[図表]第1図新しい年金制度のしくみ
[図表]第2図サラリーマン世帯の標準年金額
今年の四月から公的年金制度が変わります。
今回の改正は、今後、高齢化社会を迎えるなかで、公的年金制度を長期的に安定したものに改革することを目的としています。
主な改正点は①「基礎年金」制度の導入―従来の国民年金の適用を広げ、すべての国民が加入する②給付水準と保険料負担の適正化③婦人の年金権の確立④障害年金の充実―などです。
1サラリーマンも国民年金に加入 ■基礎年金制度の導入■
今回の改正で「基礎年金」制度が導入されます。基礎年金とは、今までの国民年金に自営業者等だけでなく、サラリーマンやその奥さんなども含めた国民(被保険者)すべてが加入し、共通の給付として支給されるもので、国民すべてで年金の基礎部分を支えていこうというものです。
この結果、厚生年金保険は国民年金の上に乗り、加入期間分の「報酬比例の年金=支払った保険料額に応じた年金」を支給する二階建ての新体系となります(第1図参照)。また、船員保険は厚生年金に統合されます。
なぜこのような改革が必要なのでしょうか。
今までの公的年金制度は、サラリーマンなどを対象とする厚生年金、船員を対象とする船員保険、公務員などを対象とする四種類の共済組合および自営業者、農業者などを対象とする国民年金に制度が分かれていました。
そして、各制度ごとに給付と負担の設計が行われていたために、結果的に制度間にさまざまな格差が生じていました。また。制度が職域を中心としてタテ割りでつくられているため、産業構造の変化や、それにともなう就職構造の変化に対応できない部分がありました。例えば、田鉄共済組合や船員保険の被保険者の減少は、制度の財政基盤を不安定なものにしていました。
その他にも、制度が分かれているため、一人の人が複数の年金を受けるケースなどが生じており、その適正な調整を行う必要があるといった問題もありました。
〈基礎年金制度のメリット〉
こうした問題を解決するために導入された基礎年金制度のメリットを見てみましょう。
(ⅰ)制度間の格差が是正できる
各制度共通の仕組みなので、すべての国民にとって給付の条件や負担が等しくなります。
(ⅱ)就業構造の変化による影響を受けにくい
自営業者もサラリーマンも、緒になって制度を支えているので、ある業種の被保険者が減少しても基礎年金部分へは影響が及びにくくなります。
(ⅲ)一人一個の基礎年金が確立される
重複給付などを防ぐことができます。
2現状のままだと負担増に ■給付と負担の適正化■
今回の改正では、年金の給付と負担を適正化するために、サラリーマン世帯の場合、標準的な年金額が現役勤労者の平均賃金の六八%という、現在の水準程度が将来にわたって維持されるようになりました(第2図参照)。
〈適正化を図る背景〉
現在、年金受給者の平均加入年数は三十二年ですが、今後は四十年程度が一般的になると考えられます。現状の給付水準をそのまま続けていくと、将来の年金額は、現役勤労者の平均賃※金額はいずれも昭和59年度価格(注1)昭和55年改正時の単価2.050円を昭和59年度価格に換算したもの(注2)%は現役男子の平均標準報酬月額254.000円に対する比率金の八割以上にもなります。さらに、奥さんが国民年金に四十年間加入していたとすると、夫婦合計の年金額は現役の平均賃金の一〇九%になってしまいます。
現役勤労者と年金受給者の生活費の内訳を見ても、現役勤労者は賃金から税・社会保険料を引かれ、さらに子供の教育費や住宅ローンなどを払っていかなければなりません。これに対し、年金受給者は、税法上優遇されている上に年金保険料の支払いは不要で、家計も老夫婦二人の生活を維持していけばよい--これらのことを考えると、現役勤労者の平均賃金の八割や十一割というのは、いかにも高い給付水準といわざるをえません。
〈ピーク時には四倍の負担に〉
また、このような高水準の給付を支えるためには、現役世代の保険料負担をピーク時(昭和百年ごろ)には現在の四倍程度に増やさなければならなくなり、負担面からみても、現行制度の構造的水準は高すぎるということができます。
このような状態にならないために、給付や負担の水準を適正化することが必要なのです。
3奥さん名義の年金が持てます ■婦人の年金権の確立■
改正前の制度では、サラリーマンの奥さん(専業主婦)は、国民年金に任意加入しない限り。自分名義の年金は持てませんでした。
今回の改正では、サラリーマンの奥さんを含む全国民が国民年金に加入することになり、それぞれの名義の基礎年金の支給を受けることができるようになります。これにより、万が一サラリーマンの奥さんが離婚したり、障害者となった場合でも、従来のように国民年金に任意加入していないと無年金になるということはなくなり、奥さん名義の老齢基礎年金や障害年金の支給を受けることができるようになります。
4障害基礎年金の適用を拡大 ■障害年金の充実■
二十歳未満で障害者となった方は、今までは二十歳を過ぎても低額の障害福祉年金しか受けられませんでした。これらの方方も改正後は、二十歳以後に障害者となった方と同額の障害基礎年金が支給されることとなりました。
障害基礎年金の拡大
障害福祉年金 障害基礎年金
1級障害38.400円/月→62,500円/月
2級障害25.600円/月→50.000円/月
(注)月額はすべて昭和59年度価格です。
| ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=17R1hGAOZnUSjruqxl1TbjRbKk1hdTV5c |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008365 |
| 内容コード | G000000342-0016 |
| 資料群 | 旧知念村広報 |
| 資料グループ | 広報ちねんNo.40(1986年1月) |
| ページ | 9-10 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 広報 |
| 場所 | 知念 |
| 発行年月日 | 1986/01/01 |
| 公開日 | 2026/09/24 |