なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

知念村村土保全条例制定される‼

[写真]
[写真]
[写真]
村土は村民の限られた資源「水と緑と朝陽の里」をめざして無秩序な開発行為(乱開発)に歯止め
さる六月二十五日第五回議会定例会において村長から提案された知念村村土保全条例が全会一致で原案可決されました。これにより同条例が平成五年七月一日から施行される事になりました。
この条例のねらいは村土の無秩序な開発行為を防止し「安全で良好な地域環境を確保」することとしています。すなわち健全な村づくりを果たし住民の安全や健康を確保していくには、財産権の行使にかかわる行為であっても住民生活や地域社会に悪影響を及ぼすものは最小限規制し健全で快適な地域社会を形成していくということであります。
同条例は平成五年一月に村長から知念村総合振興計画審議会に諮問され同審議会では数回にわたる会議を重ね慎重に審議を行ない去る三月に答申がなされました。これを受けて村長は答申通り三月の定例議会に提案をしています。議会では同条例の審議を十五名の議員で構成する特別委員会に附託され慎重審議を経て先の定例議会において全会一致で原案可決されました。
では、条例の概要をご紹介します。本条例は、「現在、及び将来の住民の生命、健康及び財産を保護するため」には「安全で良好な地域環境を確保すること」が不可欠の前提条件であるとの認識に立ち「開発行為の許可基準その他開発の適性化に関し必要な事項を定め、村土の無秩序な開発を防止」することを目的としています。
ここで「開発行為」とは、土地の区画形質の変更を言う。と定義しております。これは極めて一般的な内容であることから国の施策との関連で多方面にわたる競合が生じるため、法律の定める一定の行為の適用除外を定め、そのほか国や地方公共団体等が行なう開発行為を適用除外としてあります。
上記の条例目的を達成するための第一は、開発行為の「事前協議制」であります。この手続きは三千m以上の一団の土地についての開発行為に適用され事業は「当該土地の所有権、その他土地を利用する権利を取得する契約の締結前に」村長に協議しなければならないとしています。なお、村長は事業主に開発協定を締結することができることとし、事業主はこれを誠実に応ずべきものとする。
第二は、開発行為の許可制であります。これは、次の三つのいづれかの開発行為をしようとするときは許可を受けなければならないと義務づけしていることです。一つに五百㎡以上の一団の土地の開発行為(住宅建築又は日常生活上必要な開発行為はこの条例を適用しない。)
二つに、五百㎡未満の一団の土地で土砂等の採取が五百㎥を越え、又は周囲隣接地との一の箇所において高低差が一m以上生じる開発行為。
三つに鉱業法で定める鉱物の採掘を行う開発行為以上の開発行為をしようとする事業主はこの条例の適用を受けることになります。
なお、村長が上記申請に対する処分をしようとするときは「知念村土地開発審議会」の意見を聞くこととしています。
以上が、本条例の規制手段であるが、規制をより実効性のあるものとするため許可処分後の一定事項の変更にも許可を要するものとし、工事の着手並びに完了について届け出が義務づけられ、完了の届け出があったときは、村長は許可内容に適合しているかの検査を行なうことが出来る。その他事業主に対し報告等の提出を求めあるいは勧告、助言を行うことができるとしています。
以上簡単に条例の概要を申し述べましたが、この条例の制定は、村土の開発行為に関する全てを規制しようとするものではありません。適正な開発のために規制と誘導を図るうえから開発許可制度が必要であり、開発許可を受けなければ何ら支障はないものであります。
村土が村民のための限られた資源であることから地域環境を無視した乱開発を防止し、健全で快適な地域社会を形成していく条例となっていますので、村民のご理解とご協力をお願いいたします。

では、同条例の要旨を紹介します。
※事務的内容等の条文は省略としてあります。

第一章総則[目的(第一条)]
第一条この条例は、安全で良好な地域環境を確保することが、地域における現在及び将来の村民の生命、健康及び財産を保護するため、ひいては村土の秩序ある発展を図るため、欠くことのできない条件であることにかんがみ、開発行為の許可基準その他開発の適正化に関し必要な事項を定め、村土の無秩序な開発を防止し、もって村民の福祉に寄与することを目的とする。

