1981年 3月 12日
佐敷町のオクラの生産高が、県全体の30%を占めることが発表される。
●山城時正町長が、第7回佐敷町議会定例会で、「昭和56年度の町政運営の方針」の説明の中でこれを述べた。
1982年 3月 12日
オクラやサヤインゲン、花卉、バナナなどの都市近郊農業の生産が順調に伸びていることが発表される。
●山城時正町長が、第15回佐敷町議会定例会で、「昭和57年度の町政運営の方針」の説明の中でこれを述べた。
●都市近郊農業:市場や大消費地に近い都市近郊で、野菜や花卉類など消費者のニーズに合った農作物を生産する経営方法。
【コラム】「昭和57年度の町政運営の方針」
「昭和57年度の町政運営の方針」が、『広報さしき』第69号(1982年3月)に掲載されています。ここでは、第1次産業について述べられた内容をみてみましょう。佐敷町では、この時期に様々な事業が計画・推進されていたことがわかります。・土地改良事業(1981年度から着手):①面積33.8ヘクタール(津波古、小谷、新里)、②予算規模2億5,300万円、③期間4か年、④目的と方法は「農用地の集団化(土地の高度利用)のために、ほ場の区画整理、排水路・農道綱等の整備を行なう」「農業経営の合理化近代化を図るために、大型機械の導入等を行う」。
参考文献:広報さしき 第69号(1982年3月) PDF
・土地改良事業(1983年度から着手予定):①対象地は浜崎地区。
・農業構造改善事業:①第2次構造改善事業計画の一環、②1981年度、伊原運動広場および仲伊保集落センターの整備を終える、③1982年度、仲原保地区かんがい排水事業を行う。
・造林事業:①1978年事業開始以来37.12ヘクタール、57,680本の植林が行われた、②1982年度、第1次造林計画にそって7ヘクタール10,500本のデイゴの植林を行なう予定。
・地力増強のための計画:①問題:化学肥料主体の農業が長い間行なわれたことなどが原因で、最近、単位面積あたりの生産量が落ちている、②計画:地力回復のため(ジャーガル土壌の欠点である重粘性を改良するため)、農協と協力しながら、畜産農家から排出される家畜ふん尿を利用して推きゅう肥を作りそれを農地へ還元する仕組みをつくる。
・水産業の計画:①馬天港の総合的整備を国および県に対して要求する、②本施設の整備や漁船の大型化を漁協と協力して進める。
1983年 3月 11日
オクラ・サヤインゲン・花卉などの生産規模の拡大、生産農家数の増加、生産技術の向上、共同出荷体制の強化を佐敷町と農協との連携で進めていく方針が、発表される。
●山城時正町長が、第25回佐敷町議会定例会で、基本施策としてこれを発表した。
【コラム】佐敷町のオクラ
1983年10月刊行の『広報さしき』第77号で、佐敷町のオクラについて、次のように報じられています。本年度2期目のオクラの収穫が始まりました。本町で生産されたオクラが遠く大阪や東京の市場をにぎわせます。
出典:広報さしき 第77号(1983年10月) PDF
農協によると今年は、1期2期あわせて220トンの生産を目標にしています。1期目は90.3トンと目標をちょっと下まわりました。期待されていた2期目も台風でダウンぎみ。
それでも台風に強いオクラを実証するかのようにもう収穫です。
1984年 7月 20日
佐敷町産の農産物(オクラ含む)を利用した料理が、佐敷町農協婦人部総会でふるまわれる。
●同婦人部の11支部の部員たちが料理した。
オクラの漬物が、佐敷町産業まつり(18日迄開催)で紹介される。
●同まつりの会場は、老人福祉センターおよび農村婦人の家。
●佐敷町産の農業物加工品や、無公害食品などが紹介された。
1984年 10月 29日
オクラやカボチャなどを材料とした料理が「第2回・わが家の自慢料理コンクール」で披露される。
●同コンクールは佐敷町生活改善連絡協議会により開催された。
●会場は農村婦人の家。
●料理は、オクラの漬物やパパイア寒天、豆腐ハンバーグ、サツマイモのクリーム菓子、カボチャもち、タチウオの野菜巻きなどで、個人やグループにより出品された。
●調理法や工夫した点などが語り合われた。
●同コンクールでは、健康づくりも目指されていて、減塩食や自然食にも関心が寄せられていた。
1984年 11月 17日
オクラの漬物が、佐敷町産業まつり(18日迄開催)で紹介される。
●同まつりの会場は、佐敷老人福祉センターおよび佐敷農村婦人の家。
●佐敷町産の農業物加工品や、無公害食品などが紹介された。
【コラム】生活改善連絡協議会(生改グループ)
生改グループは主に農作業環境の改善に取り組んでいましたが、そのほかにも、減塩味噌づくりや農作業衣の製作、料理講習、菜園づくりなど様々な活動を行っていました。
参考文献:広報さしき 第87号(1984年12月) PDF
その活動は高く評価され、同グループは1984年11月24日「オクラの中華風漬物」で、県農林水産部長から表彰されました。当時の会長(18代目)屋比久美佐子さんは、当時の活動についてこう語っています。「減塩味噌などは、1人暮らしのご老人や、つきしろ学園などに贈って大へん喜ばれています。地道な活動ですが効果はとても大きいんです。食生活の改善などはその典型ですね。現在、町のいろいろな産物を利用しての料理研究に取組んでいますが、各方面で好評なんですよ」「ひとつ1つの活動が生活と密着しており、それが地域の振興にもつながっているんで責任の重さを感じています」
【コラム】新生産方式 オクラの間作
『広報さしき』第94号で、間作という新生産方式が紹介されています。間作とは、育っている作物の間に、他の作物を栽培するという生産方法(利用していない場所を有効活用するという方法)です。間作は、次の理由で導入する価値のある方法でした。①佐敷町では、耕地面積が限られほ場の確保が困難である、②オクラの輪作は難しい(同一耕地に異なる種類の作物を交代に繰り返し栽培することが難しい)。
参考文献:広報さしき 第94号(1985年8月) PDF
当時、字新里や字佐敷で、サトウキビの春植えの間作としてオクラの栽培が行われていました。また、佐敷農協は、この生産方式を農家に奨励していました。
【コラム】「オクラ栽培指針」
『広報さしき』第101号では、次の通り、佐敷町農協が作成した「オクラ栽培指針」が紹介されています。
参考文献:広報さしき 第101号(1986年2月) PDF
佐敷農協では、植付けにあたって次の「栽培指針」を示しています。それによると、品種は「三郷五角」で、播種期は2月20日以降(播種量・三百坪当り三ℓ、播種法・直播きで一株五粒、栽植密度・畦巾一・五m、条間四百m、株間二十五㎝)とのことです。
さらに、連作をする場合や、線虫の被害が予想される圃場を使用する場合は「バイデート粒剤」「テロン九二」等で必ず土壌消毒を行なうことや、元肥の施肥の仕方、条立て、播種法などについての指針が出されています。
1996年 10月 30日
オクラやカボチャ、豆腐などを材料にした料理が、字手登根の敬老会で、ふるまわれる。
●字は、例年折詰弁当で済ましていたが、この年は、婦人たちが総出で、昔ながらの料理をつくった。
●年配者たちは、この手づくり料理を食べながら、琉舞やエイサーなどの余興を観覧した。
1996年 10月 26日
ヘルシークッキング教室が佐敷町農村婦人の家で実施され、オクラを食材とした料理(オクラ入りミートローフ)などがつくられる(11月9日迄開催)。
●男性や子供の料理に対する関心を高めることが、同教室開催の目的の1つ。