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村民の和 平成10年度施政方針

村民の和
平成10年度施政方針
帰還:3月定例議会 3月12日~3月27日
知念村議会の三月定例議会が開催されました。
今定例会では平成十年度の村政運営の基本となる予算案をはじめ多くの重要な案件について審議されました。
開会にあたり志喜屋村長から平成十年度の施設方針演説が次のように述べられました。

はじめに
[写真]施政方針を述べる志喜屋村長
平成十年第二回知念村議会定例会の開会にあたり、平成十年度の村政運営の基本となる一般会計予算案及び特別会計予算案をはじめ提案しております諸議案の説明に先立ち、平成十年度の村政運営にあたっての所信の一端と主要施策の概要を申し上げ、議員各位並びに村民皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
私は村長就任以来、村政運営の原動力は「村民の和」であるとの信念に基づき、和、対話、公平公正、信頼をキーワードに平和主義、主権在民主義、人間尊重主義を基調として、村政を運営してまいりました。その間議員各位並びに村民皆様の深いご理解と御支援、ご協力によりまして、村政運営も堅調に推移しておりますことに対し、心から深く感謝の意を表する次第であります。
申しあげるまでもなく、住民こそが自治体の主人公であり、自治体というのは住民の税金による住民のための仕事を信託された住民の代行機関であり、 国家体施政方針を述べる志喜屋村長制の何処にかかわらず地方自治こそ国の基であるとの基本認識にたって、これまで執ってきた基本姿勢は、今後とも堅持していく所存であります。
戦後五十有余年が経過し、国際的には東西冷戦の構造が崩壊し、国内的にはバブルが弾け、五十五年体制が崩壊した今日、自己革新の時代に入ったと言われ、今までの延長線上ではなく、新しい政治、経済、行政、社会の仕組みを構築していかなければならない大変厳しい状況下にあり、これまでのような一国繁栄主義は通用せず、世界の国々に通用するような形に変革していく必要があるわけであります。
このような国内外の情勢を踏まえ、政府は行財政改革をはじめ、6つの改革を推進することとしております。その根底に流れる思想は「自立」だと思います。
このことは金融ビッグバンをはじめ、規制緩和等による本格的な国際的自由競争時代の到来を意味し、グローバルスタンダードによるフェアで公平な自由経済市場の中で、自己責任のおいて生きていくことであり、権利という名の利己主義や自由という名の無責任はもはや許されず、これまでの権利優先の依存的価値観を見直し、自立と自己責任を確立していくことが強く求められるものと思います。
急速な変革の時代とはいえ万古不易と一時流行からなるこの世界であります。「変わるもの」と「変えてはならないもの」を見極め、永遠の理想を追求しつつも現実的な対応を忘れてはならないことも大切なことだと思います。
改革には痛みが伴うものであり、耐え忍ぶことが非常に大切であります。また、それが強く求められてくることも十分認識しなければならないと思います。
自由競争の世界は優勝劣敗の厳しい弱肉強食の世界であります。自然界の生物はそういう世界にあってもバランスのとれる共生関係を保って生きております。この共生ということも忘れてはならない重要事項の一つであります。
地方分権を目前に控え、地方行政をあずかる私共は、これら世の中の動きにも十分配慮し、自然愛、人間愛に根ざした「自然と調和のとれた安らぎと喜びと活力に満ちたむらづくり」に尚一層の努力を傾注していく所存であります。
