[写真]▲施政方針を表明する仲里村長
[写真]▲農地保全事業が実現することになった久原地区(久原~知名)
[図表]昭和59年度当初予算額<別表1>
第二回知念村議会(屋我嗣将議長)定例議会が去る三月十二日から、十九日間の日程で開かれました。
定例議会、初日は午前十時から開かれ、会期を十九日間と決めたあと、村執行部から昭和五九年度一般会計予算案ほか十九件の議案が提出され、審議に付されました。
今回の定例議会から委員会審議の制度がとられ、殆んどの議案が総務財政委員会と産業建設委員会の二つの常任委員会に付託され、慎重に審議されました。
議案審議に先立ち、仲里村長は、昭和五九年度の村政運営について基本的な考えを述べ、その中で五つの重点施策①生産を高めるための産業基盤整備の促進②快適な生活を営むための生活環境の整備③村民の健康増進と福祉の充実④教育文化の振興⑤沖縄海邦国体の推進、等を掲げ、「より豊かで、活力ある住みよい平和な知念村づくりに努力したい」と所信を表明しました。
以下、施政方針の全容は次のとおりであります。
昭和五九年度施政方針 知念村長仲里常延
はじめに
本日、昭和五九年度第二回知念村議会定例議会が開催され、わが村の昭和五九年度の村政の指針となるべき昭和五九年度知念村一般会計予算、知念村簡易水道事業特別会計予算、知念村国民健康保険事業特別会計予算、老人保健特別会計予算並びに関係議案等の審議をお願いするにあたり、昭和五九年度の村政運営に関する基本的な考え方を申し述べ、議員各位並びに村民一人一人の崇高なるご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私が村民の付託を受けて、村政を担当することになってから、早くも二ケ年目の予算を編成することになりましたが、昭和五九年度は、国のかってない厳しい財政事情と財政再建、行政改革の下にありますが、わが県の二次振興開発計画の実施並びに昭和六二年開催の沖縄海邦国体に備えての諸々の施策をより強力に推進して行かなければならない重要な年を迎えております。
ところが近年における住民の生活意識は高度経済成長時の物の豊かさから、調和と均衡のとれた「ゆとりとやすらぎ」のある生活環境をめざす傾向が高まり、かつ連帯感で結ばれた豊かな地域社会づくりへと変様し、かっての「消費は美徳」の時代から、今日では「節約」の時代へと住民の考えが進展してきたことは誠に喜ばしいことであります。
しかしながら、村民の村財政に委ねる要求は年々増加している反面、昭和五九年度の国家予算は、行政改革、財政再建の実施時期に入り、前年度よりマイナス予算で編成されることはよくご周知のとおりと存じます。
このような国の財政情勢の中において、地方財政を取りまく経済事情は益々長期的不況に陥り、景気浮揚の施策を積極的に国では講じているもののいまだにその景気回復は不透明にして県経済も企業到産があいつぎ、混迷な状態が続いているとのことであります。
幸いにして、最近の情報によりますと、昭和五九年度の経済見通しは、国において名目成長率五・九パーセント、実質四・一パーセントに対し、県経済の見通しは、名目で七・四パーセント、実質四・三パーセント程度になる見込みをしており、いく分の景気回復の兆しが見られるものの、まだまだ楽観の要素は備わってないと思慮されます。
特に自主財源の乏しいわが村の財政事情は、地方交付税を主とする経常的一般財源の落込みは超緊縮化している反面、人件費をはじめとする経常経費は増大し、合わせて地方債による公債費、債務負担行為及び負担金扶助費等の義務的経費は年々増大していく中において村税や地方交付税等の一般財源の伸びは、あまり期待できないのであります。
しかし、このような厳しい限られた村財政の中において、社会福祉の充実、生活環境の施設整備等の住民要求に応えるべく最大の努力を傾注する所存であります。
ところで、昭和五九年度は次の施策を主として、投資効果の高い事業を推進していきます。
一、生産性を高めるための産業基盤の整備と促進
二、快適な生活を営むための生活環境の整備
三、村民の健康増進と福祉の充実
四、教育文化の振興
五、沖縄海邦国体の推進
以上の五つを昭和五九年度の重点施策とし、財源の確保に努力しつつ、事業の具体的内容を検討し、投資効果のある事業を優先に効率的な住民サービスの効果が得られるように配慮して、昭和五九年度予算を編成いたしております。
第一産業基盤の整備
農業基盤の整備
農家の生産向上と所得の増進を図るため、久原地区農地保全対策事業を計画し、国や県に要請していましたところ採択され本年度から新規事業として実施設計調査費を予算化し、いよいよ久原地区(久原~知名板馬)の農地保全事業が実現することになりました。
又、宇知念下知念田原地区の基盤整備事業も新農業構造改善事業として推進委員の御協力、地主の御理解により新規に採択され、昭和六〇年度から実施整備事業が行なわれることが明るい見通しになっています。
更に字志喜屋、山里、知念台上地域の約六八ヘクタールがこれも又、推進委員の御協力、地主の御理解により、県営の農業基盤整備事業として、昭和六〇年度実施にむけて、日夜努力しています。
