDF
「1水産業・漁村の現状と課題」
(https://www.pref.okinawa.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/027/680/02_chapter_2.pdf)(2024年8月9日閲覧)
「魚病をめぐる現状」
(https://www.maff.go.jp/j/syouan/suisan/suisan_yobo/taisakusokusin/attach/pdf/kaigisiryou1-3.pdf)(2024年8月9日閲覧)
「日本の栽培漁業:環境との調和をめざして」
(https://www2.kaiyodai.ac.jp/~yokota/watanabe/stocking.html)(2024年8月9日閲覧)
1992年5月27日
1992年佐敷中城漁業協同組合通常総会が開催され、栽培漁業・養殖業の推進が新年度事業計画のひとつとして掲げられる。
●同会は、津波古公民館で開催された。
●上記以外に次の計画が掲げられた。
・沿岸漁場整備開発事業等の推進
・事業体制の整備と拡大
・漁場の開発利用
・生産増強と流通体制の整備
・後継者育成と技術の開発
・土壌汚染防止対策の強化
・放流漁業の実施 など
2003年8月19日
佐敷中城漁業協同組合(山城健青組合長)が、佐敷町老人福祉センター裏の海岸で、タイワンガザミの稚ガニ2万5千匹を放流する。
●放流したタイワンガザミの稚ガニは、沖縄県栽培漁業センターでふ化させた。
●放流には、馬天地区の子どもたちも参加した。