ご存知のように国の財政は、平成九年度末の公債残高が約二七九兆円に増加する見込みであり、国債費が政策的経費を圧迫し、構造的に益々厳しさを増しています。また、税収も今後の経済動向に左右されるため、その見極めが難しいなど、財政を巡る事情は一段と深刻さを増すに至っております。行財政改革についても財政構造改革の推進に関する特別措置法を制定し、それを踏まえ歳出面において経費全般にわたる徹底した節減合理化による地方一般歳出の抑制等、財政構造改革をより具体化する措置を講じています。
県においても将来の財政負担となる地方債残高が平成八年度末で五、二二七億円に増大し、財政を取り巻く環境は一段と厳しくなっており、予算編成においは行財政改革の推進として、効率的な事務事業の推進を掲げ、事務事業の総点検、県単補助金等の見直し、民間委託等の推進、使用料・手数料の見直し等を考慮し、将来を見据えた事業の整理等、厳しい財政状況に対応するための予算編成方針が示されております。
平成十年度における本村財政は近年の経済の低成長により、地方財政の歳入の要である地方交付税及び村税は、当面大幅な伸びを見込むことが困難な状況にあります。
また、歳出面においては、人件費、公債費、負担金等の義務的経費の増大、継続事業で農村総合整備事業、漁港整備事業、集落環境整備事業、道路整備事業、農業集落排水事業、斎場御嶽周辺整備事業、公園整備事業、老朽化水道管取替工事、新規事業で知念岬公園整備事業、知念児童公園整備事業、安座真船待合施設等、旺盛な財政需要があります。脆弱な財政規模の本村においては、 当分、単独で事業を興すことは難しい財政状況にありますので、沖縄特例措置の高額補助制度の活用を図るとともに引続き経常的経費の抑制をはじめ、中長期的な観点にたった行財政運営に努めていかなければ、旺盛な村民のニーズに応えることは不可能であります。
以上の認識の基に、平成十年度予算編成にあたっては、国県の予算編成方針及び地方財政計画等に留意しながら、ひきつづき歳入の見直し、歳出の節減合理化に努め、平成十年度事業の厳しい選択を行なうとともに、財源の重点的・効率的な配分を図り、節度ある財政運営に努めることを基本として徹底的な経常的経費の洗い直し等、平等・公平性を基に、最少の金額で最大限の効果が期待できることを目標に下記により予算編成を致しました。
①「第2次知念村総合計画」を念頭に事業の選択を行なうとともに「知念村行政改革大綱」を踏まえて事務事業の見直し等を行なうものとする。
②事業の選択にあたっては、事業の必要性、事業効果、執行体制等を十分検討の上、総合的、かつ長期的観点(実施計画書等)にたって優先順位の決定を行なうものとする。なお事業においては、効率補助のメニューを模索し、十分に検討すること。
③要求見積もりにあたっては、既定経費の徹底的な洗い直しを行ない極力経費の抑制を図るものとする。
④補助金団体については、事業実績を確認し、適正化を図るものとする。
⑤国、県、村等の分担及び負担区分を明確化するとともに、その適正化を図るものとする。
⑥歳入については、的確にその財源を捕捉し、積極的に増収に努めるものとする。
⑦特別会計については、それぞれの実態に即応し、一般会計に準じて編成すること。 尚 他会計と関連する事業については、双方十分な協議をすること。
⑧新規事業を採択する場合、関係課と十分な協議をすること。
以上の8項目の基本事項を示し、詳細については留意事項を示しての予算編成となっております。
次に平成十年度の主な施策についてご説明を申し上げます。

