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安らぎと潤いのある豊かな村づくり 平成元年度施政方針

第三回知念村議会定例会が三月十日から二十四日までの日程で開かれました。
今定例会では、平成元年度の一般会計予算案及び特別会計予算案をはじめ村から提案された十五件の議案が審議されました。
仲里常延村長は、開会にあたり施政方針演説を行ない、冒頭「安らぎと潤い」を基本目標として掲げ、村民全員がより豊かで幸せいっぱいのむらづくりを展開することを明かにしました。

はじめに
日本国及び日本国民統合の象徴であらせられました、昭和天皇が昭和六十四年一月七日崩御なされ、皇位の継承に伴い、元号法の規定に基づいて「平成」と定められ、新しい平成の時代を迎えることになりました。
平成の元号は、ご案内のとおり一月七日付、内閣総理大臣談話で「内平らかに、外成る(史記から)地平らかに、天成る(書経から)」引用されたものであり、その「平成」には、国の内外にも天地にも平和が達成されるという意味から定められたと発表されたことはご案内の通りであります。
私達六、〇〇〇〇村民もこの新しい「平成」の元年を期して、心を新たにし、外に大きく目をむけ、いわゆる広い視野で「より豊かで明るい住みよい平和な村づくり」に一致団結、勇住邁進されることを期待し、平成元年度の知念村の村政運営と予算編成方針を申し上げます。
平成元年度のわが村の村政運営の指針となるべく平成元年度知念村一般会計歳入歳出予算をはじめ、知念村国民健康保険事業特別会計歳入歳出予算、知念村老人保健事業特別会計歳入歳出予算、知念村簡易水道事業特別会計歳入歳出予算及び関係議案十五件のご審議をお願いする三月通常議会が本日開会されるにあたり、わが村の平成元年度の村運営の方針の一端を申し上げ、議員各位のご理解と村民一人一人のご協力を賜わりますようお願い致します。

第一、基本方針
平成元年度は、新しい元号にふさわしく村民が二十一世紀への展望のもと、村民一人一人が心と心を一つにし、村民全員がより豊かで幸せいっぱいの日常生活を目ざし、村民が快適な生活基盤の安定、保健、衛生及び福祉の増進、産業振興と所得の向上、教育、文化の向上等々を基本目標に「安らぎと潤い」のある生活実現のための諸施策を積極的に推進していく所存であります。
平成元年度の国の財政計画は、人口の高齢化、国際社会における社会経済情勢の変化に対応しながら、税制改革、消費税の導入実施によって財政の健全化を図ろうとしているが、依然としてドル安円高傾向はまだまだ続き、国際的貿易経済収支はまだまだ不安定なものがあると思慮されます。
このような社会情勢の中、国の平成元年度の地方財政計画は、生活保護費等の義務的社会福祉費の国庫補助負担率の見直し及び権限の委譲等によって地方交付税は、前年度当初より全国的に一七・三パーセントの形式的伸びが予想されますが、その中にはふるさと創生事業費及び財源対策事業債の繰上げ償還財源が含まれており、実質的な市町村分の伸びは、経常経費で三パーセント、投資的経費が八パーセント程度の伸びとなるとのことで予算編成にあたっては、引き続き行財政の簡素効率化及び経費の節減合理化を強点的かつ効果的配分を行い、節度ある財政運営を行い、中期的健全化を図るため、なお一層消費的経費の抑制策を構ずると共に、村税の賦課徴収の強化を図って、自主財源の確保に鋭意努力する旨が強調されております。
ところがわが村のように、企業や産業の少ない村では自主財源の確保が乏しく、村財政運営は地方交付税等の依存財源に委ねることが大きく予算編成も極めて厳しい現状であります。
しかし、村民の要求や地域社会の要望に対応すべくため、消費的経費を極力抑制し、村民への環元及び社会資本の整備等に重点的に財源の配分に努めましたが、消費税の四月実施に伴って需要費等の消費経費が増大し、予想以上の財源不足を期していますが、村の活性化対策を図るため、生産向上のための土地改良事業、生活環境整備事業、農村モデル事業、漁港の基盤整備事業、村営住宅建設、道路整備事業、教育、文化の向上、久高離島の振興対策事業等の新規事業及び大型事業の実施に伴う投資的経費の対応費の捻出、また、社会福祉協議会への補助金、島尻消防清掃組合、佐敷・知念給食センター組合負担金、年々増大する老人医療費の負担等々の義務的経費に多額の財源が要する中、平成元年度予算は次の重点施策の実現に限られた財源を有効的に配分し、予算を編成いたしました。
1村民福祉及び保健衛生の向上
2村民生活環境の整備
3所得向上と農林水産基盤の整備
4青年の村内定住化対策による村営住宅建設
5教育、文化、スポーツの振興と青少年の健全育成
6久高離島の振興対策
7ふるさとづくりと活性化対策
右記の七大重点施第を積極的に推進し、平成元年にふさわしい知念村の二十一世紀へのステップとした中期的「安らぎと潤いのある豊かな知念村づくり」に全職員一丸となって努力すべく次のとおり平成元年度の四会計予算編成いたしました。
一、知念村一般会計歳入歳出予算総額
二、〇八二、〇九〇千円
(十二・三四%増)
二、知念村国民健康保険事業特別会計歳入歳出予算
三九六、四四六千円
三、知念村老人保健事業特別会計歳入歳出予算
三六七、五八二千円
四、知念村簡易水道事業特別会計歳入歳出予算
九八、五一五千円
五、会計歳入歳出合計予算総額
二、九四四、六三三千円
前年度予算総額二、七六四、三〇二千円に対し、六・五二パーセントの伸びとなっております。
なお、詳細については、担当課長から各予算の提案説明のときにいたすことにし、本年度の七つの重点施策を具体的に申し上げます。

