はじめに
このシリーズでは、旧4町村(佐敷町、玉城村、知念村、大里村)時代から現在に至る様々な統計資料を公開していきます。地域の特性や変化を、統計により客観的にみることができるでしょう。
第1回目は、2005年・2010年・2015年の旧玉城村域の字別・産業別就業人口を紹介します(国勢調査のデータに基づく)。南城市誕生(2006年)後、約10年間で産業別人口がどのように変わったのかをみることができます。なお、こちらよりPDF版をダウンロードすることができます。
1.玉城エリア全体
第1次産業、第2次産業、第3次産業の就業人口の総数は、2005年4673人、2010年4821人、2015年5167人となっています。つまり、就業人口は増加傾向にあります。産業別の内訳は以下の通りです。
【ポイント】
・10年間で大きな変化はないが、農業人口が減少気味であることは明らかである。
・建設業と農業の就業人口が多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が際立って多い。
・情報通信業や不動産業・物品賃貸業の就業者数の増加が目立つ。
【ポイント】
・教育・医療・福祉分野の就業者数が多く、また増加傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①卸売業・小売業、②建設業、③サービス業(他に分類されないもの)
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
2.地域別
①親慶原
【ポイント】
・第1次産業も第2次産業も、10年間で大きな変化は見られない。
・第2次産業の就業者数のほうが第1次産業のそれよりも多い。
【ポイント】
・宿泊業、飲食サービス業の就業者数が若干減少してきている。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が増加傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①卸売業・小売業、②サービス業(他に分類されないもの)、③建設業
・2010年順位(多い順):①卸売業・小売業、②医療・福祉、③宿泊業、飲食サービス業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
②垣花
【ポイント】
・建設業と製造業の就業者数に大きな変化はない。
・農業の就業者数が増加傾向にある。
【ポイント】
・極端な変化は見られない。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数がやや増加傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①卸売業・小売業、②農業、③建設業
・2010年順位(多い順):①卸売業・小売業、②医療・福祉、③建設業
・2015年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、③建設業
③仲村渠
【ポイント】
・製造業の就業者数が減少傾向にある。
・建設業の就業者数が農業のそれよりも3倍ほど多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が微減。
【ポイント】
・教育・医療・福祉分野の就業者数が微増。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①建設業。卸売業・小売業、②サービス業(他に分類されないもの)、③医療・福祉
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業、③卸売業・小売業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業、③卸売業・小売業
④百名
【ポイント】
・農業の就業者数が減少傾向にある。
・建設業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が目立って多い。
・運送業・郵便業の就業者数が微増。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が目立って多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①卸売業・小売業、②サービス業(他に分類されないもの)、③建設業
・2010年順位(多い順):①卸売業・小売業、②医療・福祉、③建設業
・2015年順位(多い順):①卸売業・小売業、②医療・福祉、③建設業
⑤新原
【ポイント】
・農業の就業者数が減少傾向にある。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①卸売業・小売業、②サービス業(他に分類されないもの)、③農業
・2010年順位(多い順):①卸売業・小売業、②医療・福祉、③農業。建設業
・2015年順位(多い順):①卸売業・小売業、②医療・福祉、③建設業
⑥玉城
【ポイント】
・農業の就業者数が明らかに減少傾向にある。
・建設業および製造業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①農業、②卸売業・小売業、③医療・福祉
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②農業、③建設業・卸売業・小売業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
⑦中山
【ポイント】
・農業の就業者数が建設業や製造業のそれよりも多い。
・農業の就業者数が減少傾向にある。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①農業、②卸売業・小売業、③サービス業(他に分類されないもの)
・2010年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、③卸売業・小売業
・2015年順位(多い順):①農業、②卸売業・小売業、③医療・福祉
⑧奥武
【ポイント】
・建設業の就業者数が農業のそれよりも2倍以上多い。
・漁業の就業者数が二桁。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が目立って多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①卸売業・小売業、②建設業、③サービス業(他に分類されないもの)
・2010年順位(多い順):①建設業、②卸売業・小売業、③宿泊業・飲食サービス業
・2015年順位(多い順):①卸売業・小売業、②建設業、③宿泊業・飲食サービス業、医療・福祉
⑨志堅原
【ポイント】
・建設業の就業者数と農業のそれがほぼ同じ。
・建設業の就業者数が微減傾向にある。
・農業の就業者数が一度減った後に増加している。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が目立って多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多く、しかも微増傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①建設業、②卸売業・小売業、③農業