一、基本的な考え方
平成十年度の国県の財政状況は長引く不況、金融不祥事等を反映して大変厳しいものがあり、自ら市町村財政にも少なからずその影響を受けております。
一方、高齢者人口の増加に伴う老人医療費の増嵩等の医療保健福祉問題、生活環境整備、教育文化、産業の振興等の行政需要は益々旺盛で、本村の脆弱な財政のもとでは諸事業は国県の補助事業の導入に重点をおかざるを得ない状況にあります。
このような状況は、今後益々厳しさを増してくることが想定されます。よって、各種施策の実施にあたっては、時代の変化や社会の動向等にも目を向け、その事業の本質基本を踏まえた将来展望をもち、限りある予算の枠の中で、より効率的財政運営に努めてまいりたいと考えております。
なお、本定例議会中に提案する予定であります。知念村総合計画の基本構想(案)は三月九日に知念村総合振興計画審議会(十五人で構成)から答申されたもので、本村の平成十一年度から平成二十年度までの基本指針となる最も大事な構想であり、本村の将来像及び施策の大綱を定めたものであります。議員皆様のご理解を得まして、本年度は基本計画策定に全力を傾注していきたいと思います。

二、福祉・保健について
我が国は、急速な少子・高齢化を背景に、二十一世紀の前半には、国民の三人に一人が六十五歳以上という本格的な高齢社会を迎えることになると言われています。このような高齢社会において、国民一人一人が豊かさを実感しつつ、生きがいをもって暮らせるようにすることは国の政策であり、目標であります。国県においては時代の要請に応えるための施策が展開、推進されてきています。
広く国民の間に議論され、平成十二年四月に施行される介護保険制度もその一例であります。一方、高齢化の進行に伴い、今後とも老人医療費の増加は避けては通れない状況にあり、同時に若者による医療費負担の増大が見込まれます。
そのことを踏まえ、二十一世紀を展望しつつ医療環境の整備等、地域保健対策の総合的な推進、強化を図ることは益々重要度を高めてきています。又、近年の急速な高齢化の進展、慢性疾患の増加等による疾病構造の変化、生活習慣病の低年齢化等、地域をとりまく生活環境も著しく変化をきたしています。
平成九年度に地域保険法が改正され、市町村、都道府県及び国の役割が明確に位置づけられてきています。そのことにより従来の県の母子保健業務が大幅に市町村に委譲されてきており、市町村の役割も増大しています。
次に医療費の問題でありますが、全国に比較して、沖縄県の医療費は増高傾向にあります。本村においても平成8年度の年間医療費は九億六千九五一万円(対前年度比七、四二%増)となっており、なかでも老人医療費は六億一千四三九万円(対前年度比七、七%増)となっています。
特に老人医療費の伸びは年々高くなる傾向にあります。このような社会の諸状況を踏まえ、平成十年度においては地域の医療、保健の動向を基に保健事業をより一層推進し、保健婦・看護婦等による訪問指導を重点に実施し、村民の健康保持増進を図りたいと考えております。平成十年度の主な事業は健康手帳の交付、健康教育、健康相談、健康審査、機能訓練、訪問指導心の輪を広げる集い、心身障害者合同ピクニック、合同クリスマス望年会、ボウリング大会等を実施してまいります。

[写真]老人ディサービス事業へ向けての内装工事

尚、本年度より村内に居住する六十五歳以上の虚弱、ねたきり、痴呆性等、日常生活を営むのに支障がある老人に対し、生活の助長、社会的孤立感の解消及び心身機能の向上等を図るとともに、その家族の身体的、精神的負担の軽減を図る目的で通所の方法による各種サービスの提供を社会福祉協議会に委託し、老人ディサービス事業を実施することになっております。福祉は多岐にわたり多様化しており、行政のみで解決できる問題ではありませんので、地域福祉活動の推進母体となっている社会福祉協議会と連携を密にし、その活動を支援し、本年度は障害者の自立と社会参加の促進を図るため、その具体策について検討し、併せて積極的なボランティア活動者の育成に努めてまいります。平成十年度の事業として老人ホームヘルブサービス、短期保護事業(ショートスティ)、日常生活用具給付、老人クラブ活動の推進、ふれあいコール、敬老会及び敬老年金支給、老人ホーム入所設置、ディサービス事業等、身体障害者福祉においては日常生活用品給付、補装具給付、重度心身障害者(児)医療助成、更生医療給付、施設入所措置、及び児童福祉、母子・父子医療助成等を実施してまいります。

三、生活環境整備について
(1)道路整路整備について
道路は、村民の日常生活の利便性の向上を図り、産業の振興を始め、本村の自立的発展を推進するために最も重要な社会資本であります。
本村の道路網の特性は、国道を補完する機能が弱いために、村内や県都那覇市を始め近隣町村への広域的な移動に支障をきたしております。
このような現状を踏まえ、今後、集落内の道路改良や集落間を連結する道路の整備を計画的に行なう必要があります。また、県都那覇市や近隣町村への移動を短時間に容易に行なうために現国道の改良を始めバイパスの整備や国道機能を補完するため県道の整備を強力に推進していく必要があります。
現在、県道南風原知念線の整備が地主や地域のご協力をいただき、平成十年度に橋梁部分等の工事が完成する予定となっており、平成十年度末には一部供用開始がおこわれることになっております。また、那覇空港や県都那覇市圏域を短時間で結ぶ地方高規格道路(南部東道路)が昨年度に調査区間に指定され、整備に向けてスタートしたことは特筆すべきことだと思います。今後共、南部東道路整備促進期成会を中心に県をはじめ関係町村と連携を密にして南部東道路の早期事業採択に向けて取り組んでまいります。
今後の道路事業については、国の公共投資の削減を受けて、事業採択についても厳しさを増すものと考えられますので、地域を始め地権者の特段のご協力をお願いいたします。
平成十年度においては、次の事業を実施してまいります。
①久原地区道路整備実施設計
②下与那桝原道路整備実施設計
③安間原道路整備実施設計
④久原道路整備工事
⑤村道一〇七号線道路改良工事
⑥県道南風原知念線整備工事(県営)

