二十一世紀を見据えた『知念村づくり』
平成九年度施政方針知念村議会の三月定例議会が三月十一日から三月二十八日までの日程で開催されました。
今定例会では平成九年度の村政運営の基本となる予算案等について審議されました。開会にあたり志喜屋村長から平成九年度の施政方針演説があり「村政運営に当たっては就任以来進めてまいりました基本方針、基本姿勢を堅持し村づくりの期本理念に基づき村民の負託に答えるべく諸施策の推進に最大の努力を傾注してまいる所存であります。」と決意が述べられました。
[写真]旅政方針述べる志喜屋村長
はじめに
平成九年第二回知念村議会定例会の開会にあたり、平成九年度の村政運営の基本となる一般会計予算案及び特別会計予算案をはじめ諸議案の提案説明を申し上げる前に平成九年度の村政運営について所信の一端を申し上げ議員各位並びに村民皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
これまで私は 自然と調和のとれた安らぎと喜びと活力に満ちた村づくり」を基本理念として村政運営を進めてまいりました村政運営に対しましては、議員各位並びに村民の皆様の深いご理解とご支援、ご協力によりまして諸事業が順調に進捗しておりますことに対し、心から深く感謝の意を表する次第であります。
二十一世紀を目前にし、人類は過去の歴史の中でもこれほど危機感をもって、将来に不安を覚えている時代はないと言われています。
長引く不況、犯罪の増加、地球環境汚染、民族紛争、食料供給力の低下、 人工の増加、問題解決能力の弱体化等から巷間では世紀末論が流布され、また、二十世紀末の現代は、産業社会の発展によって人やものに対する愛情がなくなった時代だともいわれております。
地方自治体といえどもそういう世の中の動きにも目を向け、基本や本質を見失うことなく、長期的、多面的、総合的見地からものを見、プラス志向で村民の幸福の為に、人間愛、自然愛に根差した村政運営に誠心誠意努めてまいりたいと思います。
ご存知のように国の財政は、平成八年度末の公債残高が約二百四十一兆円に増加する見込みであり、国債費が政策的経費を圧迫するなど、益々、厳しさを増しており、また税収も今後の経済動向に左右されるためその見極めが難しいなど、財政を巡る事情は一段と深刻さを増すに至っております。平成九年度の国の予算及び財政投融資計画は、財政構造改革に取り組むことが喫緊の課題として掲げ、経常的経費、投資的経費を通じ、あらゆる経費について聖域なく抑制する必要があるとして平成九年度の予算編成方針を示し、財政構造改革元年と位づけております。
平成九年度における本村財政は近年の経済の低成長により、地方財政の歳入の要である地方交付税及び村税は、当面大幅な伸びを見込むことが困難な状況にあります。また、歳出面においては、人件費、公債費、負担金等の義務的経費の増大、継続事業で農村総合整備事業、漁港整備事業、集落環境整備事業、道路整備事業、農業集落排水事業、斎場御嶽周辺整備事業等、新規事業で公園整備事業久高船待合施設、老朽化水道管取替工事、村まつり等、旺盛な財政需要があります。村民のニーズに応えるためには中長期的な観点にたって行財政運営を図っていかなければなりません。
以上の認識の基に、平成九年度予算編成にあたっては、国県の予算編成方針及び地方財政計画等に留意しながら、ひきつづき歳入の見直し、歳出の節減合理化に努め、平成九年度事業の厳しい選択を行うとともに、財源の重点的配分を図り、節度ある財政運営に努めることを基本として次のような方針に基づいて予算を編成致しました。
(1)各課等においては、「第二次知念村総合計画書」を念頭に事業の選択を行なうとともに一知念村行政改革大綱」を踏まえて事務事業等の見直し等を行うものとする。
(2)事業の選択にあたっては、事業の必要性、事業効果、執行体制等を十分検討のうえ総合的、かつ長期的観点(実施計画書)にたって優先順位の決定を行なうものとする。なお、事業においては高率補助のメニューを模索すること。
(3)要求見積もりにあたっては、既定経費の徹底的な洗い直しを行ない極力経費の抑制を図るものとする。
(4)住国、県、村等の分担及び負担区分を明確化するとともに、その適正化を図るものとする。
(5)歳入については、的確にその財源を捕捉し、積極的に増収に努めるものとする。
(6)特別会計については、それぞれの実態に即応し、一般会計に準じて編成する事。尚、他会計と関連する事業については、双方十分な協議をするものとする。
