三月十一日、平成三年第三回大里村議会定例会が開会し二十九日まで十九日間の日程で開かれました。今定例会は平成三年度の村政運営の基本となる予算案などが審議されました。城間村長は提案説明に先立ち、「第二次総合計画の"緑豊かなかりゆしの里・大里"を創造し、21世紀に向けた豊かな村づくりにまい進したい」と初の施政方針を表明しました。
はじめに
本日、平成三年第三回大里村議会定例会の開会に当たり、平成一年度一般会計予算、特別会計予算並びに条例案等、村政運営の基本方針とあらましについての私の所信を申し上げ、議員各位並びに村民皆様の御理解と御協力をお願いする次第であります。私は、昨年八月に村長就任し、今日まで無事村政を執行してまいりましたがこれも偏に議員各位、村民皆様の御協力の賜物であり、深く感謝申し上げる次第であります。村長就任はじめての予算編成であり、責任の重大さを痛感するものであり、決意を新にし、21世紀の村づくりにむけて、第二次総合計画に策定された「緑豊かなかりゆしの里、大里」を基本理念とし、更に「自然と調和した活力あるむら」、「生活環境の充実した住みよいむら」、「人間性豊かな教育文化むら」の三つの基本目標に沿うように諸施策を推進し、村民の期待に沿うべく、全職員が一体となって村民の信頼と付託に応えられるよう全力を傾注してまいります。平成三年度は、本村の第二次総合計画に基づく、総合的展望にたった「緑と心豊かなかりゆしの里大里」を創造し、農業の振興、教育の振興、生活の安定及び文化の向上を重点柱とする都市近郊農村として調和ある豊かな村づくりに努力していく所存であります。
一、平成三年度の予算編成方針
平成三年度の予算編成に当り、はじめに我が国の経済情勢並びに財政事情について述べますと、「平成二年十二月二十二日閣議了解」で、次のように発表されております。先づ、平成三年度の経済情勢は、引き続き拡大局面にある。湾岸危機により国際石油価格が上昇しているが、今までのところ、我が国経済への影響は前二回の石油危機時に比べて小さなものにとどまっている。外需は引き続き増加している。また、鉱工業生産は増加傾向にあり、雇用情勢は雇用者数が堅調に増加し、労働力需給は引き締り状況が続いている。物価は、石油価格上昇の影響等が生じてはいるものの、総じてみると安定基調にある。経常収支は、輸入が製品類の増加に加え、輸入石油価格の上昇による増加等で黒字幅が縮小傾向にある。このことから平成三年度の経済成長率は名目で五・五%、実質で三・八%程度になる見込みである。ところが、国の財政事情は、日額な公債残高をかかえ、依然として極めて厳しい状況が続いており、今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の重大など今後の社会経済情勢の変化に財政が弾力的に対応していくためには、後世代に多大な負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債依存等の引下げ等により公債残高が累増しないような財政体質を作り上げていくことが緊要な課題であり、財政投融資計画は公債依存度の引下げを図るため、更に歳出の徹底した見直し、合理化に取り組むこと等により公債発行額を可能な限り縮減し、既存の制度、施策についての見直し等緑費の徹底した節減合理化、特に経常部門経費については厳しく抑制する。日本電信電話株式会社の株式売払収入の活用による社会資本の整備促進を図る。土地税制については、土地に関する税負担の適正、公平を確保し、保有、譲渡、取得の各段階にわたり総合的な見直し、厳しい財政事情にかんがみ税外収入の確保を図る。行政改革の推進については、国家公務員の定数を大幅な縮減を図る。経費の徹底した節減合理化、各種施策の優先順位の厳選、財源の重点的、効率的配分を行い、国民生活の質の向上に結びつく分野に重点を置いて整備を図る等により平成三年度の一般会計予算は、前年度当初予算に比べ六・二%の伸びとなっております。方、地方財政対策等については、地方交付税の増額等の財政措置は講ずることになっているが自主財源に乏しい本村においては人件費の上昇、補助事業の対応費の捻出等に伴い財政はいぜんとして厳しい状況にあります。以上のことから、平成三年度の財政運営に当っては、行政需要の増加する傾向であるが補助事業の対応費等から需要費、備品費等の経常的経費の節減合理化を行い、財源の重点的配分を行うことに努めました。