(2)海浜、公園整備について
本村は緑豊かな自然の美しい村でありますが、村民が気軽に余暇を過ごす公園の設置箇所が少なく、多くの村民から公園の整備を待ち望む声が数多く寄せられております。
公園整備は、児童を始め青少年の健全育成や村民のコミュニケーションの場所としてまた、村民の憩いの場、健康づくりの場所として不可欠の施設であり、計画的に公園の整備を進めてまいります。
平成九年度に事業採択されました知念総合運動公園整備事業も順調に進捗しております。また、今年度から本格的に知念岬公園整備事業が開始されます。この知念岬公園は公園面積が五ヘクタールの中に屋外コンサート施設を始め、展望台、遊歩道、キャンプ場、園路等の整備が予定されております。
現在、安座真で整備されている県営安座真海岸環境整備事業も順調に進捗し、平成十一年度には一部供用開始に向けて整備が進められております。また、村単独用地の安座真海浜公園整備も引き続き進めてまいります。併せて、その背後地の有効な利活用についても地元と調整を図りながら、振興発展を模索してまいります。
平成十年度においては、次の事業を実施してまいります。
①知念児童公園整備工事
②知念総合運動公園多目的広場等用地取得
③知念岬公園整備工事
④安座真海浜公園整備工事
⑤安座真海岸環境整備事業(県営)

(3)港湾施設整備について
本村には、久高島にある地方港湾の徳仁港と中城湾港安座真地区(安座真港)の2つの港があります。現在、両港において県が久高航路の変更やカーフェリー就航に対応するための接岸岸壁等の基本施設の整備がおこなわれております。安座真港の整備が平成九年度に完了し、徳仁港の整備が平成十年八月の完成を目指して工事が進められております。また、安座真港の背後地に船待合施設を今年度に建設し、航路変更に伴う利用者の利便性を図ってまいります。
尚、念願でありました馬天港から安座真港への航路変更やカーフェリーの就航についても平成十一年三月を目処に進められております。このような、両港の本施設や付帯施設の整備が完了し、航路変更、カーフェリーの就航により、久高島の活性化や産業の育成等が一段と飛躍するものと思います。
平成十年度については、次の事業を実施してまいります。
①安座真港船待合施設建設工事
②徳仁港整備工事(県営)

(4)簡易水道事業について
水道事業は、水道の布設及び管理を適正かつ合理的にならしめると共に水道を計画的に整備し、村民に対し、安全な水の安定的な供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与することを目的として、ライフラインの確保に日夜努力している所であります。
水道事業が開始されて二十四年が経過し、当時布設された水道管は老朽化が進み老朽化による赤水、水道管の閉塞、漏水等が発生しております。維持管理の上からも多大な経費を要しているのが現状でありますので、水道管の取り替えが必要な時期となっております。
このため、平成九年度から平成十三年度までに補助事業の導入を行い村全域の水道管の取り替え工事を実施しなければならない状況にありますが、それらの水道施設整備に要する経費が17億円にも昇る膨大な資金が必要なことから、脆弱な簡易水道特別会計の財源では大変厳しく費用の捻出に苦慮している状況であります。
昨年度から簡易水道事業財政調整基金を取り崩し、今年度で基金も底を尽き、一般会計から繰入れを行なわなければ水道事業の運営が出来ない状況に至っており、今後、その改善策が大きな課題になると思います。
県民が等しく同一条件のもとで水道水の供給が受けられるためにも、広域的な経営が必要であり、機会あるごとにその必要性を訴えてまいりたいと思います。
平成十年度については、次の事業を実施してまいります。
①西部地区老朽管取り替え工事
②親慶原ポンプ場改築工事
② 電気計装システム整備事
④集落排水事業に伴う水道管移設工事

