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文化財シリーズ32 大里城址保存整備の基本方針

今回は、平成十年度から文化財保護審議会によって、審議された大里クスクの保存整備の基本方針が先日答申されたので、その内容を報告します。今後は、この基本方針に従っし、教育委員会として大里グスクの保存整備が進んで行けるように努力していきたいと考えています。

◎大里城跡保存整備の基本方針
大里グスクは、島添大里グスクとも呼ばれており、三山時代の山南干の居城として栄えたといわれている。また、首里王府を興した尚巴志が掃初に攻略し、後に三山を統一した際に拠点としたグスクであり、琉球史上重要なグスクである。第一尚氏時代には、離宮としても使用されており、首里グスクと同規模の正殿等の建物があったことが文献に記されている他、第一尚氏との関連深い資料として「大里城琉球国王大世主庚寅慶生(尚泰久王)天順二年八月八日」銘の雲板がみつかっているしかし、大里グスクは、戦中・戦後における採石や公園化により、大きく破壊され、その様相は一変し、往古を偲ぶことができなくなってしまった。また、戦前は松林であったクスク周辺地域は、戦後焼け野原となり、現在では石灰岩地帯特有の森林として再生している。そのような中で大里グスクは、平成元年に大里村の第二次総合計画におけるレクリエーションゾーン構想に基づいて、村民のシンボルとして整備し、広く活用することを目的とする「大里城址公園」として策定された。平成六年には大里グスクを含めた周辺地域に都市公園計画決定及び事業許可がなされたことにより大里城趾公園」として位置付けられることとなった。てこで、「大里城趾公園」の整備にあたり、現在発掘調査が進められており、大里グスクを将来にわたって永続的に保存していくとともに、村民はもとより広く県・国民のためにも有益な場所として望ましい整備・活用を図るため、下記の通り大里クスクの保存整備の基本方針を定めるものである。
①遺跡の文化財範囲の指定にあたっては、グスク本体のみならず、公園地域と周辺環境と関係を十分に配慮して設定していく。そのために、グスクの構造(縄張り)やその性格を十分に明らかにするために発掘調査等の学術調査を実施する。
②グスク及び周辺地域は、戦後盛土や切土等の大きな改変が行われている。そこで、旧地形への回復に努めることとし、将来的には指定文化財として村指定、県指定、国指定を見据えて整備を進める。
③周辺の遺跡や拝所等の民俗文化財を含めた広域保存を原則とし、早急に歴史・民俗・地理の聞き取り調査等を実施し、資料の収集に努める。そのため、公園整備に際しては試掘調査を行い、必要に応じて遺構調査を実施する。
④周辺地は貴重な自然林《オキナワヒメウツギ(村指定天然記念物)等》が残っている。それらを活かした整備を行うこととし、整備に際しては極力現状を維持する
⑤グスク内への工作物等は原則として認めず、戦後設置された工作物で景観上好ましくないものは、撤去する。
⑥グスクの整備を行う場合は、各分野の専門家から成る整備委員会を組織し、専門的意見を反映させながら慎重な整備を進める。
⑦文化財を住民にとってより身近なものとしてもらうために、発掘調査や整備等に住民や児童・生徒の参加の機会を多く設け、その成果を公開・報告するとともに、グスクの有効な活用が図れるような場を提供し、文化財愛護の高揚に努める。
(文化財担当・山里〕

ダウンロード https://drive.google.com/file/d/1HxTB7_02tsKE8KT4ND6I3ULLHfIkobNk/view?usp=drive_link
大分類 テキスト
資料コード 008463
内容コード G000001076-0004
資料群 旧大里村広報
資料グループ 広報おおざと 第244号
ページ 4
年代区分 2000年代
キーワード 役所・役場行政広報
場所 大里
発行年月日 2000/10/01
公開日