平成四年の第三回大里村議会定例会が三月十二日に開会し、二十七日までの七日間の日程で開かれました。今定例会は、平成四年度の村政運営の基本となる一般会計予算のほか十四件の議案が審議され、原案どおり可決されました。提案説明に先立ち城間村長は「農業、教育、文化の振興、村民福祉の向上を推進し、調和のある豊かな村づくりに努力します」と、施政方針を述べました。施政方針は以下のとおりです。
はじめに
村政運営の基本方針と私の所信を申し上げ、議員各位並びに村民皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。私は、今日まで大過なく村政を執行できましたのも偏に議員各位、村民皆様の御協力の賜物であり、深く感謝申し上げる次第であります。さて、国内においては、国際化、高度情報化、人口の高齢化等の進展で我が国の社会構造が大きく変貌しつつありますが、村民の皆様、議員各位の絶大な本日、ここに平成四年第三回大里村議会定例会の開会にあたり、平成四年度一般会計予算、特別会計予算並びに諸議案等、る御支援と御協力によりまして、きびしい行財政事情のもとではありましたが、当初計画しました農村総合整備モデル事業、農地保全事業、農道整備事業、十地改良ほ場整備事業等や、村道排水、河川、公園整備等の土木事業、教育文化活動、各学校の施設整備、学力向上対策推進に積極的に取り組みその成果をあげることができました。平成四年においても決意を新たにし、21世紀の村づくりに向けて第二次総合計画に策定された「緑と心豊かなかりゆしの里、大里」を基本理念とし「自然と調和した活力あるむら」、「生活環境の充実した住みよいむら」「人間性豊かな教育文化むら」の三つの目標に向かって諸施策を推進し、村民の期待に沿うべく、職員一同が一体となって村民の信頼と負託に応えられるよう全力を傾注してまいります。平成四年度は、本村の第二次総合計画に基づく、総合的展望にたって「緑と心豊かなかりゆしの里、大里」を創造し、農業の振興、教育の振興、生活の安定及び文化の向上、住民福祉の向上を重点柱とする都市近郊農村として調和ある豊かな村づくりに努力していく所存であります。
平成4年度の予算編成方針
平成四年度の予算編成に当たり、はじめに我が国の経済見通しと財政事情について述べますと、「平成三年十二月二十一日閣議了解」で、次のように発表されております。平成四年度の予算及び財政投融資計画は、人口の高齢化や国際社会におけるわが国の責任増大など今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくため、後世代に多大な負担を残さず、再び特別公債の発行をしないことを基本として、公債残高が累増しない財政体質を作り上げていくことが緊要な課題であるとの考え方のもとに、公債発行額を可能な限り抑制するため、さらに歳出の徹底した見直し合理化に取り組むこととし一般会計予算については、経費の徹底した節減合理化に努め、特に経常部門経費について厳しく抑制するとともに、これまでNTTの株式売払収入の活用による社会資本の整備促進を図るための事業を確保し、財政投融資計画についても、資金の重点的、効率的な配分、土地相続税評価の適正化に伴う相続税の負担調整等を行い、租税特別措置の整理合理化等課税の適正、公平の確保を推進するとともに、現下の極めて厳しい財政事情を踏まえ極力税収を確保する観点から所要の措置を講じる。又、予算及び財政投融資計画の執行に当たっては、流動的な内外の経済情勢等の推移に即応しつつその流動的、弾力的運用を図ること等を基本的方針として編成された平成四年度一般会計予算規模は、七二兆二一八〇億円で前年度より二・七%の伸び、また、財政投融資計画規模は、四〇兆八〇二二億円で前年度より十○・九%の伸びとなっている。国民総生産は、四八三兆七千億円程度で、経済成長率は、名目で五%、実質で三・五%程度になると見込まれている。方、地方財政対策については、地方交付税総額十五兆六七九二億円で五・七%の増となったが、財源的には自主財源に乏しい本村においては、人件費の上昇、補助事業の対応費の捻出等に伴い、財政はいぜんとして厳しい状況にあります。以上のことから、平成四年度の財政運営に当たっては、行政需要の増加する傾向に対して補助事業の対応費捻出等から需用費、備品購入費等の経常経費の節減合理化等を行ない、財源の重点的かつ効率的配分を行うことに努めました。平成四年度の一般会計予算は、本村の財政事情を踏まえて編成しました結果、二九億二三九七刀二千円となり、前年度当初予算に比べ四・六%の伸びとなっております。予算の概要について申し上げますと、歳入面では、国庫支出金、地方交付税、繰入金、財産収入等が伸びており、歳出面では、土木費の村道改良事業、民生費の特別会計への繰出金及び児童保護措置費、総務費の南部広域ふるさと市町村負担金及び各種基金積立金、衛生費の島尻消防清掃組合への負担金等が主な伸びとなっております。なお、本年度は、ふるさと創生基金、地域振興基金及び地域福祉基金による諸事業費を計上し、基金の有効活用を図ることとしました。詳細につきましては、平成四年度一般会計予算案をご覧になっていただきたいと存じます。
