解説 |
『南城市の御嶽』掲載資料。 知念の集落の北西部に位置している(知念グスクから直線距離にして約200m東方に位置)。一帯は国道331号から山手に向かって直線距離にして約50m入ったところで、かなりの上り勾配となっている。集落内道路の左手にあり、道路から10段の階段(コンクリートブロックを1段に4個ずつ横に並べて置いて造ったもの)を登った所の小さな敷地にある。右には琉球石灰岩の巨岩がある。拝屋はコンクリートブロック造りの平屋(幅316cm、高さ274cm)である。拝屋の奥所には部屋の幅そのままのコンクリート製の祭壇がある。1段の段が設けられており、そこに白色陶製香炉3基が置かれ、その3基の香炉の両端に1個ずつ白色陶製花生けが置かれている。ここは知念ムラ発祥の家で、祭壇上の3つの香炉は全て根神を祀るものという。それぞれの香炉の前には左右に1個ずつコップ(計6個)が置かれている。室内には筵が敷かれているが、祭壇の左前の縦50cm(目測)、横90cmは筵が除けられ、コンクリートの床になっている。そこの左壁側には石灰岩の三つ石があり、それに並べて直方体の切り石の香炉(目測で、幅と高さは30cm程度、奥行き数10cm弱)が置かれている。三つ石の前には煉瓦を台にして2つのコップが置かれ、火ヌ神が祀られている。香炉の前には煉瓦で三方を囲んで灰を入れてある。その前にもコップが2つ置かれている。伝承では、ここは波田真村の根神を祀っているという。現在は、2月15日の二月ウマチー、4月のアブシバレーの前日のミチシマ、5月14日の五月ウマチーの三日祟べ[ンチャタカビ]、6月14日の六月ウマチーの三日祟べ、6月24日のアミシヌ御願が行われている。※拝所のなかには、私有地に位置するものもあります。無許可での立ち入りや迷惑行為は慎んでいただくようにお願いします。 |