[定義(第二条)]
用語の定義につき省略

[村、事業主等の責務(第三条)」
第三条 村は、この条例の目的を達成するため、総合的かつ計画的な土地利用に立脚した土地の有効利用に関する施策とあいまって、村土の保全とその秩序ある発展を図らなければならない。
二 事業主及び工事施工者は、開発行為の実施に当たっては、村の実施する土地の有効利用及び保全に関する施策に協力するとともに、村民の安全で良好な地域環境の確保に努めなければならない。
三 土地の所有権者等は、村の実施する土地の有効利用及び保全に関する施策に協力し、村民の安全で良好な地域環境の確保に努めなければならない。
四 すべての村民は、安全で良好な地域環境を確保することが、地域における現在及び将来の村民の生命、健康及び財産を保護するため欠くことのできない条件であることを深く認識し、村の実施する土地の有効利用及び保全に関する施策に協力しなければならない。

第二章 開発行為等の規制[開発行為の事前協議(第四条)]
第四条 三、〇〇〇平方メートル以上の一団の土地について開発行為をしようとする事業主は、規則で定めるところにより、あらかじめ村長に協議しなければならない。
二 前項の協議は、当該土地の所有権その他土地を利用する権利を取得する場合にあっては、契約の締結前に行わなければならない。
三 村長は、第一項の規定による協議があった場合は、次に掲げる事項を勘案するものとする。
(一)本村の土地利用に関する計画に適合するものであること。
(二)開発区域及びその周辺地域に生存する動植物、特異な地形又は地質等の自然環境の保全に著しい支障を及ぼすおそれがないこと。
(三)開発区域の周辺地域の将来の発展に貢献するものであること。
四項 省略
五 村長は、第一項の規定による協議があった場合は、土地開発審議会の意見を聴かなければならない。
六項 省略

[開発協定(第五条)]
第五条村長は、事業主に対し開発行為の協定が必要と認めるときは、協定を締結することができる。
二 事業主は、村長から開発協定の締結を求められたときは、誠意をもってこれに応じなければならない。

[開発許可(第六条)]
次の各号に該当する開発行為をしようとする事業主は、あらかじめ村長の許可(以下一開発許可」という。)を受けなければならない。
(一) 五百平方メートル以上三千平方メートル未満の一団の土地の開発行為
(二) 五百平方メートル未満の一団の土地において、土砂等の採取が五百立方メートルを超え、又は周囲隣接地との一の箇所において、高低差が一メートル以上生じる開発行為
(三) 一団の土地において、鉱業法 (昭和二十五年法律第二八九号)第三条に規定する鉱物で石灰石、その他規則で定める鉱物の掘採(採掘含む。以下同じ)、又は当該掘採に係る開発行為
二項省略
三 村長は、開発許可に当たって、村民の安全で良好な地域環境の確保のため必要な限度において、条件を付することができる。四村長は、開発行為の許可又は不許可の処分をしようとするときは、土地開発審議会の意見を聴かなければならない。
※村長は知念村土地開発審議会の意見を聞かなければならないとしているのは、村長の独断的にならないように、広く意見を聞き適性な判断をするため同審議会の意見を聞くこととしています。

[開発許可基準(第七条)」
第七条 村長は、開発許可申請を受理した場合において、当該申請に係わる開発行為が次に掲げる基準に適合しないと認めるときは、開発許可をしてはならない。
(一) 開発区域又はその周辺における自然環境及び社会環境を破壊しないように措置されていること。
(二) 開発区域内の道路、広場その他の公共施設又は公益的施設が災害の防止、通行の安全その他安全で良好な地域環境の確保に支障のないような構造及び規模、又は能力で適当に配置されるように措置されていること。
(三) 開発区域の周辺地域における道路、河川、水路その他の公共施設が当該開発行為の目的及び規模に照らして災害の防止、通行の安全その他安全で良好な地域環境の確保に支障のないような構造及び規模又は能力で適当に配置され、又は配置されるように措置されていること。
(四) 排水路その他の排水施設が、開発区域及びその周辺地域にいっ水、汚水等による被害が生じないような構造及び能力で適当に配置されるように措置されていること。
(五) がけ崩れ又は土砂等の流出による災害が生じないように擁壁の設置等について措置されていること。
(六) 河川流域又は沿岸流域が土砂等の流出によって、汚染されないように適切に措置されていること。
(七) 開発区域内の森林が、当該区域及びその周辺地域の環境の保全又は水源の涵養を図る上で、適性に保存されていること。
(八) 開発区域について将来想定される需要に応じられる量の用水の確保の見通しがあり、かつ、水道その他の給水施設が給水に支障のないような構造及び能力で適当に配置されるように措置されていること。
(九) 事業主の資力及び信用、土地の性状等からして当該開発行為の遂行が不可能でないこと。
二項省略
※開発行為の申請がなされたとき、許可、不許可の判断基準になります。これは地域住民の福祉の面から適性な開発であるか否かを村長がチェックしようとするものです。

