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「平和でより豊かな村づくり」をめざして 仲里村長が施政方針

[写真]村長 仲里常延
昭和六十一年知念村議会第二回三月定例議会が本日開会されるに当り、昭和六十一年度知念村一般会計予算をはじめ、特別会計予算三件、並びに諸議案の審議をお願いするに先だち、私の昭和六十一年度における村政運営に当っての基本的所信を申し述べ、議員各位と村民のご理解とご協力をお願い申し上げます。
はじめに
私が、昭和五十七年九月村民の負託を受けて、村長に就任以来今日まで「平和でより豊かな村づくり」を基本理念に村政を担当してまいりました。
しかし、わが国の昭和四十年代の後期から昭和五十年代の中期にいたる高度成長期から一転し、ここ数年間低成長期に入り、時あたかも国の財政改革及び行政改革という厳しい社会経済事情の中において、国や県の財政立て直しという公共団体を取りまく財政事情は益々厳しい財政事情をむかえ、国の補助率の引き下げ、補助金の削減等によって、自主財源の乏しいわが村の財政事情はなおさら逼迫することであります。村民もこのようなことをよくご理解なされ、苦しい財政事情の中においても、昨年は、「福祉の殿堂」と位置づけをした知念村社会福祉センターの建設も村内外のご協力により、来る四月開館を目ざしております。
又、知念村の立ち遅れていた生産基盤の土地改良については私の村長立候時の最優先すべく重要な施策の一つであり、その実現を期すべく全力を尽しましたところ、志喜屋上原~知念上原の台上地区の土地改良事業が昭和六十年度から採択され、いよいよ本年度から本格的工事が施工されることになりました。
これも偏えに村民をはじめ、農家の方々のご理解とご協力の賜ものであります。本席をかりて、心から感謝と敬意を申し上げます。
このように村政に対する村民の協力ということは、直接村発展につながる偉大なる村民の原動力であり、まさしく団結は力なりであります。
次に、昭和六十二年開催の第四十二回国民体育大会は現下の厳しい財政状況下にありながらわが県の将来の振興発展のためのイベントとして意義があり、沖縄海邦国体はいかなる理由があるにせよ成功させなければなりません。私も、より村の発展と海邦国体の成功を期すため、自信と勇気をもって、今後も不退転の決意で村政運営に全身、全霊を尽したい所存であります。
どうか今後、村民の益々のご協力とご支援のほどをお願い申し上げ、昭和六十一年度の村政運営の施政を申し上げます。

(第一)予算編成の基本方針
ここ数年間、国の財政改革及び行政改革のもとに予算を編成してきましたが、昭和六十一年度においても財政事情は好転することなく、依然として厳しい情勢となっております。
特にわが村の一般財源の要である地方交付税の算定基礎となる国勢調査人口が前回調査人口より二六六人減になり、わが村の地方交付税に及ぼす影響も大きく、地方交付税の伸びは期待できない反面、才出面においては人件費、扶助費、義務的負担金、知念村社会福祉センター建設等による債務負担行為等の義務的経費の増大、村民要求の増嵩による才出の需要に対し、才入の伸びはなく、財源不足を期する収支不均衡財政構造であります。
このような財政事情をかんがみ、昭和六十一年度予算編成にあたっては国、県の財政事情をふまえながら、村財政運営の健全化を図るため知念村補助金、負担金等審議委員会の設置、知念村行政改革推進委員会及び同推進本部を設け、知念村行政改革大綱を昭和六十年十二月に策定いたしました。
昭和六十一年度予算編成からは、可能な限り、補助金、負担金審議委員会の答申並びに行政改革大綱の本旨に基づいて予算を編成し、村民が快適でより豊かな生活が営まれるように、緊急かつ投資的効果が充分反映されるように、限られた財源を次の施策を重点的に配分し、予算を編成いたしました。
1快適な生活環境の施設整備
2村民生産基盤の施設整備と農林水産業の振興
3村民福祉の充実
4海邦国体の準備、推進
5村民の保健増進
6教育、文化の振興
7村営住宅の施設整備
以上、七つを昭和六十一年度の重点施策として次のとおり各予算の総額を編成いたしました。

[図表]昭和61年度当初予算
○一般会計才入才出予算
1,694,100千円
○簡易水道事業特別会計予算
82,242千円
○国民健康保険特別会計予算
279,940千円
○老人保健事業特別会計予算
230,496千円
合計予算総額
2,286,778千円

(第二)快適な村民生活環境の整備について
1村民生活基盤の整備
村民が健康で文化的なうるおいのある豊かな日常生活が営なまれるように、村道の施設整備及び集落内の生活排水路の施設整備等、下記の生活環境の施設整備費五一、三八一千円の予算計上を行ない、村民生活の向上を図る。
(1)知名地内排水路及び道路整備
(2)知念地内一周道路(三十二号線)(の整備、生活排水路の施設整備
(3)吉富地内道路、排水路施設整備
(4)久手堅地内排水路整備
(5)村道十五号線(山里~具志堅)の調査、設計

