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産業分野別年表 竹細工(佐敷エリア)

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産業分野別年表 竹細工(佐敷エリア)
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【南城市の戦後史 産業編】
産業分野別年表

1976年11月7日

第3回佐敷村まつりで、小谷の竹細工展が開催される。

●佐敷中学校体育館で開催された。
●同イベントの目的は、伝統芸能と民俗資料(竹細工)を広く村民に紹介すること。
●小谷の竹細工展では、アラバーキ、ミージョーキなど計17点が出品された。

1976年11月7日

第3回佐敷村まつりで、小谷の竹細工展が開催される。

●佐敷中学校体育館で開催された。
●同イベントの目的は、伝統芸能と民俗資料(竹細工)を広く村民に紹介すること。
●小谷の竹細工展では、アラバーキ、ミージョーキなど計17点が出品された。

1977年12月10日

1977年度佐敷村産業まつりで、竹細工が展示される。

●佐敷村農協ホールと農協前広場で開催された。
●例年、農業まつりとして開催されていたが、1977年は多くの村民が参加できるよう、産業まつりとして開催された。
●佐敷村老人クラブが作った、バーキなどの竹細工が、参加者から注目を集めた。
●会場には竹細工のほか、農産物、農産加工品、花卉、盆栽など計400点あまりの品が出品された。

1978年11月17日

第4回佐敷村文化まつりで、竹細工の作品が展示される。

●佐敷村・佐敷村教育委員会・文化財保護委員会の共催で、佐敷中学校体育館にて開催された(19日まで)。
●ミージーキやメシカゴ、ユイなどの竹細工が展示された。
●村文化の継承を目的に開催され、作品展示のほか、民俗芸能発表会も行われた。

1980年12月10日

竹細工を作る勢理客幸英さん(新里)が、佐敷町功労者表彰(文化部門)を受ける。

●老人福祉センターで開催された1980年度佐敷町功労者表彰式で、勢理客さんは表彰された。
●表彰理由:「竹細工の技術の向上」と「竹細工の普及活動の推進」により、約50年間、文化と社会教育の振興に貢献した。
●山城町長は式辞で「皆様方の郷土佐敷町を愛する心と、町政に対するおしみない御協力が今日の町の発展を可能にしました。今後ともお健やかに町の指導者として、模範としてご尽すい下さい」と述べた。

【コラム】竹細工一筋 勢理客幸英さん
ここでは勢理客幸英さんの竹細工職人としての歩みを紹介します。
勢理客幸英さんは、11歳から竹細工をつくりはじめ、12歳までにすでにバーキ類をつくれるようになりました。早く習熟できた一因は、竹細工を学ぶよい環境にいたことです。まず、親や兄弟、新里の大人たちがバーキを作る技術をもっていました。そして、近接する小谷区は竹細工の産地として有名でした。
勢理客さんは、1929年から本格的に竹細工づくりを始めました。同年、沖縄初の竹細工講習会(小谷で開催)に参加しました。その後、鹿児島へ渡り染色技術を身につけました。
 勢理客さんは、沖縄へ戻ると、次のように活躍するようになりました。
・1937年、全国竹製品共進会で、出品した花かごが銀賞を受賞。
・1943年、農業共進会(沖縄県農会主催)で、出品した作品が1等を受賞。(また、竹細工の実演も行う)
・1975年、日本民芸振興展で受賞。
・1977年、沖縄県産業デザインコンクールで、沖縄工業連合会賞を受賞。
・1980年、南部振興会(文化部門)で表彰。
・1980年代、竹細工講習会(佐敷町教育委員会主催)に講師として参加。
勢理客さんは、南部振興会(文化部門)で表彰された時、こう述べました。「いま、わたしが一番望むことは後継者が出てほしいということです。とくに若い人には竹細工にもっと関心をもってもらいたいし、自分もやってみようという人も出てもらいたいのです」
この通り、勢理客さんの目覚ましい活躍の一方、この時期から後継者の育成は課題になっていたことがわかります。

参考資料:広報さしき 第61号(1980年7月)

1982年11月19日

1982年度佐敷町産業まつりで、竹細工をふくむ芸術作品などが展示される。

●佐敷町立老人福祉センター会場で開催された(20日まで)。
●芸術作品の展示コーナーのほか、ハブ駆除コーナー、ふるさとの歴史を知る町史コーナー、土地改良の進行状況を示すパネル展示コーナーなどもあった。

1983年11月26日

1983年佐敷町産業まつりで、竹細工の展示即売が行われる。

●同イベントは、佐敷町、佐敷町農業協同組合、佐敷町商工会、佐敷町漁業協同組合、佐敷町農業委員会、佐敷町教育委員会の共催により、老人福祉センター(メイン会場)で開催された(27日まで)。
●新里地区および小谷地区から出品された竹細工には、アラバーキ、モヤシ籠、ザル、現代的な花かごや書類箱などがあった。
●竹細工のほか、以下のような展示や販売があった。
・ポトスやガボックスなどの観葉植物、菊、サボテンなどの展示
・婦人会てづくりの無公害せっけんの販売
・各家庭の主婦が作った、ゴーヤー、ニンニク、ラッキョウなどを利用した漬物や酒の展示
・町内で収穫されたトウガン、ダイコン、キャベツなどの農産物の販売
・中城湾で獲れたタマンやタチウオなどの販売
・各地区の年配者が制作した作品(編物、袋物、細工物、人形など)の展示