(5)農業集落排水事業について
本村が、「豊かな自然、きれいな海、快適な生活環境」の確保を目指して事業を導入しました農業集落排水事業は村民のご理解により順調に進捗しております。現在まで三地区が事業採択され平成十年度までに西部地区(志喜屋、山里、具志堅)、久高地区両地区が完成します。西部第二地区(知念、吉富、久手堅)についても早急な完成に向けて整備促進に努めてまいります。なお、本年度で西部地区、久高地区が工事完了しますので、供用開始においては、宅内配管の接続が一斉に必要になります。出費多端の折り、新たな出費は大変なことと思いますが、環境を保全するための、将来の投資として考えていただき、ご協力をお願いいたします。
なお、東部地区(安座真、知名、海野、久原)については、平成十一年度採択に向けて努力していきたいと思っていますので、村民の皆様のご協力を宜しくお願いします。
平成十年度は、次の事業を行ないます。
①知念西部地区管路施設工事
②西部第2地区管路施設工事
③久高地区放流管、中継ポンプ施設工事

[写真]供用開始に向けて整備される久高処理施設

四、教育について
(1)生涯学習の推進
今日の社会は、国際化、情報化、科学技術の進展等により、急激に変化しています。また、自由時間の増加、趣味の多様化、高齢化等により、村民は自己の充実・啓発のため、質・量ともに豊かな学習の機会を求めています。
このため、村民の多様化、高度化する学習のニーズに応えて、いつでも、どこでも、だれでも学習でき、かつ、その成果が適切に評価される生涯学習社会の実現に努める必要があります。
学校教育の基礎の上に各自の自発的意思により、自分の適した手段・方法を自ら選択し、生涯を通じて行われるものであります。生涯学習の推進にあたっては、村民の生涯の各時期における学習要求に応える新たな観点から、学校、家庭、地域社会などの各分野の広範な教育、学習の体制や機会を総合的に整備、充実する必要があります。そこで学習機会の提供、学習情報の提供、サークル活動の育成、ポランティア団体の育成に努め、その学習成果が地域社会で適切に評価されるような生涯学習社会を目指し生涯学習教育の充実に努めてまいります。平成十年度の施策としてポランティア活動の支援・推進、生涯学習ガイドブックの作成を実施してまいります。

(2)学校教育の充実
教育は人格の完成を目指すものであり、その普遍性にたって、地域性及び時代性を考慮しつつ、二十一世紀を担う幼児児童生徒を育成することが肝要であります。
今日の社会は、高齢化、情報化、国際化、科学技術の進歩等により急激に変化しています。時代を担う幼児児童生徒は、このような加速する社会に生きて行かなくてはなりません。
このような変化の激しい社会にあって、学校教育においては「生きる力」を育むという視点に立って、自分で課題を見つけ、自ら考え、自ら解決していく資質や能力の育成を重視した教育の展開が求められています。そこで、幼児児童生徒の豊かな心や創造性にとむ自己教育力の育成を目指して、基礎的・基本的事項の習得や個性を生かす教育を重視し新しい学力観に立った特色ある学校づくりを推進します。
また、道徳教育の振興や生徒指導の充実を図るなど、心の教育を重視し、他人を思いやり、生命を大切にする心や、たくましく生きる力を育てるとともに、健康の増進、体力の向上を図り、幼児児童生徒がいきいきと活動するゆとりある学校教育の実現に努めます。平成十年度は次の施策として特色ある学校づくり、道徳教育の充実、へき地教育の充実、健康の保持増進及び体力の向上、国際理解教育の推進、幼稚園教育の充実、学校図書館の充実、インターネット及びパソコンを利用した学習の充実、基礎学力向上対策の推進、生徒指導、進路指導の充実、学校週五日制への対応、学習指導の充実、環境教育、ボランティア活動の推進、教職員の資質、力量を高める研修の充実、知念中学校創立 周年記念事業の支援を実施してまいります。

(3)社会教育の充実
変化の激しい社会にあって、人々の学習意欲の高まりや時代の変化に伴う新たな学習需用の増大を背景に、生涯学習の推進を図るうえで、重要な役割を担う社会教育の充実・強化が求められています。
このため、社会教育指導者の養成確保等、社会教育指導者体制の確立に努めます。また、各種講座の開設や社会教育関係団体の育成促進、公民館活動の充実を図るとともに、社会参加活動推進事業の取組みを促進して社会活動の活性化に努めます。平成十年度は各種学級講座の促進、公民館活動の充実の促進、村立図書館の充実、社会教育関係団体の育成・強化、家庭教育の充実、高齢者の学習、社会参加活動の推進、 社会教育基盤の整備・充実を図ってまいります。