[写真]▲知念下知念田原地区
二、 農業振興対策
農家の所得向上と増産を図るには、農地の改良事業と併せて農地の地力増強対策が重要な施策の一つであります。
昭和五六年度に施設されました堆きゅう肥生産施設によって各農家に安く提供している有機質肥料による土地づくりに大きく貢献しておりますが、原材料置場が施設されてなく、雨天の場合は、資料の確保がむつかしく、農家の需要に充分対応することができず、本年度原材料置場を施設整備し、農家の需用に応える所存であります。
又、わが村の換金作物の要であるサヤインゲン、オクラの裁培やさとうきびの古株更新等の奨励補助については、作付も定着しているうえ、それ相当の所得をあげていますし、厳しい財政事情の中にあっていつまでも奨励補助等を講ずることは好ましくないと、国、県の指摘を受けており、もう補助育成の時期はすぎたと思考されますので、本年度より漸次補助金は削減して行きたいと思います。
それから農薬購入補助金及び現物給付農薬については従来どおり補助を行ない農作物の病害虫による害を最少に防止し、増産に寄与したいと存じます。
三、その他の農業振興
わが村は傾斜地が多いうえ、農地の面積も狭少で、農業経営においても他市町村に比べて非常に零細的であり、農業後継者育成についてもいろいろと難問がある中において字具志堅の中賢農業者が新しい農業経営を模索し、今後の農業後継者育成を兼て、水耕栽培農業を計画し、国、県の関係機関に対して補助金要請をしておりますが、その見通しは非常に明るく実現化しそうであります。
この事業が実現し成功することによって新しい農業経営が行なわれ、かつ後継者育成並びに岩盤の上に耕地ができ、農耕地の拡大に大きく期待されており、その実現を期すべく最大の努力をいたします。
四、水産振興対策
漁業の振興を図るには、漁港の基本施設整備が第一であり、村内の多くの漁港を施設整備してきております。
特に久高漁港の施設整備においては今日までに約一〇億円の巨費を投じて施設しておりますが、同漁港の改築事業による完成年度が昭和五八年度ということで、今後は局部改良事業に移行して施設していく計画とのことでしたが、同漁港の施設計画、事業費の残額が約四億近く残っていることであります。
もし局部改良事業によって施設されることになりますと完成するまでにはあと一〇年近く要することになり、引き継き改築事業で施設していただきたく、強く関係当局にお願い要請しましたところ、今年度も改築事業によって施設することになりました。
志喜屋漁港の施設整備については、昭和五七年度まで局部改良事業によって整備しておりますが、今年度から再び局部改良事業で施設整備することになります。
その他、漁業振興として久高漁具倉庫建築費に対する補助及び知念村漁協管理事務所建築費補助、漁船建造資金利子補助並びに漁船用無線設置補助等を行ない、水産業の振興を図ります。
[写真]▲知念台上地域
[写真]▲水耕栽培農業が実施される地域
[写真]▲局部改良事業が採尺される志喜屋漁港
第二、生活環境の整備
車社会時代に対応すべく村道の整備を行なうため字知念地内村道三二号線の改良事業を県に補助要請いたしましたところ補助採択され、本年度から実施設計調査が予算化し、いよいよ昭和六〇年度から本格工事が着工されることになりました。
村民の交通事故防止のため字志喜屋地内村道二五号線の歩道施設及び石油備蓄施設交付金による道路整備、失対事業による安座真、知念地内生活道路の整備を行い車社会時代に備えます。
交通安全対策事業として最も危い箇所に可能な限り反射鏡を設置して交通事故防止に努めま
第三、村民の健康増進と福祉の充実
一、村民の保健対策
村民が健康で文化的な生活を営むため老人保健法の事業を積極的に推進するため、村機構改革を行い、住民課を設置して村民の窓口事務のサービスと老人保健法の事業強化、老人保健法以外の一般検診、各種予防接種の充実強化並びに街灯設置の補助を行い、ハブ咬傷対策等の施策を講じ、村民の疾病から早期発見し、村民が健康な日常生活が営まわるよう努めます。
二、村民の福祉
1、社会福祉について
①社会福祉の拡大を図るため、村社会福祉協議会の育成と充実強化を行い、ボランティア活動を推進し、各種福祉活動の強化をする。
2、児童福祉について
保育所の充実を図り、母親が労働等に従事し、日常保育に欠けている児童を優先して措置し保護者も児童も共に安心して保育ができるようにします。
3、老人福祉について
すべての老人が健康で快適な暮しができるようゲートポール場の整備、老人クラブ活動補助健康相談、訪問指導等を実施いたします。
又、一人暮し老人が日常安心して暮せるよう、ヤクルトの無償配付による健康確認、敬老年金の支給、福祉年金の受給もれを防止して「いきがい」のあるきめ細い老人福祉を推進いたします。
4、母子心身障害者福祉について
母子年金、児童扶養手当、心身障害者年金等の受給もれの防止、母子福祉資金のあっせん及び母子会の活動補助を行います。
5、国民健康保険について
国民健康保険法が改正され、国民健康保険加入者の保険税の負担が従来より重くなることは明白であり、一般会計の財政事情とかってなく厳しいが、今年度も従来どおり、国民健康保険加入者の負担軽減と赤字防止対策のため五、〇〇〇千円を繰出いたします。
