解説 |
『南城市の御嶽』掲載資料。
別称はガンヤー(龕屋)。ウフンマは大馬の意で、葬儀で棺を運ぶ龕の忌み名。その龕を保管する建物を沖縄で一般にガンヤーというが、山里では龕を表すウフンマの名でその建物も表している。山里から久手堅に向かう国道331号沿い左にある。コンクリートブロック造りの平屋で、入り口は板戸で、それ以外の三方の壁は屋根までブロックで積み閉ざされている。
この建物の西側壁下部に「山里龕家改築工事/竣工1995年3月」と記された石版が張り込まれている。龕は木製、朱漆塗り。側面には僧の絵などが描かれている。大きさは、担ぎ棒の長さ342cm、龕本体は上から見た寸法で、屋根部は164cm×113cm、屋根下は127cm×67cm、担ぎ棒から屋根頭頂部までの高さは120cm程である。山里の龕は組合方式で制作されたという。その中心となった人が中里組の人であったので、中里組が管理し、祭祀も行っている。志喜屋・山里・具志堅・知念の人々が利用したという。祭祀は5月5日の大馬の御願[ウフンマヌウグヮン]、9月9日の大馬の御願の2回行われている。中里組の組頭が代表して執り行う。なお、ガンヤーの東の石灰岩の崖下に井泉がある。井口が石灰岩で長方形に区切られ、その右奥に切石の香炉が置かれている。ガンヤーとの関係などは不明。
※拝所のなかには、私有地に位置するものもあります。無許可での立ち入りや迷惑行為は慎んでいただくようにお願いします。 |