解説 |
『南城市の御嶽』掲載資料。 「御名付け殿[ウナージキトゥン]」・「御名付け」・「長堂御願」とも呼ばれ、「ウナージキ神」が祀られているという。知念大川の道向かいの少し高くなっている畑地にある拝所。この地では道路から高さ150cm程(目測)の擁壁が立ち上がり、擁壁の上には鉄製フェンスが設置されている。フェンスの中は樹木が繁茂しており、中には入れない状態にある。「戦前は瓦屋であった」。「昭和25、6年まであったという。約3坪の四方開いた瓦葺きの殿であったという。殿とのあった所は広場になっていた。その広場は村有地であったが、個人に売却された。後で買った人はその殿を東側にある岩陰にレンガとブロックで囲いをして簡単に祠を作って移した」という。『由来記』巻13-311に「大川之嶽(神名:中森嶽ツカサノ御イベ)」とあり、知念巫(ノロ)により祭祀される。また、「毎年三・八月、四度御物参之有祈願也」とある。知念大川の向かいに立地していることから、ここが『由来記』の「大川之嶽」である蓋然性は高い。このように由緒ある御嶽が「シマーグヮー」の名となり、ウタキでなくウグヮン(拝み)と称されるようになったものか。現在の祭祀等は不明。※拝所のなかには、私有地に位置するものもあります。無許可での立ち入りや迷惑行為は慎んでいただくようにお願いします。 |