次に平成九年度の主な施策についてご説明を申し上げます。
1 基本的な考え方
本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、情報化、国際化の進展といった社会情勢の変化等、多種多様化した住民のニーズに即応しつつ活力ある村づくりを推進しなければならない状況にあります。一方、地方分権が進むなかにおいて、国から地方への権限委譲が行われてきており、地方の自主性・自立性を強化しなければならない時期を迎えております。
今、個性と共生が求められております。個性と個性は対立し相反するものでなく共存するものでなければならないと思います。
官と民、自然と科学、自然界と人間社会等の関係も共存共栄、個性共存、共生の方向にいくものとされております。そういう時代の認識に立って、本村の将来計画を進めていくため「第二次知念村総合計画書」に基づき、きちんとした目標のもと、活力に満ちた住みよいむらづくりを目指して諸計画の実現に努めてまいります。なお、「第二次知念村総合計画」の期限により新たな「第三次知念村総合計画書」を策定するため。各種団体との意見交換会を実施しておりますが、平成九年度においても引き続き多くの意見が反映できるように交換会とシンポジウムを開催し、魅力あるむらづくりを目指して基本構想策定に全力を傾注していきたいと思います。
2 福祉・保健について
我が国は、今や平均寿命八十年という世界最長寿国になり、二十一世紀には、国民の約四人に一人がお年寄りという超高齢化社会に到達するといわれています。
このような二十一世紀の高齢化社会を、すべての方々が健康で生きがいをもち、安心して、生涯を過ごせるような社会とするためにも、ここ数年間は本格的な長寿社会に向けて、諸施策を講じ、準備すべき最も重要な時期であると考えます。又、急速な高齢化の進展に伴い慢性疾患の増加等による疾病構造の変化、新たな福祉的課題、保健サービスに対する人々のニーズが高度化、多様化し地域保[写真]各種団体との懇談会健を取り巻く状況が著しく変化するなかで、来るべき二十一世紀を展望しつつ地域保健対策の総合的な推進・強化を図ることが益々重要となってきております。
尚平成九年度には地域保健法が改正されるに伴い市町村、都道府県及び国の役割が明確に位置づけられ母子保健業務が、従来の県から大幅に事務委譲されるようになり、市町村の役割は益々増大してくる状況にあります。
本村における平成七年度の年間医療費は約八億六千百十四万円となっており、なかでも老人医療費は五億七千万円に達し、年々増加する傾向にあります。
このような社会の諸状況を踏まえ、平成九年度においては、地域の医療・保健の動向を基に、保健事業をより一層推進し保健婦、看護婦等による訪問指導を重点に、福祉・保険事業について次の事業を実施してまいります。
老人福祉児童福祉、母子福祉、身体障害者福祉、福祉助成事業等、一般検診、ガン検診、各種予防接種、健康相談、健康教育、健康づくり事業、乳児検診、訪問指導、機能回復訓練寝たきり予防、デイケアの定例会、心の輪を広げる集い等の開催、また、障害者が主体的、自主的に地域社会の中で安心して社会活動ができるように、本村では今年度に障害福祉計画を策定いたします。福祉保健事業につきましては行政のみで解決する問題ではありませんので、地域福祉活動の推進母体となっている社会福祉協議会の活動を支援し、超高齢化社会に向けたボランティア活動を推進するためのボランティアセンター開設に必要な援助を行ない積極的にボランティア活動者の育成に努めてまいります。
3 生活環境整備について
(1)道路整備について
道路整備は村民の生産活動災害救助等や生産の利便性の向上を図り、本村の振興発展を推進するための基本施設として整備を進めなければなりません。現在、整備が進められている県道南風原知念線も平成十一年度の供用開始に向けて順調に進捗しております。又、那覇空港や県都那覇市圏域を二十分で結ぶ地方高規格道路(南部東道路)の早期事業採択に向けて南部東道路整備促進期成会を中心に県を始め関係町村で協議が進められております。
現在、安座真で整備中の人工ビーチも平成十一年度の供用開始に向けて整備が進められており、前年度には村が整備する箇所の実施設計を終了し、今年度から人工ビーチの背後からのアクセス道路の整備を進めてまいります。
[写真]急ピッチに工事が進む安座真の人工ビーチ
平成九年度においても次の事業を実施いたします。
①村道八三号線道路改良工事