(4)青少年の健全育成
青少年は、一人一人が多様な可能性を持った存在であります。青少年が心身ともに健やかに成長することは、全ての村民の願いであります。この願いを実現するために、学校、家庭、地域社会が、それぞれの教育機能を十分に発揮するとともに、三者が相互理解を深め、連帯、協力して青少年の健全育成に取組み、 青少年が現在または将来において自己実現が図られるように、それらの育成に努める必要があります。
このため、社会の変化に対応し、社会の課題に積極的に取組むことができる青少年を育成するため、実効性のある青少年活動を推進します。平成十年度は青少年健全育成活動の推進、子供会の育成、スポーツ少年団の育成、学校週五日制への対応、交通安全教育の充実、 夜間街頭指導の実施、地域及び生活体験学習の推進を実施致します。

(5)国際化への対応
二十一世紀に向けて急速に変化し、進展して行く国際社会の中で、教育、学術、文化等の国際交流が一層盛んになっています。
今後、国際化の進展の基本となる人と人との相互理解、相互交流を推進し、自国の文化や異文化を理解し、これを尊重する態度や異なる文化をもった人々と共に生きていく資質や能力の育成に努めるとともに、国際豊かな視野の広い人材の育成が必要であります。
このため、国際理解教育を進めるとともに、中・高校生等の国際交流事業を推進します。平成十年度においては国際理解教育の推進、国際交流事業の推進、国際性豊かな人材育成の推進を図ってまいります。

(6)体育・スポーツの振興
体育・スポーツは、心身の健全な発展に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に役立つものであります。今後、自由時間の増大、高齢化・情報化社会の進展等社会環境や生活様式の変化とともに、二十一世紀に向けて体育・スポーツの重要性が一層増すものと考えられます。
このため、生涯にわたる健康で心豊かな生活をめざして、自発的・自主的な運動の日常化や健康生活を実践できる能力や態度の育成を図るとともに、学校と地域社会が連携し、スポーツの振興を推進します。平成十年度は児童、生徒、一般の競技力の向上、異世代間スポーツ大会、軽スポーツの普及、青少年の球技大会、生涯スポーツの推進、健康教育の充実、指導者の養成、スポーツ・レクリエーション団体等の育成を図ってまいります。

[写真]村長となごやかに食事を楽しむ保育所園児

(7)郷土文化の保護育成
本村は琉球民族発祥の地として伝えられ、数多くの有形無形の文化財を有しています。久高島はその歴史的な背景から民族文化財の宝庫ともいわれています。
これらの文化遺産を後世に正しく継承することは、私たちに課された責務であり、その保護と活用に努めてまいります。特に、斎場御嶽は「琉球王国の城・遺産群」とし、世界遺産へ登録申請するために、引き続き準備を進めてまいります。
また、心の豊かさが求められている今日、郷土の歴史や伝統を踏まえた個性豊かな地域文化の創造をめざし、村民の文化活動を積極的に図るとともに、郷土に根ざした伝統芸能の振興と後継者養成活動を推進します。平成十年度は斎場御嶽の保存整備、世界文化遺産(斎場御嶽)としての登録推進、久高島の天然記念物保存整備(カベール)、久高島の漁労習俗記録作成、伝統的無形文化財の保護育成、文化財愛護少年会活動の推進、民具等の収集、整備、活用、すぐれた芸能文化鑑賞機会の提供、伝統的・個性的な地域芸能の振興と伝承活動の推進、地域文化の継承発展、文化講座等を実施してまいります。