第二、村民福祉及び保健衛生の向上
(1)村民福祉対策について
高齢化社会が急速に進展する社会構造において国の社会福祉政策や福祉施設の充実によって各種福祉対策が確立されていますが、社会経済の高度化に伴って、寝たきり老人、障害者、母子家庭等は、社会的・経済的に弱い立場にあり、これらの福祉施策をきめ細かに行い長寿社会への参加を図る必要があります。また、児童福祉・老人福祉についても時代の進展に即応すべき各種福祉施策を樹立し、生きがいのある実情に即した総合的福祉施策が必要であります。

[写真]ひとりぐらし老人激励会

その実現のため施策を行い、村民一人一人が安心して日常生活が営まれるよう次の施策を積極的に行います。
ア、生活保護と母子福祉対策について
村民が特別な事情により収入減等によって生活がおびやかされている家庭の生活保護及び母子世帯の経済的・社会的自立更生を図るため、各種福祉制度の有効的活用、指導助言を行って生きる希望と自立更生への道を聞かさしめる。
イ、児童福祉対策について
すべての児童が健やかに育成される児童福祉対策を充分行い夢のある社会環境づくりのため子供達が安心して自由に遊べる広場を確保整備し、事故のない環境づくりに積極的に取りくみ、また、保育所の管理充実と保母の資質向上を図って、児童保育の円滑化に資する。
なお、本年度は、昭和四十七年に建設した中央保育所の大規模改修工事を行い、不安のない安全な施設で児童保育が行なわれるよう施設整備を行います。
ウ、老人福祉対策について

[写真]三世代交流ゲートボール大会

高齢化社会の中において、長期に亘り、世のため、人のため尽してこられたお年寄りが、長寿と生きがいのある余生をおくるため、あらゆる老人福祉政策を樹立し、知念村に生まれ育った喜びがわかちあえるきめ細かな老人福祉対策を構ずることは子供や行政の責務と存じます。
そこで村は、一人暮し老人や寝たきり老人に対する介護の派遣及びヤクルトの無償配付による日常生活における健康確認のための「一声かけ運動」を実施し、あわせて寝たきり老人や一人暮し老人の生活安定と経済的援助を積極的に行います。また、健康なお年寄には、生きがい対策として老人クラブ活動費の助成及びゲートボール等の適度の運動を奨励し、長年に亘り、経験された知識と創造性を長寿社会に役立てていただき、余生を楽しく送っていただきますように行政も全面的に支援いたします。
更に村敬老年金支給及び敬老会等を行い、今日まで社会に奉仕されたことに感謝会を開催いたします。
エ、障害者福祉対策について
障害によって体が不自由で苦しい生活を送っておられる方々には、障害者援護法の諸制度を周知せしめ、「生きるよろこびと望み」と保障もれのないよう配慮いたします。また、一日も早く社会復帰できますよう村社会福祉センターの心身障害者用の機能回復施設を積極的利用されますことをお願い致します。
更に精神障害者は、精神クリニックと野外ビクニック等を行い、精神的障害の克復を図って正常の社会復帰への助長を行います。
(2)保健衛生対策について
村民すべての方が健康で日常生活が快適に営まれる環境衛生の実現をめざし、公衆衛生及び個人衛生思想の高揚と各種健康診断、各種予防接種等の充実強化によって、村民の疾病から早期発見とごみのない生活環境の保持に努め、村民の健康増進に努めます。
ア、村民の健康保持について
すべて村民が健康で文化的な日常生活が営まれるため、保健事業を積極的に行うため、健康相談、訪問指導、健康教育及び村民健康展を行い、村民の健康管理の高揚を図って、村民の健康増進を図る。また、各種健康診断と予防接種を強化し、村民の疾病からの早期発見による健康管理を充実せしめ、健康で明るく豊かな文化的生活ができるよう助長いたします。