平成4年度の主な施策
次に平成四年度の主な施策について申し上げます。
1 国土利用計画の策定
国土利用計画は、向う十年間における土地利用の指針となる計画であり、従来の計画は平成二年度で計画期間が終了したため、平成三年度より第二次国土利用計画の策定に取り組んでいるところであります。改正案については、目下県との調整を進めているところであり、その調整が終り次第、村国土利用計画審議会へ諮問し答申を得て、来る六月議会に提案する予定でおります。
2 各基金の有効活用
①ふるさと創生基金についてふるさと創生基金は、主に地域づくり推進事業の資金に活用することとし、埼玉県大里村との交流事業として平成三年度から実施されている小、中学校児童、生徒の交流学習を継続、新たに民生児童委員の交流研修、役場職員の交流研修、また、国際交流事業として南米(アルゼンチン、ブラジル)移住者子弟研修の受入れを予定しております。又、小、中学校、幼稚園の図書、備品の購入、伝統文化の充実強化を図るため各伝統芸能文化財への助成、民具等の保管倉庫設置及び展示用パネルの設置等に活用します。
②地域振興基金及び地域福祉基金について地域振興基金及び地域福祉基金は、高齢者健康生きがいづくり推進事業、高齢者サービス調整チーム宿泊研修、老人ゲートボール大会、老人友愛訪問促進事業、更生婦人会及び身障協事業への助成等基金の有効活用を図るように努めてまいります。
3 村道、公園、河川の整備
①村道の整備について村道の整備については、村道目取真~大城線、村道古堅~福原線、村道松増線、村道公方線整備が順調に進展しており、平成四年度も継続して整備工事を進める予定であります。特に村道公方線については、舗装工事を平成四年度で完了させて、グリーンタウンから大城間のバス路線として開通させる予定であります。新規事業としましては、県道5号線と県道5号線を連結する村道銭又~平川線、高宮城区より平川後原土地改良地内までの村道高宮城~当間線を整備する計画であります。村単独事業についても、これまでどおり村道舗装補修工事、村道側溝整備工事、交通安全施設工事を進めてまいります。
②公園の整備について平成四年度は、村民の心のふるさとである大里公園の基本設計を作成して国庫補助事業として採択に向けて取り組んでまいります。
③河川の整備について
河川の整備については、これまで国庫補助による災害復旧事業として年次的に整備してまいりましたが、平成四年度も饒波川の災害箇所の事業採択に向けて努力してまいります。
④都市計画について
平成四年度は、本村の都市計画を進める上から職員を県に出向させ都市計画の研修に取り組んでまいります。
4 農業の振興
①土地改良ほ場整備事業について
農業の基盤となるほ場を整備し、生産性の高い農業を確立するため国、県の補助事業を導入して農業基盤の整備を図ってまいりました。これまでに要整備面積の五八%のほ場が整備完了しております。目取真地区は県営事業として、平成三年度から工事が開始されており、他の計凹予定地区については、採択に向けて推進してまいります。
②農地保全事業について
この事業は、急傾斜地帯の農地保全対策として、農用地の侵食崩壊防止のための排水施設、農道等を整備し、農業の生産性の高い農地を確保する事業であり、平成四年度も継続中の平田原地区、大石原地区の工事を進めてまいります。平田原地区については、平成四年度で完了する予定であります。
③農村総合整備モデル事業について
この事業は、農業基盤及び生活環境を総合的に整備する事業で、国、県の補助を受けて昭和五二年度から着工され、集落内の生活道路、排水路、農村公園農村環境改善センター、農道ほ場整備等を実施し、活力ある村づくりを推進してまいりましたが、平成四年度も引き続き事業を進めてまいります。
④農道整備事業について
この事業は、農村基盤整備事業の一環として、農道を整備することにより、農業の生産性を促進するものであり、平成四年度は嶺井地区土地改良区内の農道舗装整備を予定しております。
⑤農作目の生産振興について