[変更の許可(第八条)許可又は不許可の通知(九条)継承(第十条)開発許可等の表示(第十一条)届け出(第十二条)工事の検査(第十三条)]
省略
[許可の取消(第十四条)]
第十四条 村長は、偽りその他不正な手段により開発許可等を受けた者又は開発許可等に付した条件に違反した者に対して、その許可を取り消すことができる。

[監督処分(第十五条)]
第十五条 村長は、開発許可等を受けず、又は開発許可等の内容若しくは開発許可等に付した条件に適合していない工事を施工させ、又は施工している事業主又は工事施工者に対し、当該工事の停止、現状回復その他必要な措置を講ずることを命ずることができる。
二 村長は、事業主又は工事施工者が工事を廃止し、又は中止しようとする場合は、擁壁又は排水施設の設置その他災害の防止又は環境保全のため必要な措置を命ずることができる。
※村長は、無許可又は許可は受けたがその許可の内容、条件に反して工事をさせた者、あるいは自ら工事をしたりした者に対してそのエ事を停止させたり原状回復させたりすることが出来る。

[報告、勧告等(第十六条)]
第十六条 村長は、事業主、工事施工者又は当該開発区域内の土地の所有権者等に対し、この条例の目的達成のため必要な限度において、報告若しくは資料の提出を求め、又は勧告若しくは助言をすることができる。

[不服申し立て(第十八条)]
省略
※この条例により村長が処分したことに不服がある者は村長に異議申し立てをすることができ、また同申し立てについての決定をしようとするときは「知念村土地開発審議会」の意見を聞くものとする。

「適用除外(第十九条)」
第十九条 この条例の規定は、次に掲げる開発行為については適用しない。
(一) 非常災害のため、必要な応急措置として行う開発行為
(二) 通常の管理行為、その他の行為で規則で定めるもの
(三) 農業、林業又は漁業の用に供する目的で行う行為であって、規則で定めるもの
(四) 国、地方公共団体その他規則で定める団体が行う開発行為
※規制に定める適用除外の主なるものを掲げると次の通りです。
住宅の建築、埋蔵文化財の調査のための発掘、国又は地方公共団体の補助を受けて行なう開発行為、土地改良事業、日本道路公団、雇用促進事業団、県住宅供給公社、県農業開発公社等の開発行為、法令に基づく農林漁業振興の開発行為、その他村長が認める団体の開発行為があります。

第三章土地開発審議会[設置及び所掌事務(第二十条)組織(第二十一条)委員の任期(第二十二条)会長及び副会長(第二十三条)会議(第二十四条)庶民(第二十五条)]
省略
※この審議会は、村長の諮問機関で開発行為に関する事項について調査、審議する機関であります。村長がこの条例による処分を行なうときは、前もって同審議会の意見を聞き村長の独断的にならないように適正な判断をするようにしております。
なお、同審議会は委員十二名で組織され知識経験者、その他村長が適当とみとめる者をもって充てることとしており任期は二年となっています。

第四章罰則[第二十七条]
第二十七条第十五条の規定による命令に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。
二 第六条又は第八条の規定に違反して開発行為を行った者は、四十万円以下の罰金に処する。
三 第十三条の規定による工事の検査又は第十七条の規定による立入検査を拒み、又は妨げた者は、十万円以下の罰金に処する。
四 次の各号に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
(一) 第十一条の規定による表示をしなかった者、又は、虚偽の表示をした者
(二) 第十二条の規定による届け出をせず、又は、虚偽の届け出をした者
(三) 第十六条の規定による報告又は資料の提出を求められて報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした事業又は工事施工者

[第二十八条]
第二十八条法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条各項の罰金刑を科する。

[最後に」
これまで述べてきたように、本条例は安全で良好な地域環境を確保することにあり無秩序な開発を防止し、健全で快適な地域社会を形成していこうと制定されたものであります。
つきましては、行政担当者をはじめ、 村民や地権者、事業主、工事施工者等の方々がこの条例制定の趣旨を十分に理解し、それぞれの立場で本条例の目的達成のため努力して行きたいものです。
なお、この条例についての詳しいことは村役場企画課へお問い合わせ下さい。

ダウンロード ー
大分類 テキスト
資料コード 008555
内容コード G000001367-0001
資料群 旧知念村広報
資料グループ 広報ちねんNo.67(1993年7月)
ページ 2-5
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 知念
発行年月日 1993/07/15
公開日 2026/09/24