[写真]毎年行なわれている住民検診

イ、環境衛生対策について
わが村は、自然環境に恵まれ海浜や野山が非常に美しく、村全体自然公園であるといっても過言でないと思います。このように恵まれた自然環境をより美しくするため、ごみの処理計画及びし尿処理計画を充分樹立し、ごみ、し尿の不法投棄を防止し、自然環境の保持に努める。また、伝染病の媒介源である、エ、カ、ボーフラ等の防除を行い、住みよい快適な衛生環境づくりを行います。

第三、村民生活環境施設整備について
(1)生活基盤の施設整備について
村民の生活基盤である道路及び生活排水路の施設整備については、ここ四~五年間重点的に取り組み、各字の村道及び排水路は非常に整備され、村内外から高く評価されているところであるが、まだまだ施設整備するところが数多くありますので本年度も次の道路及び排水を施設整備し、快適な生活基盤である道路等を整備いたします。
①、知念地内村道三十二号線の改良舗装工事、②山里地内村道一五号線の改良、③知念地内村道二九号線改良、④志喜屋地内生活道路、排水改良、⑤吉富地内道路改良、⑥海野地内道路改良、⑦石油貯蓄立地対策交付金による知名地内村道五十四号線の改良等を実施整備いたします。
(2)交通安全対策と防犯対策
ア、交通安全対策については、警察や行政が積極的に推進しているところであるが、交通事故による犠性者は絶えない状態で本年度は二月末日現在二〇人の尊い生命が犠性となっております。この犠性者は例年になく異状事態の発生であり、警察や行政も強力に交通安全対策を行っておりますが、毎日のように発生しております。村としては、交通安全協会及び交通安全母の会が積極的に交通事故防止活動を行っており、幸いにして本村での交通事故犠牲者が少ないことは、誠に喜ばしいことであります。
ところが交通事故はいつ発生するか知れない。交通事故を未然に防止するため、あらゆる機関を通して交通事故防止運動を実施していく方針であります。また、施設面においては、カープミラーの設置、防護さく等を行い、交通安全対策の強化を図ります。

[写真]交通安全教室

イ、防犯対策として青少年の夜間はいかい等によって、犯罪も低年化現象にあり社会の粗悪から青少年の犯罪防止に努めると共に、防犯灯の設置を強力に推進し、夜間歩行者の安全確保と犯罪を未然に防止し、心身ともに安らぎのある環境整備を行います。

第四、所得向上と農林水産基盤の整備
農業及び水産業の生産所得の向上を図るには、農水産業施設の基盤整備が急務であり、農業及び水産業の基盤施設を図って行く必要があります。
(1)農業生産基盤の施設整備について
農家所得の向上を図るには、生産コストの低減と農地のほ場整備が急務であり、わが村の立ち遅れていた土地改良事業もここ二、三年前より本格的事業が実施され、県営による志喜屋・山里台地上地区の土地改良事業もほぼ完成し、本年度からは知念台上地区を着工することになります。また、吉富地区土地改良事業も順調に進んでおります。更に新しく山里地区土地改良事業が開始され、立ち遅れていた土地改良事業も計画通り進行し、志喜屋地区土地改良事業は、今や県下でも模範の土地改良事業となっております。
海野、知名地区の農地保全事業及び知念地区農業構造改善事業「岩清水に潤うニライカナイの里」をキャッチフレーズに計画した村民農家待望の農村総合モデル事業がいよいよ本年度かり事業が実施されます。
これらの事業の基盤整備によって、農家所得の向上と農業経営の合理化及び農業後継者育成が図れます。
(2)漁港整備と水産振興について
志喜屋漁港の格上による改修事業及び久高漁港の整備については、国の第七次漁港整備計画によって十一億円余の費用を投じ整備が一通り完了しましたが、漁船の大型化によって一部整備する必要があり、本年度局部改良事業で同漁港を整備いたします。
また、漁業振興と漁民の安全確保のための漁船用無線通信機設置補助及び漁船建造資金の利子補助についても従来通り行い漁業振興を図ります。