②志喜屋地区道路整備工事
③久原道路整備工事
④村道九七号線道路改良工事
⑤安座真道路整備工事
⑥海野道路整備工事
⑦安座真海浜道路整備工事
県道南風原知念線整備工事につきましても早期供用開始に向けて協力してまいります。
[写真]知念村総合運動公園計画図
(2)海浜、公園整備について
各地域の住民が余暇を過ごせる憩いの広場が少なく、青少年の健全育成を図る上から、又、各種スポーツを通じて地域住民や村民の健康づくりを推進し、村民の融和を図るためにも、村民が気軽に過ごせる遊び場や多目的広場、公園整備が必要であり、年次的に整備を進めてまいります。村民が待望している村総合運動公園の整備が今年度から着手することになっております。今年度は総合運動公園の角をなす多目的広場テニスコート、駐車場、進入道路、駐車場の実施設計が行われます。この総合運動公園の整備は多目的広場テニスコート、駐車場、進入道路、公園整備はグラウンドゴルフ場、遊歩道、遊戯施設、展望台、駐車場の整備が予定されております。
平成九年度においては次の事業を行ないます。
①カンチャ公園整備
②知念児童公園整備実施設計
③知念村総合運動公園運動場整備実施設計
県営安座真海岸環境整備事業(人工ピーチ)ついては県内外からも早期供用開始が望まれており、県と協力し早期完成に向けて頑張ります。
(3)港湾整備について
本村における港湾整備は、久高の徳仁港、中城湾港安座真地区(安座真港)の両港があり、今日まで県で整備が進められてまいりました。平成九年度予定の久高島へのカーフェリーの就航等に対応した港湾の整備が行なわれます。また、今日まで久高に訪れる観光客を始め久高住民に対して不便を与えておりました久高船待合施設を今年度に建設し、利便性の向上に努めてまいります。このように、カーフェリーの就航、航路の変更、船待合施設(特産品売り場も含む)建設により久高島の活性化及び産業の育成を図ってまいります。
平成九年度は次の事業を行ないます。
①久高船待合施設建設工事
②徳仁港整備工事
③中城湾港安座真地区(安座真港)整備工事
(4)簡易水道事業について
水道事業は村民に水道水の安定的供給を行なう重要なライフラインを確保するための事業であります。このためライフラインを確保するために日夜努力している所であります。
本村の水道管は敷設後二十年を経過して、腐敗が激しく取り替え工事を年次的に進めて行く必要があります。
このため、平成九年度から老巧化管更新事業の採択を行ない西部地区が終了しだい引き続き東部地区の水道管の整備を行なってまいります。
このようなことから水道の施設整備に要する経費は膨大な資金が必要なため、脆弱な水道財源では大変厳しく財源の捻出に苦慮している状況であります。等しく同一条件のもとで水の供給を受けられるためにも、広域的なシステムが必要であり、機会ある毎にその必要性を訴えていきたいと思います。
平成九年度事業においては、次の事業を行なってまいります。
①老巧管更新事業
②知名配水管敷設工事
③集落排水事業に伴う水道管移設工事
(5)下水道整備について
『豊かな自然、きれいな海、快適な生活環境」を目指して、現在、農業集落排水事業が三地区で実施されております。西部地区(志喜屋・山里・具志堅)においては、平成九年度で処理場がほぼ完成いたします。尚、久高地区においても処理場を建設することになっており、西部第二地区においても本格的に管路工事が始まります。
本村は全地域において農業集落排水事業が完了いたしますと豊かな漁場のイノーが蘇り、排水路は雨水のみしか流れませんので悪臭のない環境の改善が図れるものと確信致します。早めに村全域の整備をするため東部地区(安座真~久原)の採択に向けて頑張って行きたいと思いますので村民の皆様のご協力をお願い致します。
平成九年度は次の事業を行ないます。
①知念西部地区処理施設(機械設備)工事
②知念西部地区管路施設工事
③久高地区処理施設工事
④知念西部第二地区管路施設工事
[写真]早期完成がまたれる西部地区農業集落排水処理施設
4 教育・文化・スポーツについて
(1)学校教育について
教育は、人格の完成を目指すものであり、その普遍性にたって、地域性及び時代性を考慮しつつ、二十一世紀を担う幼児、児童生徒を育成することが肝要であります。
今、高齢化社会、情報化社会、環境問題、科学技術の進歩、少子化、国際化等、非常に困難なことが子供たちの前に立ちはだかっています。そんな中で今回の教育改革のキーワードの一つが生きる力」であります。子ども達に、二十一世紀の社会に対応していく力、未来を生きる力としての「生きて働く力」が身につくような教育が求められているのであります。
