大里村の農業活性化をどのように図るか。後継者をどう育成するか。地域おこしについて考える「大里村地域活性化フォーラム」(主催・村農業委員会)が十一月十五日午後村環境改善センターで開かれました。フォーラムには、豊業委員、区長、青年農業者ら約七十人が出席しましたはじめに、知名洋ニリューセ口社長が「地域おこし」について基調講演。本土で成功した事例を報告しながら、沖縄が経済的に自立するためには農業の果たす役割は大きいそして農家がお金を持つことが経済もよくなり活性化につながる。と主張。今後の農業は付加価値の高い作目を作り、フランド品を作ること、また企業とタイアップ(荷作り、流通面)することです。口マンのある農業をすることが大事です。と述べました。この後、コーディネーターに伊波盛雄総務課長、パネリストに城間村長をはじめ、五人が「農業後継者をどうつくるか」で、討議が行われましたので要旨を紹介します
後継者をどうつくるか(問題提起)伊波盛雄・村総務課長
本村は農業を主体とする産業の村でありますが、後継ぎがいないというのが問題になっております。後継者育成には二つの問題があると考えられます。まず、農産物の価格が低く、所得が少ないということと、付加価値の高い農業を確立することが農業後継者の育成につながるんじゃないかと考えます。今日は五名の方々に大里村の農業後継者をどのように育成するか。ご意見を発表していただいて、まとめとして、これからの農業後継者育成についての方針をまとめていきたいと思います。よろしくお願い致します。
若い人だけが後継者ではない 知名洋二・(株)リューセロ社長
後継者というと、すぐ二十代の話をされます。長寿社会を考えてみた場合、七十歳八十歳になっても働けると思うんです。ゲートボールもいいですよ、土曜日、日曜日は月曜から金曜までは働いてもいいじゃないですか。働くことは健康かつ運動だと思います。子供たちを五十、六十歳までは会社で働かせて、六十になったら帰っていらっしゃい。と、後継者づくりには発想の転換が必要です。ロマンと青春は永久だということです。二十代だけが青春だと考えるのは大まちがいです。そのように発想を変えると後継者づくりは、難しくありません。それには働く環境づくりが大切です。今、四十代で農業を継いでいる方は何も子供たちに頼ることはありません。六十代まで懸命にやって八十歳までやることを考えたらよろしいです。そうすれば、子供たちも『やれっ」て言わなくてもやってくれますよ。そのためにも夢のある農業をやることが大事です。
農業基盤の整備で希望のもてる農業 城間政徳・大里村長
希望のもてる農業を確立するためには農業基盤を整備することが必要です。それが終局的には所得を高めることになります。土地改良等の農業基盤の整備、農業用水を確保してかんばつでも使えるような灌がい施設の整備、バイオなど科学技術を利用した作目が作れる農業近代施設の整備も必要です。さとうきびだけでは、やっていけない時代になっています。大里村で付加価値の高い作目は、どんな作目を作ればよいか、皆で考えるべき時期にきています。また、農地の地力を高めるため、畜産農家と連携し、堆肥を増産して活用することも大事です。魅力ある農業をするためには、経営技術を高めることも必要です。農協との連携、農業試験場、普及所、また企業等で研究したデータを基にして大里に適した作目を選定し、それの経営技術を学ぶことが大切です。
改革で信頼される農協づくり 仲里良一・大里村農業協同組合長
海や開拓できる山もない大里村では工業の誘致もなかなかできません。農業でなければ発展できない立地条件であると考えたときに、やはり後継者育成が大きな課題です。事業を進める村当局が農業に対する政策を打ち出し、諸施設等の整備を進めなければなりません。農協も村の考ス方に応えていきたい。農協では三つの改革と三つの目標を掲げて運営してまいります。一つは、農業の改革です。自由化時代を迎え、ロマンを求めて夢のある農業をするため、豊かな特色ある農業をめざします。一つは、役職員の意識改革を図りたい。貯金や共済を集める、金を貸す、野菜を集めて手数料をもらえばよいという体質を改善して農家から信頼される仕事をしなければなりません。あと一つは農協事業の改革です。手数料があまりかからないよう産地化など流通面の整備や各事業の改善をしていきます。農家や後継者が喜んで農業に励むような農協のしくみをめざします。
幼年期から農業に関心を 新城寛成・南部農業改良普及所次長
農業は国民の命をつなぐ食糧供給の基地であり、国土や自然環境の保全にも重要なものです。農業を推進するうえで後継者をどうすればいいのか、農業者の高齢化、新規就農者が少ないことを身にしみて感じているところです。ちなみに90年の農業センサスでも大里村の農業青年は十七人で、女性は一人もいません。今は金だけでは、後継者は育ちません。施設は金を出せば造れます。心(魂)が入ってなければ農業青年は育たないということです。"後継者の確保"これができているかどうか。皆さんと一緒に考えてみたいと思います。確保ということは幼年期の頃から農業に関してどのくらい関心をもたしているか。私たちの小、中学校の頃は、学校教育の中に農業という教科書がありました。今は農業という分野は社会科にわずかしかありまサある小学校三年生が『お父さん、米はデイゴの花から取れるんでしょう?」と質問。お父さんは、びっくりして「なぜ?」って聞くと「デイゴ米ってあるでしょう」と答えたそうです。今の子供たちは毎日食べている米さえどのようにできるかも分からなくなっています。私たちの仕事の中で高校牛を対象に"緑の学園"農業を教えているが、幼年期から第次産業に対して感覚を養なう教育が大切です。後継者をどうするかと考えるだけではだめです。実行することです。皆さん一人ひとりが一人の後継者をつくることです。
情報や技術でもうかる農業を 大城喜信・沖縄農林漁業技術開発協会事務局長
農業は、北海道と沖縄が有望であるといわれています。明るいといわれながらなかなかできない。私が農業者に求めている姿は、農家はある意味で会社の社長です。経営者としての自覚のもとに、もちろん他からの指導も受けるが自ら学び、実践する姿勢が求められます。それには新しい技術、情報について試験したり、ほんとにそうだろうか、と疑問を持つ姿勢も必要です条件整理をして、役場、農協と一緒にできるようなことをすれば、もうかる。と言いますと今からもうけようという農業は簡単ではないし、技術販売も含めて、農家だけではできない。普及所、役場、農協にお願いし、新しい情報を処理するようなことを一緒に参加していただいたらと考えます。コルフや旅行をしたり、文化活動をしたり、というところまでもっていけたら、こんな楽しい産業はなかろうと考えます。後継者をどう育てるか。農業講座を開き、正確に農業のやり方や農技協が持っている情報を提供したい。また、企業と連携して微生物を利用した農業や水質の改善、コンピュータを使って水、酸素を送るなど新しい農業を進めています。そのような技術を農家に提供したい。役場、農協、農家が一緒になり、新しい情報、動きをキャッチし、"人より先に"の発想でいいものを作れば、もうかります。楽しくて、もうかるとなれば、農業者も増えます。
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1eeBMV5sFFMrXxLs0ITOoaYcQABM_0Sct/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008461 |
| 内容コード | G000000985-0002 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと 第153号 |
| ページ | 4-5 |
| 年代区分 | 1990年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1992/01/01 |
| 公開日 | 2026/03/27 |