第五、青年の村内定住化対策の村営住宅建設について
わが村は、企業や就労の場が少ないうえ、借住宅等が少なく婚姻、就職等によって、都市及び職場近くに居住を求め、青年が村外へ転出することが多く、可動力のある若者の村内定住化対策として村営住宅の建設の要求が多く、本年度に村営住宅十世帯、五棟を建設し、若者の村外転出を防止すると共に村の中長期的活性化と住宅難及び宅地難等を解消しながら、村人口の適正化並びに活力のあるふるさとづくりを図ります。

[写真]現在の村営住宅

第六、教育・文化・スポーツ等の振興と青少年の健全育成について
教育・文化・スポーツ等の恒久的振興発展を図るには、教育基本法の理念の基に各人が創造性、自主性に富んだ国際的な人間形成をめざした教育、文化等の知識を身につけた教育を行うべきであると思います。
特に教育は、世界中に即応できる個人特有の資産であると同時に、無限の力としてどの世界でも通用する私資産であります。
わが村は、地理的自然条件から面積が狭少のうえ、雇用の場も少なく、教育の向上を図るために教育立村を打ち出し、学校・家庭・地域社会及び知念村青少年健全育成村民会議と協調して児童・生徒の基礎学力向上と教育・スポーツの振興に努力しております。
平成元年度は、主として次の施策を推進していきます。
(1)学校教育について
本年度から児童・生徒の基礎学力向上対策を図るうえから、教頭格の学校教育指導主事を設置し、本土各県より低い基礎学力の向上を図っていきます。
また、各学校に教育目標を樹立せしめ、たしかな学力と心豊かな人間性を身につけさせるため、学校予算は施設整備及び管理費予算以外は、全額要求通り予算を計上してあります。
特に各学校の管理者が非常に教育向上に熱心でありますので、教育指導主事の設置と共に大きな成果が得られるものと期待しております。
(2)社会教育の振興について
国際交流及び情報化社会においては、生涯教育が肝要であります。
そのために高齢者学級、婦人学級及びその他の数多くの社会教育学級を開設し、国際化時代及び情報化社会に対応していくための社会教育の振興を図ることにしております。
(3)文化財の保護及び村史編集について
わが村は、先達の残してこられた文化資産が豊富にあり、その保存と育成が必要であります。幸いに本年度は、国、県に依然から知念城跡の復元補修について要請しておりましたが、本年度保存調査費の補助がつき、国の重要文化財である知念城跡の復元補修がなされるものと思っております。この機会に同城跡の早期復元を関係機関に積極的に取りくんでいき、ふるさとの文化財の保護育成に努めます。また、多くの県民の拝所とわが村の文化財指定のテダウッカーの復元及び同拝道の施設整備をふるさと創生づくり特別交付税で実施することにしており、この事業が完成すると名実ともにふるさと創生事業にふさわしい「ふるさとの道」が整備され、あわせて文化財の保護のみならず、村内外の多くの参拝者からも喜ばれるものと存じます。その外、村指定の有形文化財の保護対策も引き継き行っていきます。

[写真]整備がまたれる知念城跡

更に、知念村史二巻(資料編)が近日発刊完了し、村民の方々をはじめ、関係者にも配布購入することが近々であります。今後も村史編集業務を継続しながら、村民待望の通史の早期発刊に努めます。
本席をおかりしまして村史第
二巻の発刊にあたり、資料の提供、執筆された方々、並びに編集委員、関係者に哀心より感謝申し上げます。誠におつかれさまでした。今後は、多くの方々の学術・文化の研究資料や後世の人々に正しくわが村の歴史・文化が継承されると確信いたします。今後共、なお一層のご協力、ご指導を賜わりますようお願い申し上げます。
(4)スポーツの振興について
高齢者社会における村民の健康管理は最も重要であり、老人・少年・青年・成年等が適度のスポーツを行い、日常の健康管理とあわせて多くの村民が各種スポーツに積極的に参加されるよう、村民体育館、村勤労者体育館及び各種スポーツ施設の有効利用を図って、村民の健康増進とスポーツの振興、技術の向上を図ります。

