「国籍法」と「戸籍法」の一部が改正され、来年の一月一日から施行されることになりました。その主な改正点をご紹介しましょう。
父系血統主義から父母両系主義へ
現在の国籍法は、「父系血統主義」の立場をとっております。これは、生まれたときに「父」が日本人(日本の国籍を持っている)であれば、その子も日本の国民になるというものです。
この「父系血統主義」では、例えば、父が外国人で母が日本人という国際結婚の夫婦から生まれた子は、日本の国籍を取得できません。
改正法では、この「父系血統主義」から「父母両系主義」へと、その原則が改められました。
「父母両系主義」とは、生まれたときに「父または母」のいずれかが日本人であれば、その子は日本の国籍を取得するというものです。つまり、国際結婚した日本人の女性の子も、日本の国籍を取得できるようになりました。
二重国籍を防止する「留保制度」と「選択制度」
例えば、韓国人の夫と日本人の妻から生まれた子は、現在の国籍法の下では、韓国籍を取得します。しかし、今回の改正により、父親の韓国籍に加えて、母親の日本国籍も取得することになるため、その子は、日本と韓国の二重国籍になってしまいます。二重国籍の状態では、二つの国の主権が同時に一人の人間に対して及ぶため、いろいろな国際的問題を生ずることとなります。
そこで、このような二重国籍を防止するため、改正法では「留保制度」の適用が拡大されるとともに、また新たに「選択制度」が設けられました。
「留保制度」とは、外国で出生して二重国籍となった人は、所定の期間内に日本の国籍を留保(権利や義務を保持すること)するという意志表示をしなければ、日本の国籍を失ってしまうという制度です。
これまで、この留保制度は、アメリカ合衆国、ブラジルなど生地主義国(父母の国籍に関係なく、自国で生まれた者に国籍を与えている国)で生まれた二重国籍者だけに適用されていましたが、改正法では、国外で出生したすべての二重国籍者に適用されることになりました。
「選択制度」とは、二重国籍者に、二重国籍になったときが二十歳未満のときは二十二歳までに、二十歳以上のときはそのときから二年以内に、日本の国籍か外国の国籍のどちらかを選んでもらうという制度です。
日本への帰化条件が男女同権に
現在の国籍法では、日本人と結婚した外国人の帰化条件が、その外国人が夫であるか妻であるかによって異なっています。つまり、外国人の夫の場合は最低三年間、日本国内に居住しなければなりませんでしたが、外国人の妻にはその必要がありますんでした。
今回の改正では、夫か妻かを問わず、最低三年間の国内居住及び現に国内に住所を有していること、または婚姻後三年を経過し、かつ、一年以上日本に居住していることが必要になりました。
経過措置
「父母両系主義」の立場をとる改正法は、施行後(昭和六十年一月一日以後)に生まれた子に適用されますが、それ以前に生まれた子には適用されません。
そこで、改正法では、施行日前二十年以内に生まれた人(施行日に未成年の子)で、母の国藉が、その子が生まれたときから現在あるいは死亡のときまで日本人であれば、施行日から三年以内に法務大臣に届け出ることによって、日本の国籍を取得できることにしています。
また、現在すでに二重国籍になっている人については、改正法施行日に二重国籍となったものとみなされ、この日から三年以内に、日本の国籍か外国の国籍かいずれかを選択しなければなりません。しかし、この選択をしなかった場合でも、日本の国籍を選択したものとみなされ日本の国籍は失いません。
| ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=1biQeguCow1KiNTVJzQbxNqq4qfHAqRIR |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008553 |
| 内容コード | G000001365-0013 |
| 資料群 | 旧知念村広報 |
| 資料グループ | 広報ちねんNo.33(1984年10月) |
| ページ | 12 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 広報 |
| 場所 | 知念 |
| 発行年月日 | 1984/10/20 |
| 公開日 | 2026/09/24 |