6、総合福祉会館の建設について
村民待望の知念村総合福祉会館の建設の準備をし、県や沖縄県社会福祉協議会の決定を経て本年度で建設する予定でしたが助成先の日本自転車振興会の財政事情によって本年度は福祉会館建設費助成ができなくなったことは非常に残念であります。
本年度建設をめざして諸々の準備も整ってから急にできなくなったことに対し、県も責任上知念村が昭和六〇年度まで建設を待つことができなければ老人福祉センター建設を厚生省予算で建設してもらうようにしておりますが、老人福祉センターの建設は、補助率や、補助面積も小さく、村負担も大きくなるため、本年度の財政難の時にはその対応費のこともあり、一年まって建設することが得策であり、昭和六〇年度に実現する県と約束してありますので、次年度に建設することにいたしました。
[写真]▲知念地内、村道32号線
[写真]▲志喜屋地内、25号線
[写真]▲西部保育所
第四、教育、文化の振興
一、義務教育の振興
各学校の校舎、体育館、プール建設等の義務的施設は前年度でほとんど完了し、今後は内部教育の充実を図って、児童・生徒の学力の向上に努めます。
二、社会教育の充実
村民の知識の高揚と生涯教育の拡充を図るべく公民館活動を重点に、青年学級、婦人学級、老人学級をはじめ、各種学級講座を開設いたします。
三、文化財の保護育成
村史の第一巻も発刊され、第二巻の発刊の資料集収とタイアップしながら、村民の文化財に対する認識を高めるとともに、文化財の発掘調査、民話の調査を実施しながら、組踊りの無形文化財の保護育成を図ります。
四、青少年の健全育成
青少年の非行問題は今や社会の大きな課題であり、その対策を積極的に取り組まなければならない最も重大な施策であります。
幸いにして、昨年知念村青少年健全育成村民会議を島尻郡では東風平町に次ぎ、二番目で組織し、青少年の健全育成と学力向上に積極的に取り組み、同会議の中に「学力向上推進部」の専門部を設け「学校、家庭、地域社会、行政サイド」等の連携を密にし、青少年の健全育成と学力向上に努力いたします。
ちなみに、昨年度は小中学校の漢字テストを実施し、全県から注目をあび、好評をいただいておりますことはご承知のとおりであります。本年度も予算も要求どおり計上してあります。
委員各位のなお一層のご尽力をお願い申し上げます。
なお漢字テストの結果は、各学年それぞれの正答率を出し、誤答例を調べ上げて先生方の今後の指導の参考にしてもらうため、それぞれの学年にお願いしてあります。
しかもこの対策については、先生方の希望でもありました。
第五、沖繩海邦国体の推進
昭和六二年に開催される沖繩国体の名称も定まり「海邦国体」と名付けられている。
国体の開催はスポーツ愛好者のみでなく、県民や青少年の健全育成のために与える影響が大きく、開催後は村民の総合体育館として跡利用が有効にできるよう建築が進められている体育館建築工事も順調に進んでおります。
本年度は会場の道路施設を主として、周辺整備をすることにしております。
国体開催後は村民の運動公園として又、村民のいこいの場として充分活用できるようにマスタープランも立てており、近い将来、知念村の娯楽の場、観光の場として充分役立つものと思います。
以上、昭和五九年度の所信の一端と主要施策を申し述べましたが、昭和五九年度の予算額は〈別表一〉のとおりとなっております。
おわりに、このような厳しい財政事情にかんがみ、予算の執行にあたっては、資金計画を充分樹立し、効率的運営の基に最少の経費で最大の効果が得られるように努め、「より豊かで活力ある住みよい平和な知念村づくり」に努力していく所存であります。
どうか議員はじめ、村民各位のご協力とご理解をお願い申し上げまして、施政の方針といたします。
自然に親しむ運動7月21日~8月20日
[写真]▲盆栽教室
[写真]▲村史(第一巻)
[写真]▲小中学校の漢字テスト
[図表](歳入)昭和59年度一般会計予算
[図表](歳出)一般会計目的別内訳
[図表]昭和59年度国民健康保険詩行特別会計予算 総額215,360千円
[図表]昭和59年度簡易水道事業特別会計予算 総額81,175千円
[図表]昭和59年度老人保険特別会計予算 総額144,171千円
| ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=1o0NaoSje9XdIi7_f57bPOFGF7pZPrbAe |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008551 |
| 内容コード | G000001363-0001 |
| 資料群 | 旧知念村広報 |
| 資料グループ | 広報ちねんNo.31(1984年6月) |
| ページ | 2-8 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 広報 |
| 場所 | 知念 |
| 発行年月日 | 1984/06/30 |
| 公開日 | 2026/09/24 |