[写真]新春マラソン大会

(5)青少年の健全育成について
今日の高度経済、文化社会における青少年を取りまく社会環境は極めて複雑多岐化し、少年の「夜間はいかい」等、今は本人のみならず社会問題であることはよく周知のとおりと存じます。
青少年の意識と行動は物の豊かな経済環境の中の社会構造からしまして、低年齢化現象にあって保護者や地域社会においても最も優慮すべく社会問題であります。
このような社会環境の中において、次代を背負って立つ青少年が豊かな創造性と自主性に富んだ健全な心を育成するため、知念村青少年健全育成村民会議、学校、家庭、地域社会が一丸となって青少年を社会の粗悪から未然に防止し、人間性豊かな青少年の健全育成を行っていきます。また、知念村青少年健全育成村民会議では、非行防止と基礎学力向上のため毎年村内の児童生徒の漢字力テストを行い、相当の成果を得ていることは周知のとおりと存じます。
今後は、漢字のみならず、基礎数学も広く取り入れて学力向上の一助としたいと思っております。また、夜間補導を強化し、夜間はいかい等の非行防止に全力をつくし、青少年の健全育成を図ってまいります。

第七、久高離島振興対策について
久高離島の振興対策については、毎年財源のゆるす範囲内において諸々の特別措置を構じておりますが、離島がゆえに本島と比べて投資効果が得られなく、人口は年々減少の一途で、老人の島化へのおそれがあります。
久高島の過疎化対策を図るため、電気・水道・港湾・漁港・診療所を施設整備してきましたが、企業や就労の場が少なく、労働力のある若者は、職を求めると同時に都市や本島等へ転出して行き、若者が定住することが難しい現状であります。
久高離島の振興のためには若者の島内定住が必要ですが、若者を定住させるには、就労の外に花嫁の問題が最大の課題でありますが、今のところ抜本的対策はなく、当面は村民待望の久高離島総合センターの建設を本年度より次年度予算までに施設整備計画しております。この離島総合振興センターが完成すれば、若者をはじめ、字民全体の語らいの場となり、島興しの殿堂として大いに役立つものと存じます。更に国の第七次漁港整備計画によって十一億余りの巨費を投じて施設整備した久高漁港が漁船の大型に伴い不充分な施設があるため、本年度局部改良事業で施設整備いたし、久高離島の最最も大きい産業であると共に若者の唯一の就労の場でもあますので、過疎化防止の一助と離島振興に大きく寄与されるものと確信いたします。
その他、久高人参生産部会への補助を行い、農業後継者育成と久高農業特産物の奨励によって農業振興を図ることにしております。

[写真]久高島

第八、ふるさと創生事業について
竹下総理大臣の最大な政策である「ふるさと創生づくり」事業として、市町村に一律一億円の特別交付税が、昭和六十三年度予算で二、〇〇〇万円、残り八、〇〇〇万円が平成元年に交付されることになり、このふるさと創生づくりによるわが村のふるさと創生事業計画は、村内外から強く整備復元の要求があった村文化財指定のテダウッカーの整備及び参拝道の復元、全国的にも有名な久高イザイホー祭の祭地の環境整備、若者の定住構造のためのふるさとの村建設、及び村民まつり経費補助等を計画して、ふるさと創生づくり事業を推進していく計画であります。
更に、よりふさわしいふるさと創生事業に充当する財源として、予備費に本年度交付分の半額四、〇〇〇万円留保財源として残してあります。

[写真]久高島の御殿庭(ウドンミャー)

第九、その他
第二次知念村総合振興基本構造を前年度に策定計画し、今期議会に提案し、議会の議決をお願いいたすものであります。この第二次知念村振興基本構想に基づき、知念村第二次振興整備計画及び実施計画を策定し、わが村の二十一世紀へのステップとして名実ともに「みどり豊かな聖地の里」の知念づくりの糧といたします。また、中城湾港南部開発構想(M・T・P)と共にその実現に努力いたします。

むすび
以上平成元年度予算編成にあたり施政の一端を申しのべましたが、自主財源の乏しいわが村の財政運営を効率的、かつ、有効に投資効果が得られるよう消費的経費を抑制し、村民のニーズに応えるべく社会資本の整備と財政の健全化を図るべく鋭意努力し、創造性に富んだ魅力ある住みよい平和な村づくりに邁進いたします。また、平成元年度の知念村の四会計予算の執行については、資金計画を充分行い、有効的、かつ適正に執行いたします。
どうか、議会議員の各位をはじめ、村民の理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして平成元年の村政運営の方針といたします。
平成元年三月十日
知念村長仲里常延

ダウンロード https://docs.google.com/uc?export=download&id=1oIK9DiFVA5mrKFDGFLeLpG5RWa7aC74s
大分類 テキスト
資料コード 008378
内容コード G000000355-0001
資料群 旧知念村広報
資料グループ 広報ちねんNo.53(1989年5月)
ページ 2-7
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 知念
発行年月日 1989/05/10
公開日 2026/09/24