一、産業振興について
(1)農業の振興について
県は昨年「特色ある亜熱帯農業の確立指針」を策定、農業団体を交えたプロジェクトチームがその具体化を模索しています。亜熱帯地域としての優位性を生かし、薬草等いかに将来性のある農作物、制度を確立していくか、指針の具体化に期待がかかります。
反面、本村は半島部に突き出ているため、台風や干ばつ等の自然災害を受けやすく、その被害は深刻であります。
昨年度は、平成九年八月十七日の台風十三号により大きな被害をもたらしました。特に知名東桃原、西桃原、安座真海岸においては、護岸の決壊やオクラ、さとうきび等の農作物に大きな被害をもたらし、農業の振興に大きな打撃を受けました。その後の対策として、現在、防風林等の施設整備を実施するために平成十一年の事業採択に向け、精力的に取り組んでおり、その進捗に最大限に努力しているところであります。また、昨年度は、全県自由貿易地域(FTZ)制度の拡充、強化案が提示され、輸入農産物に対する将来的な規制緩和への方向性も示され農業団体から強い懸念が表明され、その方向性が気になるところであります。これからは県内外の動向を見ながら、創意、工夫を活かし、地域特性を利用した付加価値の高い作物の導入等、足腰の強い農業が求められています。

[写真]ハーベスターによる実演会の様子

本村においては、農業生産法人仲善の企業を誘致しその企業によりウコンの農家への委託栽培を実施するために説明会を実施したり、植え付けに関する現場実演会で三十名の農家が参加し、その内十四農家が六千坪の農地について栽培契約され、遊休地の有効活用が図られることが期待されます。さらに契約農家は増えることが考えられます。
特に昨年度は農業生産法人仲善に対し、県から乾燥工場や乾燥機、製品搬入機等の施設整備のために県の糖業農産課のご配慮により県単独の補助事業が導入され、本村の健康薬草園構想(ウエルネスの里)の実現に大きな前進を見ております。
今年は、これらの事業がさらに前進するよう精力的に取り組んでいきたいと思います。また、昨年度は、さとうきび農家の収益性の向上や畜産排泄物などの再利用化に向け、本島中南部の市町村と農協、製糖工場などが第三セクター方式の財団法人「沖縄県さとうきび振興組合」を設立しております。この施設はさとうきびの収穫作業の省力化に向けた集中脱葉設備、地力向上や環境対策を考慮した堆肥製造施設などを建設し農家や地域に還元する計画であります。また、志喜屋土地改良区においては、さとうきびの省力化にむけてのハーベスターによる収穫実演会や無脱葉機械による刈り取り実演会を実施する等その成果が期待されております。
今年は、遊休地を活用し、きび作農家の育成を図るためR(ルネッサンス)計画によりさとうきびの増産対策の費用が国や県の配慮により、認められておりますので、その取り組みに力をいれて行きたいと思います。
さらに、インゲン等マルチ栽培やハウス等からでる廃プラについても昨年度から回収を行いリサイクルを行うために減溶機によるコンパクト化を実現し快適な自然環境の改善につとめております。
このように、本村の農業を取り巻く環境は高齢化による担い手不足や台風や干ばつ等による自然災害の被害がおおきく、その早期対策が望まれております。そのために昨年度は、県の配慮により本村の農業用水の確保を図るために村全域の湧水調査に着手しております。
本調査は、本村の湧水の量や農地の利用状況等その需給状況を調査をするものであり数年にわたり調査する必要があることから今年度も引き続き県と村がタイアップして実施することになっております。
農村総合整備事業により実施している生活環境や農業基盤整備は、平成元年度から平成九年度までの間で総額十九億の膨大な予算をつぎ込み、その基盤整備に努めてまいりました。今後は、同事業の進捗状況を把握しながら相続等による未買収用地をできるだけ早急に買い上げ補助事業完了後に村単独の持ち出しがないように努力し、未実施箇所については地元の了解を得ながら速やかに完了するように精力的に取り組んで行きたいと思います。
また、土地改良区内において毎年のように集中豪雨により路盤流出等の被害をおよぼしている農道について、粉塵防止も兼ねながら、引き続き農道軽微改良事業により舗装等の整備を行っていきたいと思います。
林業の振興については、特に安座真、海野地区において県が事業主体により治山事業を導入し傾斜面の法面改良による地滑り防止に取り組んでおりますが、引き続き事業の早期完了を促進し被害が下流側に及ぼさないよう万全を尽くしていきたいと思います。また、水源涵養林の機能を高め村土を保全するために引き続き知名、安座真地区の造林地の下草伐採を主体に樹木の保育育成に努めていきたいと思います。