2交通安全対策と防犯対策
村民や地域住民の交通事故による生命財産を未然に防止するため、反射鏡の設置、志喜屋地内村道三十六号線の歩道施設費等三九、五八五千円の予算措置を講じ、村民の交通安全対策の推進に努める。
又、防犯灯の設置補助を行ない、夜間の歩行者の安全と犯罪が防止できるような村民のやすらぎのある環境づくりに努める。

(第三)村民の生産基盤の整備と農林水産業の振興について
1農業基盤の施設整備
農家所得の向上と生産の増収及び生産コストの低減並びに農地の保全等の施設整備を図るため、農家待望の生産基盤のめだまである県営による志喜屋台上から知念台上までの土地改良事業がいよいよ本年度から五二、四〇〇千円の事業費で着工されることになりました。
又、久原地区農地保全事業及び農業構造改善事業による知念注内農道施設事業費等一〇〇、九〇〇千円で農業基盤整備を行ないます。
2農業振興対策
農家経営の安定と所得増進を図るには、土地改良事業等の農業基盤整備とともに、近代的農業経営の安定を図らなければならない。
昭和五十九年度において県下初の水耕栽培施設を導入し、後継者育成と農用地の拡大、近代的換金作物の導入等によって、農業経営の合理化推進を図り、村内はもとより、村外、県外からも注目された施設であり、今や栽培も機動化していますが、なお経営の充実と出荷機能を充実させるべくため、野菜産地総合整備事業による冷蔵施設を行ないます。
又、わが村の換金作物であるサヤインゲン、オクラ、キビ古株更新、農薬購入等の農業振興補助金も厳しい村財政でありながら可能な限り補助を行ない、農家所得の向上と増産を図ります。
3水産業の振興
わが村の水産業の振興を図るには、漁港の基本施設整備が重要であり、村内の漁港の整備を積極的に行なってまいりましたところ、久高漁港の施設整備については、十三億円余りの巨額をもって、昭和六十年度でひととおり完成いたします。
又、志喜屋漁港の整備については、国、県へ局部改良事業から改築事業への格上を要請しているところでありますが、早急にはできなく、今年度も局部改良事業で整備いたします。
なお、漁船建造資金利子補給漁民の安全操業確保のための無線施設等の補助を行なって、水産業の振興に努める。

(第四)村民福祉の充実について
[写真]
村民待望の知念村社会福祉センターが今月いっぱいで完成することになります。
建設にあたっては村民はじめ、村内外者のご協力をいただき建築資金の調達のため心あたたまるご寄附を賜り、この席をおかりし、心から感謝と敬意を表するものであります。
ご協力誠にありがとうございました。
本村は、民間の社会福祉団体が活用する福祉施設が皆無に等しく、今日まで社会福祉協議会をはじめ、民生委員協議会、老人クラブ、母子会、身心障害者等の活動の場が少なかったが、今後はこれらの活動を拠点として、又、村民が広くかつ有効に住民参加の地域福祉活動になお一層寄与されるものと期待しております。
今後は社会福祉協議会、老人クラブ、民生委員協議会等々の社会福祉団体と連携を密にして児童福祉、老人福祉、母子福祉、児童福祉、老人福祉、母子福祉、身心障害者福祉等の充実強化を図ります。
又、村民の生命財産を保護するため、知念村国民健康保険高額医療費貸付基金条例を設定し療養世帯が安心して日常生活が営まれるよう高額療養世帯の生活安定を図る。

(第五)沖縄海邦国体開催の準備推進について
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県民の大きな期待による「きらめく太陽・広がる友情」のテーマで開催される第四十二回国民体育大会の開催もいよいよ来年に迫り、わが村もその成功を期して取りくみ、施設整備についてはほぼ完成いたしますが、今年度はリハーサル大会、本大会にむけての取りくみをしなければならない。
そのために事務局を設置し、その対応を整わなければならないため、知念村国民体育大会推進費補助金一千六百三十万円を補助し、むかえる国体を成功させるべく体制づくりを行ないます。

(第六)村民の保健対策
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村民が心身ともに健康で文化的な生活が営まれるよう、各種予防接種を積極的に行なうとともに、予防保健事業を強化し、村民の疾病から早期発見と日常の健康管理を習慣づけせしめ、母子保健、老人保健等の予防保健事業並びに村民の各種検診を計画的に行ない、村民が心身ともに健康で豊かな生活が営まれるよう最大の努力をいたします。
又、個人衛生、公衆衛生等の衛生思想の高揚を図りながら、伝染病の媒介源であるハエ・カ等の防除のため、ボーフラ駆除の実施、更に川や海の汚染防止対策として今年度より二ケ年計画で、島尻消防清掃組合四村によるし尿処理施設の建設を行なうことになっております。
しかし財源の都合上、当初予算ではその建設費の負担割当額千八百万円余の予算計上をすることができなかったことは、非常に残念でありますが、どうしても今年度内には財源の確保を行ない、当該施設が円滑に施工されるよう努力いたします。この施設が完成いたしますと、環境汚染の防止に一役の効果が得られるものと大きく期待しております。
どうか議会の皆様方のご協力をお願い申し上げます。