そこで、児童生徒の豊かな心や創造性に富む自己教育力の育成を目指して、基礎的基本的事項の習得や個性を生かす教育を重視し、生涯学習の基盤を培い、新しい学力観にたった特色ある学校づくりを推進します。
また、道徳教育の振興や生徒指導の充実を図るなど、心の教育を重視し他人を思いやり、生命を大切にする心やたくましく生きる力を育てるとともに、健康の増進、体力の向上を図り、児童生徒が活き活きと活動するゆとりある学校教育の実現に努めます。
(2)学校教育の充実について
学習指導要領の五つの柱を核とした教育の充実を支援します。
①学校の特色を生かした学力向上対策の推進(県教育委員会の地域指定二年次)
②道徳教育の充実
③生徒指導、進路指導の充実
④学校週5日制への対応
⑤健康保持増進及び体力の向上
⑥インターネット及びパソコンを活用した学習の充実
⑦国際理解教育の推進
⑧学校図書館の充実
⑨幼稚園教育の充実
⑩環境教育、ポランテイア活動の推進
⑪教職員の資質、力量を高める研修の充実
(3)教育環境の整備充実について
教材、教具、設備等の充実に努め、自己教育を高める教育を推進します。
①教育内容に対応した設備、備品の充実
②施設、設備の適正管理及び安全管理の徹底
③中学校用教科書採択に伴う教材、教具の充実
④久高小中学校体育館床張替工事
⑤久高小中学校給食室改修工事
⑥久高教職員宿舎漏水防止工事
(4)生涯学習について
今日の社会は、国際化、情報化、科学技術の進展等により、急激に変化しています。また、所得水準の向上、自由時間の増大、高齢化等により、村民は自己の充実・啓発のため、質・量ともに豊かな学習機会を求めています。
このため、村民の多様化高度化する学習のニーズに応えて、いつでも、どこでも、だれでも学習ができ、かつ、その成果が適切に評価される生涯学習社会の実現に努める必要があります。
また、生涯学習は、学校教育の基盤のうえに各自の自発的意思により、自分に適した手段・方法を自ら選択し、生涯を通じて行われるものであります。生涯学習の推進にあたっては、村民の生涯学習の拠点である村中央公民館、村立図書館を中核に学習機会の提供、学習情報の提供、サークル活動の育成、読書活動等を推進し、その学習効果が地域社会で適切に評価されるような生涯学習社会を目指し生涯学習の充実に努めます。
①国際交流事業の推進
②ボランティア活動の支援・推進
③他部局との連携
④社会教育の充実
⑤公民館活動の支援
(5)青少年の健全育成について
青少年は、一人一人が多様な可能性をもった存在であります。青少年が心身ともに健やかに成長することは、すべての村民の願いであります。この願いを実現するために、学校、家庭、地域社会が、それぞれの教育機能を十分に発揮するとともに、三者が相互理解を深め、連帯協力して青少年の健全育成に取り組み、青少年が、現在または将来において自己実現が図られるように、自己教育力の育成に努める必要があります。
このため、社会の変化に主体的に対応し、社会の課題に積極的に取り組むことができる青少年を育成するため、実効性のある青少年育成活動を推進します。
①青少年健全育成組織の充実と活動の強化
②高校生、大学生の激励
③子ども会の育成
④スポーツ少年団の育成
(6)文化財の保護と活用について
本村は琉球民俗発祥の地として伝えられ、数多くの有形無形の文化財を有しています。
これらの文化遺産を後世に正しく継承することは、私たちに課された責務であり、その保護と活用に努めてまいります。
①斎場御嶽、知念城跡の保存整備
②伝統的無形文化財の保護育成
③民具等の収集、整備、活用
④文化財愛護少年会活動の推進
⑤世界文化遺産(斎場御嶽・知念城跡)登録事業の推進
⑥久高島の漁労習俗記録作成
(2)文化振興活動の推進について
心の豊かさが求められている現在、郷土の歴史や伝統を踏まえた個性豊かな地域文化の創造を目指し、村民の文化活動を積極的に図るとともに、郷土に根差した伝統芸能の振興と後継者活動を推進します。
①地域文化の継承発展
②伝統的・個性的な地域芸能の振興と伝統芸能の推進
③すぐれた芸能文化観賞機会の提供
④芸術文化活動の推進
(8)体育・スポーツの振興について
体育・スポーツは、心身の健全な発展に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に役立つものであります。