平成十年度は農村整備事業関連で次の事業を進めていきます。
①山里集道八号線整備工事
②吉富公園公衆便所整備工事
③ 知名農村公園公衆便所整備工事
④ 久手堅農道五号線整備工事
⑤ 吉富土地改良区内農道整備工事

(2)水産業の振興について
本村の水産業は、沿岸水域を漁場として、エビ養殖、モズク養殖、刺網漁、延縄漁等を主とし、沖合漁業はパヤオ漁、ソデイカ漁等が中心に漁業が営まれています。又、近年若者の漁業に対する意欲の高揚に伴い、漁船の大型化、近代的装備で漁獲高も年々増大している状況にあります。
モズクにおいては、最近健康食品といわれ、多くの需要が見込まれ、今後は海面養殖の重要な基幹作物として高まり、漁民の生産意遊休地の有効活用が図られるウコン栽培欲の高揚につながると思います。なお漁業の拠点となる漁港整備についても、引続き漁港及び漁港生活環境整備と併せて整備を図ってまいります。

平成十年度は、次の事業を実施します。
①志喜屋漁港修築事業
②久高漁港漁村総合整備事業
③志喜屋漁港関連道整備事業

(3)商工業の振興について
本村の商工業の振興を図るには、優良企業の誘致をはじめ地域づくりのための人材育成が求められております。
村が進めている薬草工場の誘致は、県や地元のご協力により順調に進捗しており本村雇用の創出や委託栽培農家の育成をはじめ本村の活性化に大きく貢献し、その相乗効果が期待されております。
また、昨年一昨年と特産品開発のための予算を商工会に補助し試作品の開発に積極的に取り組んでおりますが、特産品の開発にはなお時間を要し商工会と連携をとり、今後ともその成果があがるよう精力的に頑張っていきたいと思います。

(4)観光の振興ついて
[写真]純白な百合が咲きほころぶ平和な村を作りましょう
本村の観光施設は、知念海洋レジャーセンターをはじめとして守礼カントリークラブや早期供用開始が望まれる安座真人工ビーチがあります。歴史的遺産群の中で最も有名な斎場御嶽、知念城跡等の今後の活用が期待されております。また、斎場御嶽については、世界遺産に登録される予定であることから今後は、これらの施設のインストラクター等のボランティア活動家の育成が必要であり、その施設整備はもとよりボランティア等の人材育成にも力をいれていく必要があります。村民の理解を得ながら関係機関と連携し、その育成に取り組んでいきたいと思います。
また、観光客の誘客は、個々の企業がその施設機能充実を図りながら積極的に行うことが重要であります。例えば守礼カントリークラプにおいては、カートを導入し、入場客の大幅増に努力しております。
今後、村が企業と連携してホテル、人工ビーチ、斎場御嶽等の歴史遺産群の施設を相互にリンクした中でこれらの施設が早期に整備拡充され効率的に利用できるよう検討を加え観光リピーターが増えるように努力していきたいと思います。
以上、平成十年度の村政運営にあたっての所信の一端と諸施策の概要を申し上げましたが各会計の予算総額は下記のとおりであります。
大変厳しい財政事情ではありますが、村民の負託に応えるべく限られた予算の中において最大限の効果が出せるように努力し、効率的な行財政運営を図り、職員一体となって山積する諸課題に取り組み村民福祉の向上に努めてまいりますので議員各位並びに村民皆様のご理解とご協力をお願い申し上げまして、平成十年度の施政方針と致します。

[図表]各会計予算総額
(1) 一般会計予算
34億2百25万3千円(対前年度比4.55%増)
(2) 国民健康保険事業特別会計予算
5億2百71万5千円(対前年度比10.31%増)
(3)老人保健特別会計予算
7億9千3百35万9千円(対前年度比19.47%増)
(4) 簡易水道事業特別会計予算
4億2千1百21万4千円(対前年度比64.44%増)
(5)農業集落排水事業特別会計予算
5億5千3百26万6千円 (対前年度比△1.17%減)
合計56億7千2百80万7千円(対前年度比9.3%増)

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大分類 テキスト
資料コード 008401
内容コード G000000378-0001
資料群 旧知念村広報
資料グループ 広報ちねんNo.100(1998年4月)
ページ 2-12
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 知念
発行年月日 1998/04/01
公開日 2026/09/24