(第七)教育文化の振興について
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1.義務教育の向上
教育は、世界全体の共通した個人特有の資産であり、特に領地の狭いわが村においては何よりもかえがたきもので教育立村を打ち出し、学校現場、家庭、地域社会及び行政当局が連携を深め、児童・生徒の教育の向上に努めます。
特に昨年から基礎学力向上地域指定を受け、学力の向上と人間性豊かな教育をめざして知念村青少年健全育成村民会議と一体となって推進しています。
2社会教育の振興
高学歴社会時代と国際交流の激しい社会環境において今や生涯教育の時代を迎え、時代の流れに対応しうるには、社会教育の充実と強化を図らなければならない。そのため、社会のニーズに対応すべく財源のゆるす限り、各種社会教育学級を開設してめまぐるしく変動していく社会情勢に対応すべく社会教育の振興を図っております。
3.文化財の保護育成と村史編集
わが村は、ご案内のとおり先祖の残した多くの有型無型の文化遺産があり、その貴重な文化遺産を後世の人々の学術の研究のため保護し、正しく継承していくため、残された文化遺産の保護育成と村の歴史を編綴し、後世へ伝承するため村史の編集業務を行ない今年度は第二巻の発刊を計画し、編集委員会もその対応でがんばっておりますが、財政上の都合上、今年度の当初予算で印刷費を計上することができなく印刷発刊が多少遅れることになりますが、財源の見通し次第、第二巻の印刷を行なっていきたいと思います。
なお、村史編集については、二巻、三巻の発刊にむけて継続して業務を行ないます。
4.青少年の健全育成
青少年をとりまく社会環境は極めて復雑であり、「いじめ」の問題は、今や当人同志の問題でなく大きな社会問題になっていることは周知のとおりであります。
わが村においては、他市町村に先がけ青少年健全育成村民会議を設置し、今日まで青少年の健全育成と心豊かな青少年の育成教育を行なってまいりました。
幸いにわが村における青少年の非行防止に大きく寄与していることは誠にご同慶にたえません。
青少年の健全育成は、行政当局のみでできるものではありません。学校、家庭、地域社会、行政が一体となって青少年の非行が防止できるのであります。
将来の世代を背負って立つ青少年の健全育成は、行政に課された最大の責務であり、今後、知念村青少年健全育成村民会議を中心として青少年の健全育成に最大の努力をいたします。

(第八)村営住宅の施設整備について
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知念村の中長期的振興発展を図るには、何といっても村内に若者が定住し得る対策が第一であります。
特に世帯分離して村内に住もうとしても、農振法やアパート等の施設が無いため、やむなく村外へ出て行かなければならない人も少なくありません。
人口の流出防止対策としても村営住宅を建設し、若者の村内定住化と同時に、人口増と村の活性化や長期的な振興発展を図るため、今年度六戸建、十二世帯の村営住宅建設を行なうため、住宅建設費及び関連施設並びに取り付け道路等の予算措置を二億一千万円余を計上しております。
又、将来計画として、村財政の確保及び需要に対応して施設整備し、村の過疎対策の指針といたします。
(第九)特別会計予算について
知念村簡易水道事業特別会計才入才出予算及び知念村国民健康保険事業特別会計才入才出予算については、原則的に独立採算制でありますが、独立採算制への改訂については充分検討し、議会との調整及び時期などを充分勘案し、行財政改革大綱の本旨に則って独立採算制へ移行し、又、国民健康保険事業特別会計への繰出金については、毎年一〇〇万円づつの繰出金を減額していますが、本年度分については、通常繰出金三〇〇万円と高額療養費貸付基金条例による基金二〇〇万円の合計五〇〇万円を繰出し、国民健康被保険者の保険税負担の軽減と高額医療費の一時負担による療養世帯の出費負担の緩和を図って、高額医療費支払いによって家庭生活にしわよせが生じないよう生活の安定を図ります。
知念村老人保健事業特別会計については、国、地方公共団体の負担義務でありますが、年々増嵩する医療費の高騰により本年度は一千一百五〇万円を繰出しすることになりました。
以上、昭和六十一年度の主たる施策と予算編成方針を申し上げましたが、予算執行に当っては、限られた予算を有効にかつ効率的に投資効果が充分得られるように努め、村民の声を行政に多く反映せしめ、民主的な村政運営と村の特性を生かした、「より豊かな活力ある住みよい平和な知念村づくり」をめざすことを基本理念として、昭和六十一年度の村政運営を不退転の決意で行ないます。
以上、申し上げまして、昭和六十一年度の村政運営と予算編成方針といたしますが、議会議員の皆様をはじめ、村民一人一人のご理解とご協力を申し上げます。

ダウンロード https://docs.google.com/uc?export=download&id=1b4_VA4ZePMZ5VcQqBQL6WzCkLQ4Mdv9s
大分類 テキスト
資料コード 008367
内容コード G000000344-0001
資料群 旧知念村広報
資料グループ 広報ちねんNo.42(1986年4月)
ページ 2-5
年代区分 1980年代
キーワード 広報
場所 知念
発行年月日 1986/04/
公開日 2026/09/24