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業、③卸売業・小売業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
⑩堀川
【ポイント】
・建設業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が目立って多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が目立って多く、しかも増加傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①建設業、②サービス業(他に分類されないもの)、③医療・福祉
・2010年順位(多い順):①建設業、②医療・福祉、③卸売業・小売業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
⑪富里
【ポイント】
・建設業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①サービス業(他に分類されないもの)、②卸売業・小売業、③建設業
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③製造業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業、製造業
⑫當山
【ポイント】
・建設業の就業者数が農業のそれを10年間で追い抜いた。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、③建設業
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②農業、卸売業・小売業、③建設業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
⑬屋嘉部
【ポイント】
・10年間で大きな変化がない。
・建設業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が微増傾向にある。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多く、微増傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①建設業、②サービス業(他に分類されないもの)、③卸売業・小売業
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業。卸売業・小売業、③サービス業(他に分類されないもの)
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
⑭糸数
【ポイント】
・農業の就業者数が減少傾向にある。
・建設業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多く、微増傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①建設業、②農業、③サービス業(他に分類されないもの)
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業、③農業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業、③卸売業・小売業
⑮喜良原
【ポイント】
・建設業の就業者数が農業のそれよりも多い。
【ポイント】
・2015年には、二桁の就業者数がある分野がない。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が一定数多くある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①医療・福祉、②サービス業(他に分類されないもの)、③卸売業・小売業
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業、運輸業・郵便業、サービス業(他に分類されないもの)
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②建設業、サービス業(他に分類されないもの)、③運輸業・郵便業、卸売業・小売業
⑯船越
【ポイント】
・農業と建設業、製造業の就業者数が多い。
・建設業の就業者数が農業のそれを10年間で追い抜いた。
【ポイント】
・運輸業・郵送業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業の就業者数が増加傾向にある。
・卸売業・小売業の就業者数が目立って多い。
【ポイント】
・教育・医療・福祉分野および公務の就業者数が増加傾向にある。
・医療・福祉分野の就業者数が際立って多い。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、③建設業。卸売業・小売業
・2010年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③農業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②卸売業・小売業、③建設業
⑰愛地
【ポイント】
・農業従事者数が多く、また、10年間であまり変わっていない。
・建設業の就業者数は多いが、農業のそれよりも少ない。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多く、また増加傾向にある。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多く、また増加傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、サービス業(他に分類されないもの)、③卸売業・小売業
・2010年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、③卸売業・小売業
・2015年順位(多い順):①医療・福祉、②農業、③卸売業・小売業
⑱前川
【ポイント】
・農業の就業者数が目立って多い。しかし、やや減少傾向にある。
【ポイント】
・卸売業・小売業の就業者数が多い。
・宿泊業・飲食サービス業が増加傾向にある。
【ポイント】
・医療・福祉分野の就業者数が多く、また増加傾向にある。
【全体まとめ】
・2005年順位(多い順):①農業、②サービス業(他に分類されないもの)、③建設業
・2010年順位(多い順):①農業、②卸売業・小売業、③建設業
・2015年順位(多い順):①農業、②医療・福祉、③卸売業・小売業
3.玉城エリアにおける産業人口の特徴
・就業人口が1・2・3位までの分野は、ほとんど農業、建設業、卸売業・小売業、医療・福祉、サービス業(他に分類されないもの)の分野のうちのどれかである。
・2015年時点で、農業が1位となっている字は、垣花、中山、前川だけである。
・2015年時点で、農業の就業人口が多い字の上位3位は、①前川、②愛地、③船越である。
・2015年時点で、漁業の就業人口が2桁の字は、奥武だけである。
・2015年時点で、農業の就業人口が1桁の字は、仲村渠、新原、玉城、富里、喜良原である。 ・主なサービス業は、医療・福祉分野および卸売業・小売業であり、両分野ともに就業人口は増加傾向にある。
以上