1983年12月8日

第5回全琉婦人芸能大会において、佐敷町婦人会が、竹細工などに関係する芸能を披露する。

●同イベントは、那覇市民会館で開催された。
●県内10地域の婦人会が参加し、地域の特色を活かした芸能を披露した。
●佐敷町婦人会からは42名が出場した。
●同婦人会の出し物(題名「竹細工の里、小谷」)で、女性の生き方が織り込まれた生活(竹細工、農業、漁業)が表現された。

1987年10月18日

第2回南部広域圏ファミリーラリーで、竹細工の展示販売が行われる。

●同イベントは、本島南部の諸産業の振興と新しい魅力の発見を目的に佐敷町で開催された。
●花卉や園芸植物の販売、高速艇「さしき」での中城湾無料遊覧、ハングライダーの飛行なども行われた。

1989年5月3日

第1回南部まつりで、佐敷町の竹細工等が展示される。

●糸満市西崎総合運動公園周辺で開催された(5日まで)。
●JR九州鉄道展も同時に開催された。

1989年9月23日

南部広域圏ファミリーラリーにおいて、佐敷マリーナで、竹細工等の展示即売が行われる。

●同イベントでは、参加者が南部広域を移動した。佐敷マリーナはチェックポイント(通過点)の1つであった。
●佐敷マリーナでは、黒糖菓子、薬草などの展示即売も行われた。

1989年11月25日

佐敷町産業まつりにて、竹細工製品が展示される。

●同イベントは、3年ぶりに開催された。
●佐敷町老人福祉センターおよび農村婦人の家で開催された(26日まで)。
●竹細工の籠やザル、デイゴ材の漆器などが展示された。

1990年

勢理客幸英さん(新里)が第1回沖縄県文化功労賞を受賞する。

●勢理客さんは、竹細工の部で受賞した。
●勢理客さんが受賞した理由は以下のとおり。
・農工業者の利便に供したこと。
・長年にわたり、沖縄の伝統工芸の保護に努め、文化の振興に貢献したこと。

1991年10月26日

第2回南部まつりにて、竹細工などの特産品が展示される。

●糸満市西崎運動公園で開催された(27日まで)。
●佐敷町は、竹細工のほか、黒糖飴などの菓子、薬草茶などの特産品を展示した。また、同町の町花・町木のパネル写真や同町内の風景写真、佐敷シーガーデン構想の説明パネルも展示し、南部の美しさをアピールした。
●オープニングセレモニーでは、山城時正町長および山城健青町議会議長が参加した。

1992年6月1日

勢理客幸英さん(新里)が、勲七等青色桐葉章(竹細工技能功労)を受賞する。

●叙勲・褒章・大臣賞・交通安全全国表彰受賞祝賀会(佐敷町主催)が、佐敷町老人福祉センターで開催された。
●勢理客さんが受賞した理由は次のとおり。
・竹細工の発展・継承に対する意欲と活動が各方面で評価を受けていること。
・沖縄の伝統的な竹細工の技法を正しく継承していること。
・高い技能と独自の工夫によって、手作りの良さ、竹の温もりを伝えながら、作品を製作し続けていること。
・伝統技法の指導・助言を通して、文化の発展に貢献してきたこと。

1992年

勢理客幸英さん(新里)が、神職用の籠(伊是名島の神事で使用)の製作を終える。

●伊是名島の神職(ノロ)家系の玉城家が、勢理客さんに製作を依頼した。
●籠はほぼ竹で編まれた(一部杉材使用)。
●籠のサイズ:縦約77㎝、横約64㎝、高さ約70㎝。
●籠の新調は、約80年ぶりであった。

【コラム】神職用の籠づくり
ここでは、神職用の籠の制作にまつわるエピソードを紹介します。
この籠づくりは、自分の発想だけで制作できない仕事だったので、勢理客さんは、伊是名の神事で使われてきた籠についていろいろと調べました。使えなくなった前の籠を観察するだけでなく、様々な資料にあたりました。また、博物館にも通いました。それだけの大仕事だったので、籠の制作には約3ヶ月も要しました。努力のかいはありました。玉城家の関係者は、勢理客さんに、その労をねぎらい、心からの感謝のことばを述べました。
なお、前の籠は半世紀以上も使用されていました。神事や祭事では、神職がその籠に乗って移動していたといいます。そのような歴史を継承するべく重要な仕事を、勢理客さんは見事にやりとげたのです。

 

参考資料:
広報さしき 第185号(1992年12月)
「尚円金丸と巡る 島の宝 伊是名村の史跡・文化財」https://www.izena-story.com/heritage/chapter03-2.html(2024年7月1日閲覧)

1996年6月16日

シーサイドコンサート&より愛マート物産市で、竹細工市が出される。

●同イベントは、老人福祉センターで開催された。
●この年のイベントは、愛マート開設1周年を記念して開催された。
●竹細工市のほか、食文化市や洋ラン展示即売コーナーも見られた。
●舞台では、馬天の伝統棒術や津波古のシーシケーラシ保存会による獅子舞も披露された。

小谷の竹細工については、『南城市の民俗』の第2章「地域住民による文化の継承―小谷の竹細工と芸能について―」で詳しく説明されています。