村交通安全推進協議会主催の『交通安全を語るつどい』が九月五日午後、改善センターで開かれました。秋の全国交通安全運動を前に、高齢者の交通事故が増加傾向にあることから、交通ルール、マナーを身につけ、交通事故からお年寄りを守ろう、と開かれたもので、七十人余が参加しました。城間村長は「この集いを通して交通安全の輪を広げ一人の犠牲者も出さないようにしましょう」とあいさつ。与那原警察署の島尻勇署長は、全国では、毎年万人余が交通事故で命を失っており、大里村ぐらいの町や村が毎年無くなっていることになる、と説明し「年を取ると視力頭の中が真っや機敏性が衰えるので十分気をつけましよう」と激励しました。その後、宜野湾市老人クラブ連合会の宮里敏雄会長と大山小学校六年生の中道慎也君が体験発表しました宮里さんは「交通安全の実績をあげ、"日本一交通安全の沖縄県"の横断幕が掲げられるように頑張ろう。『おみやげは無事故でいいよ、お父さん』と、出かける前に声をかけましょう」。と訴えました。中道君のお父さんを交通事故で亡くした体験談にはお年寄りたちも目頭を熱くして聞き入っていました。
悲しみを乗り越えて 大山小学校六年中道慎也
「父さん、おはよう。ごはんですよ。」ぼく達家族は、今はもういない父の仏壇に向かって毎朝、あいさつするのが習慣になっています。昭和六十二年十二月の寒い真夜中の午前二時。警察からの電話で母が起こされました。あまりにも突然のことで、母は暗になり、気がついた時は病院の父のそばにいたそうです。その時父は、すでに息をひきとり、いくら母が「父さん、父さん」と呼びかけても、その母のさけび声に答えることも、またぼくの名前を呼ぶこともできなくなっていました。後で聞いたことですが、ほとんど即死の状態で病院に運ばれたそうです。当時、ぽく達は父の故郷のある金沢に住んでいました。父は大型トラックの運転手をしていて、遠くまで荷物を届ける仕事なので車の混まない夜の時間を選んで走っていました。母は、父が出かける時、いつもあたたかいコーヒーを水とうに入れて「はい、ねむけ覚ましよ。」と玄関まで送り、「気をつけてね。」と、これが毎日の日課だったそうです。あの日もいつものように出かけて行きました。まさかこのまま帰らぬ人となろうなど、と誰が思ったでしようか。十八才になる少年の無理な追いこしが原因で、三重しょうとつという最悪の事態になり、一番左側の線を走っていた父のトラックまで事故にまきこんでしまいました。十八才の少年は免許をとってわずか一カ月ぐらいしかたってなかったそうです。一回の事故で大切な三人の命をうばってしまいました。母は小学校三年生の兄と幼稚園生のぼく、そして、一才八カ月の妹をかかえ、この先、どうしたらいいか考えるだけで絶望的になり何をするということもなく、ただ悲しみとさみしさでいっぱいだったようです。あれから七年、ちょうど今年は父の七回忌にあたります。久しぶりに家族四人で父のお墓参りに行きます。いつもは母は、仕事の都合で行くことができませんので、兄とぼくの二人で毎年金沢まで行っています。母は、ぽく達には悲しみを見せず一生懸命働いて、家の中を明るくさせています。ぽくにはわからない苦労があったことでしょう。現在、ぼくの家は五十八号線ぞいにありますが、一日中車の音が聞こえてきます。夜中になると、暴走族のそう音や急ブレーキの「キー」という音で目が覚めることがあります。まるで、ぼくの家にとびこんで来るのではないかと、びっくりしてとび起きることがあります。朝になると、やはり事故で現場にはガラスのはへんや自動車の部品などが散らばっています。この前の新聞には「今年に入って学校の二クラス分にあたるだけの人がすでに亡くなった」と出ていました。どうしてそんなにスピードを出すのでしょうか。ぼくには理解できません。事故を起こしたらその人達の家族みんなが悲しみのどん底に落ちてしまいます。誰も自分が事故を起こすとは思っていません。気がついたら事故にまきこまれていたということのないように車に乗っている人達はみんな安全運転に心がけてほしいと思います。「ドライバーのみなさん、二度とぽく達のような、こんな悲しい出来事が起こらないように気をつけてください。」たった一つだけの自分の命、大切にしたいと思います。
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1hldymxR45T1k9zVzUuvJPZbiGprSXSEU/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008461 |
| 内容コード | G000000990-0007 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと第158号(1992年10月) |
| ページ | 16-17 |
| 年代区分 | 1990年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1992/10/05 |
| 公開日 | 2026/03/27 |