本村は、さとうきび作を中心に、野菜、花き、果樹等の作目が生産されております。特に基幹作目のさとうきびは、近年価格の低迷が続く中、平成六年から品質取引に移行されることになり、生産性を高めるため経営改善と優良品種苗圃面積を拡大するとともに、収穫機導入に向けて村農協と連携を密にし、さとうきび生産で最も労力を要する収穫作業の軽減を図る上から取り組んでまいります。野菜花き、果樹等については、平成二年にウリミバエ根絶により、本土出荷を中心に農家の生産意欲が高まっております。平成四年度も農家の経営安定を図る上から村農協、農業委員会、普乃所等と連携を密にして、栽培乃び経営改善講習会等の開催に努めてまいります。
⑥畜産の振興について
平成三年四月に牛肉の自由化が実施されることになり、又、豚価の長期低迷が続いており、畜産経営は厳しい状況にあり、引き続き農家の経営安定に向けて優良品質の導入と飼育技術の向上に努めてまいります。又、近年、畜産排泄物の悪臭及び河川の汚染が悪化し、環境衛生上からその改善策が要求されております。その対策の一環として平成二年度から平成三年度にかけて悪臭防除試験を実施したところでありますが、平成四年度は、その結果を検討し、その対応策に取り組んでまいります。又、農村環境を良くするには、畜産公害を最小限に防止する必要があり、このことは、短期間で解決することは難しいが、畜産資源(糞尿)有効活用等について村農協と連携を密にして取り組んでまいります。
⑦緑化事業について
スポーツやレクリエーション文化活動等の場に緑地を確保し村民の潤いと調和ある生活環境の保持が叫ばれている今日、平成四年度は、国の宝くじ桜会から配布される桜の苗木を饒波川河川敷に、又全国植樹祭記念の森整備緑化事業として国から交付される補助金で、内原公園に植栽を予定しております。
5 環境衛生の充実について
環境衛生の充実は、村民が健康に恵まれた日常生活を維持していくために重要な施策の一つであります。平成四年度も引き続き生活環境の保全に努めてまいります。集落内ごみ置き場附近では、ごみが飛散するような所が多く衛生面からも問題であり、その解決策として年次的に箱型等のチリ箱の整備を進めてまいります。特に近年生ゴミ問題に対する関心が高まっている今日、村としましても村民の要望に応えるべく、生ゴミ処理容器補助事業をスタートさせる予定であります。粗大ゴミ処理については、年々増加の傾向にあるが、当分の間は前年度同様年二回収集運搬処理を実施してまいります。し尿処理については各家庭の浄化槽は浄化槽法の規定により浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃を年一回実施する義務があり、村民への周知を図り、島尻消防清掃組合の近代的な処理施設で円滑に処理されるよう推進してまいります。
6 村民の健康保持と福祉向上について
①健康保持について
健康は社会生活を営むうえで最も大切なことであり、平成四年度も引き続き村民の健康増進に努めてまいります。老人保健法による健康診査、健康相談、健康教育、機能訓練、寝たきり療養者の訪問診査等を実施してまいります。特に健康診査では肺ガン、乳ガン、子宮ガン等の検診を平成三年度同様実施するとともに、住民健診の県目標の五〇%を上回るよう受診率のその引き上げに努力し、成人病等の早期発見に努めてまいります。又、各種予防接種、乳幼児健診及び健康相談、妊産婦健康相談妊産婦栄養相談等も例年どおり実施し、乳幼児、児童生徒、母子の健康保持に努めてまいります。
②村民福祉について
村民が安心して暮らせる地城福祉を目指し、村社会福祉協議会をはじめ、福祉団体関係各位のご協力で年々村民福祉も充実してまいりました。今日の社会福祉の動向を見ますと、我が国は諸外国に例をみないスピードで高齢化社会に向かって進んでおります。このような急速な高齢化社会の到来に備え国においては、「高齢者保健福祉推進十カ年戦略」が策定され、又、福祉八法の改正により、平成三年度から重度心身障害者への医療費助成事業、日常生活用具給付事業等が町村へ移譲されており平成四年度も引き続きその事業を推進するとともに、新たに地域振興基金及び地域福祉基金の果実を運用して、「高齢者健康生きがいづくり事業」、「老人友愛訪問促進事業」等を推進してまいります。
③児童福祉について
明日を担う幼児の保育及び児童の健全育成を図るため、引き続き保育所、児童館の管理運営を強化し、児童福祉の向上に努めてまいります。
④老人福祉について
長年地域社会の発展に貢献なされた老人が、健康で安心して暮らせるように、引き続き老人福祉事業を推進し、老人クラブの育成、一人暮らし、ねたきり老人介護に家庭奉仕員の派遣、短期保護事業等による介護委託、日常生活用具の給付等の実施、又、地域振興基金及び地域福祉基金の活用により「高齢者健康生きがいづくり推進事業」、「老人友愛訪問促進事業」、「高齢者サービス調整チーム宿泊研修」「老人ゲートボール大会」等を予定しており、より一層の老人福祉の向上に努めてまいります。