今後自由時間の増大、高齢化・情報化社会の進展等社会環境や生活様式の変化とともに、二十一世紀に向けて体育スポーツの重要性が増すものと考えられます。
このため、生涯にわたる健康で心豊かな生活を目指して、自発的、自主的な運動の日常化や健康生活を実践できる能力や態度の育成を図るとともに、児童についても学校と地域社会が連携し、スポーツの振興を推進します。
①競技力の向上
②三世代ゲートボール大会
③ウオークラリー
④青少年の球技大会
[写真]子、孫まじえての楽しい三世代ゲートボール
5 産業について
(1)農業の振興について
二十一世紀を展望した特色ある農業の確立に向けて今年度は、薬草会社の誘致や微生物等の無農薬有機農法の推進、認定及び認定志向農業者の技術の向上を図るための講習会の実施を行なう等、農家の経営基盤の安定に努めてまいりたいと思います。
また、九十六年度産のさとうきびは台風、干ばつ等の影響により糖度が島尻東農協管内で平均十三・四三度に対し、本村は平均で十三・三度と低くなっています。そのため、農家平均手取り価格が二万円そこそこは確保できるものの収量、品質とも平年以下となり、耕作放棄農地が増大する可能性があり深刻な状況になってきています。
このような状況を打破するために農協等と連携をとり、さとうきびの生産推進協議会(仮称)を設置する等、耕作放棄地の有効利用に全力を尽くして行きたいと思います。また、今後の本村の農家の経営をより安定させる為には、村内の豊富な湧水の効率的な利用を推進する必要があり、平成八年度から平成十二年度(五年)の間に総額六億円をかけて志喜屋土地改良区に補助事業導入により、ため池を三箇所設置することになっております。
このように農業離れを防ぐためには後継者の育成はもとより暴風対策や豊富な自然水、集落排水処理水の有効利用を推進する必要があり、本村全体の湧水等の利用計画の策定について県と連携をとり、その方向性について整理していきたいと思います。
例年、農作物を主な餌にする「シロガシラが本村に大きな被害を与え、主にサヤインゲン、スイートコーン、レタス、トマト、ジャガイモなどが食害されている状況にあり、昨年度は猟友会に約千羽の駆除を要請しましたが、本年度も引き続きこのような食害がないように要請していきたいと思っております。
[写真]かわいらしいシロガシラだが、農家にとっては天敵
なお、シロガシラは、毎年十二月からに二月まで四十羽から五十羽の群れをつくり、集団で行動するために被害が集中すると言われています。今年の冬は特に、昨年の気象災害で野鳥の好む自然の木の実が減り畑に被害が及んだ可能性がありその防除法としては、網目二センチ以下の防鳥ネットが最も有効な防除対策と言われていますので自衛策も検討する必要があると思います。
平成元年度に採択された農村総合整備事業が、昨年度まで総額約十八億の膨大な費用をかけ村内全域を網羅した土地改良事業、農道、集落内道路、農村公園、多目的共同利用施設などの整備を行ない地域の農業生産基盤や農村の快適な環境の創出に努めてまいりましたが今年度も引き続き下記の事業を農村総合整備事業により実施して行きたいと思います。
①久高農村公園整備工事
②志喜屋農村公園整備工事
③多目的共同利用施設整備工事
昨年度末の十二月の集中豪雨は、時間雨量玉城村糸数で六四ミリと近年まれにみる雨量となっており村内各所で被害が発生しその処理に全力で対応してきましたが、なお、排水路等の改善の必要性があるところがあり、これらの改善整備に努めて参りたいと思います。
また、吉富土地改良地区において同集中豪雨の影響で農道の路面冠水により路盤が流出し道路の機能が完全にマヒし農家に多大な被害を及ぼした路線について次の事業を実施して行きたいと思います。
① 吉富地区農道軽微改良事業
[写真]去年12月の集中豪雨での路面冠水
(2)畜産振興について
畜産の振興については、豚舎が民家に近いことから悪臭等による苦情や排水不備による環境汚染が深刻となっております。しかし、畜産は有機農法にとって必要不可欠なものであります。
これらの諸問題を解決するために微生物を利用した処理方法について講習会を実施するなど畜産農家の技術の向上に努め営農意欲の増大を図っていきたいと思います。
(3)水産業の振興について