7 教育の振興について
①学校教育について
本村の学校教育は、「自ら学ぶ意欲を育て、学力の向上をめざすと共に豊かな表現力とねばり強さを持つ児童、生徒の育成」「平和で活力ある社会の形成者として、国際性を培い郷土文化継承発展に寄与する豊かな人間性と創造性に満ちた村民の育成」「生涯学習をめざし、家庭、学校、地域社会の相互連携のもとに時代の流れに対応できる人間育成」の三本の柱を目標に推進をしております。平成四年度、教育課程が改訂になり、「心豊かな人間の育成」「基礎、基本の重視と個性教育の推進」「自己の教育力の育成.「文化の伝統と尊重と国際理解の推進」をねらいにしています。そのねらいを達成するために、今後とも学校教育の充実を図ってまいります。特に平成四年度は前年に引き続き埼玉県大里村との児童生徒の交流をはじめ、学校図書の充実、教育相談員の設置、北小学校の視聴覚教室の整備、中学校のプール改修、コンピューターの完備、学校環境の整備、学力向上対策に鋭意努力し、生涯学習時代に対応できる学校教育、社会教育の充実に努力してまいります。又、近年、社会経済の発展に伴い、物質的にも豊かになり、その反面心の貧しい時代ともいわれ、児童、生徒を取り巻く環境も良好とは言えず、問題行動も多発傾向にあります。既に中学生による集団暴行致死事件が他市町村で発生し、子をもつ親や教育関係者は大きな衝撃を受けております。この事件は、決して他人ごとではなく、本村としても深刻に受け止め、PTAは勿論、学校、家庭、地域が連携を密にして児童、生徒の非行防止対策に取り組んでまいります。
②幼稚園教育について
幼稚園教育は、人間教育において大切な時期にあり、幼稚園児の保育の充実に努めます。現在は、五才児の保育を実施していますが、将来は四才児、三才児で家庭保育をしている幼児を対象に入園できるよう準備を進めてまいります。
③社会教育について
近年、高齢化、情報化、国際化等の波が押し寄せつつあり、人々の生き方や価値観も多様化し高度化する傾向にあります。このような変化の激しい時代を乗り越えるためには、村民一人ひとりがそれぞれの生涯を通して、常に自己啓発に努め、変動する社会に適応し得るよう自らの資質や能力を高めていく努力が大切であります。よって平成四年度は、人生八十年時代に向け、村民にとって楽しみや生きがいの持てるような社会教育事業を展開し、生涯学習社会の確立、社会教育の充実発展を図り「緑と心豊かなかりゆしの里大里村づくり」をめざした社会教育を推進してまいります。
④社会体育について
村民が健康で文化的な生活を営むためには、日常生活において、体力づくりやスポーツ活動を積極的に行なうことであります。平成四年度からは、現在の体育指導委員を九名から十一名に増やし、生涯スポーツの推進のために、昨年同様に各種教室の開設や各種スポーツ大会等を開催し、スポーツ人口の増大に努めてまいります。また、村民が何時でも、誰でも気軽にスポーツができるような施設の整備をめざします。更に平成三年度村民待望の夜間照明施設が大里中学校の運動場に完成しましたので、村民に積極的に施設を提供し、各種スポーツ普及振興を図ってまいります。
⑤地域の文化振興について
地域に根ざした文化活動普及奨励を図る一方、村内にある伝統芸能の伝承、保存、史跡、民俗文化財の保護、愛護活動を展開し、豊かな地域文化の創造に努めてまいります。
以上のとおり、平成四年度の施策のあらましを申し上げましたが、財政事情の厳しい現状にかんがみ、村政運営に当たっては、行財政の効率的運用を図り村民の生活向上に向けて、より一層努力していく所存でございますので、議員各位、村民皆様の御理解と御協力をお願い申し上げ私の所信と致します。
平成四年三月十二日 大里村長城間政徳
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1-T90mhHRVbWisIZLDsqipHBElFyt58p_/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008461 |
| 内容コード | G000000988-0001 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと第156号(1992年4月) |
| ページ | 2-8 |
| 年代区分 | 1990年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1992/04/06 |
| 公開日 | 2026/03/27 |