本村の水産業は、車エビモズクの養殖、パヤオ沖釣漁を中心に盛んに行われ、大型パヤオ等の設置により沖合い漁業も年々漁獲高も増大している状況にあります。なお、平成八年度で実施している水産構造改善特別対策事業で製氷施設が完成します。それによって漁民の操業の安定に大きく寄与するもと思っております。なお、漁業の拠点となっている漁港についても、ひきつづき環境整備と併せて整備を図ってまいります。
平成九年度には次の事業を行ないます。
①志喜屋漁港修築事業
②志喜屋漁港海岸環境事業
③久高漁港漁村総合整備事業
(4)商工業の振興について
平成七年度に調査した資源の特産品化に向けてさらに前進する必要があり今年度においても昨年同様に商工会と連携をとり、地域アドバイザー事業を導入して専門の講師を招き、特産品の開発に全力を投入して行きたいと思います。
(5)観光産業の振興について
昨年度は、県の主催である「大琉球まつり王国」に知名青年会の花蝶の舞、松竹梅などの演舞をパレット久茂地前で披露し大勢の観光客に大好評を受けましたが、今年度もこのような機会を積極的に活用し本村の伝統芸能の普及、史跡(斎場御嶽・知念城跡の世界遺産に登録予定)の整備等、観光資源を掘り起こし観光振興に努力して行きたいと思います。
[写真]大琉球祭での知名青年会 華蝶の舞
6 治山、治水防災について
前述したとおり昨年の十二月の集中豪雨は村内各所で被害が発生し、とりわけ県の治山事業実施済の安座真地区においては被害が膨大で、その土砂が下流部の農道まで堆積した経緯がありその早期復旧が望まれております。
そのため県の事業により平成九年二月五日に災害査定を受け総額一億七千万の査定額を確保しその早期復旧に向けて順調に進捗しておりますが、引き続き災害が起こらないように早期復旧を要請して行きたいと思います。
尚、平成八年度において知念村の防災計画書を策定する計画でありましたが、今まで沖縄県の防災計画には地震編がなかったため、新たに地震編が本年度で策定されることになっておりますので、本計画と整合性を併せるために、九年度に見直しを行なってまいりたいと思います。
防災対策は、地域にあった計画を策定すべきであると考えます。平成七年一月十七日午前五時四十六分に起こったあの悪夢のような阪神、淡路大地震の災害は、いろいろな面で救助活動等に問題があったと指摘されています。人間は突発的に起こった災害においては、気が動揺し思うような対応ができません。本村においても昨年の十二月十六日に起こった集中豪雨においては一部の人のみで災害対応したのが実情であります。
幸いに人災がなかったことが救いであります。災害は日頃の訓練と発生後の行動において防災計画がしっかりしていないと大惨事を起こしかねません。そこで、平成九年度において知念村防災計画を見直し、地域の実情にあった防災体制を確立するように策定を図ってまいります。なお、各字より要望のありましたオフトーク通信を通じて、緊急時等に各字屋外スピーカーによる放送ができるように平成九年度において整備を図ってまいります。
7 情報化について
複雑多様化する現代社会において、報化については現代社会に対応するためにも必要であります。国、県においても積極的に情報化に取り組んおり、本村においても村民のニーズにあった情報化を模索し、インターネット、庁舎内LANの構築等、村民福祉の向上を図って行きたいと思います。
以上、平成九年度の村政運営にあたっての所信の一端と諸施策の概要を申し上げましたが各会計の予算総額は下記のとおりであります。
全国的に大変厳しい財政事情ではありますが、村民の負託に応えるべく限られた予算の中において最大限の効果が出せるように努力し、効率的な行財政運営を図り、職員一体となって山積する諸課題に取り組み村民福祉の向上に努めてまいりますので議員各位並びに村民皆様のご理解とご協力をお願い申し上げ平成九年度の施政方針と致します。
[図表]■予算の明細
| ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=1Na4RsrKQQRJ5VNeDvEc9iM_2hcTHQOln |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008389 |
| 内容コード | G000000366-0001 |
| 資料群 | 旧知念村広報 |
| 資料グループ | 広報ちねんNo.88(1997年4月) |
| ページ | 2-9 |
| 年代区分 | 1990年代 |
| キーワード | 広報 |
| 場所 | 知念 |
| 発行年月日 | 1997/04/01 |
| 公開日 | 2026/09/24 |