平成三年度の一般会計予算は、本村の財政状況を踏まえて編成しました結果、二、七九六、二六七千円となり、前年度当初予算に止へ六・七二%の伸びとなっております。前年度を上回った費目を申し上げますと、歳入面では、主に村道改良事業費の国庫支出金、地方交付税、村税等が伸びており、歳出面では、主に村道改良工事事業に伴う土木費、土地開発基金及び地域福祉基金の新設に伴う総務費、中学校運動場のナイター工事、ヿンピューター教育に伴う設備費等の教育費、特別会計(国民健康保険費、老人保健費)への繰出金の増に伴う民生費の伸び等であります。詳細につきましては、平成三年度一般会計予算案をご覧になっていただきたいと存じます。次に平成三年度の主な施策について申し上げることにします。
二、各基金の有効活用と事業推進について
平成三年度は地域福祉基金及び土地開発基金が新しく交付税として交付されることに伴い、地域振興基金、ふるさと創生基金等と併せてその有効活用を図るため委員会を設置して適切なる事業を推進してまいります。
三、村道、公園、河川の整備について
●村道等の整備について
村道の整備については、村道目取真~大城線、村道屋宜原線、村道公方線整備が順調に進展しており、平成三年度も継続して整備工事を進める計画であります。特に村道公方線については、グリーンタウンから大城間の改良工事を平成三年度で完了させてバス路線として開通させる予定であります。平成二年度から整備してきました村道伝道線の未整備箇所についても、平成三年度改良工事を進め、全線完了させる計画であります。新規事業としまして県道五号線と県道七七号線を連絡する村道松増線、村道古堅~福原線を国庫補助事業で整備する計画であります。大城地内県道五号線の浸水対策として対米請求権事業で排水施設の整備を計画しています。村単独事業についても、これまでどおり舗装補修工事村道側溝整備工事を進めてまいります。
●公園の整備について
昭和六十一年度に事業開始した大里内原公園整備事業は、平成二年度で事業が完了し、平成三年度から供用開始となります。平成一年度は大里城跡公園整備基本構想を作成し、国庫補助事業として採択に向けて取り組んでまいります
●河川の整備について
河川の整備については、これまで国庫補助事業の災害復旧事業として年次的に整備してまいりましたが、平成三年度も饒波川の災害箇所の事業採択に向けて努力してまいります。
●農道整備事業について
この事業は、農村基盤整備事業の一環として農道を整備することにより、生産性を促進するものであり、継続中であった稲嶺幹線農道整備工事は平成二年度で完了し平成三年度は当間地区土地改良区内の幹線農道の整備を計画しています。
四、農業の振興について
●農業振興地域整備計画の見直しについて
本村は総面積一、二三五haそのうち六haが市街化区域で、その他は全て農業振興地域で、六六五haが農用地区域になっております。近年住宅団地の造成計画及び分家住宅建築で農用地区域からの変更要請等が多くなっている状況です。平成三年度は農政の課題であります生産性の高い農用地の確保を図る上で地域の土地利用計画の動向を踏まえて他の分野との調整を図りつつ農業振興地域整備計画を総合的に見直し作業を進める計画であります。
●農作目の生産振興について
本村は、さとうきび作を中心に野菜、花き、畜産、果樹等多作目の生産が行われております。特に基幹作目のさとうきびは平成六年から品質取引が導入されることになり、円滑な移行のため経営改善と優良品種の導入など引き続き推進していきます。平成二年十一月にウリミバエ根絶により、果実類や野菜類の県外への持ち出し規制が解除され、本土向け野菜、熱帯果樹を中心に農家の生産意欲が高まりつつあります。平成三年度も農家の経営安定を図る上から村農協、農業委員会、普及所等と連携を密にし、栽培及び経営改善講習会等の開催に努めてまいります。
●畜産の振興について
平成三年四月肉用牛の自由化が実施されることになり、又、豚価の長期低迷で畜産経営は厳しい状況にあり、経営の安定に向けて今後優良品種の導入と飼育技術の向上に努めてまいります。
●畜産排泄物の悪臭防除及び処理対策について
近年、畜産排泄物の悪臭及び河川の汚染が悪化し、環境衛生上からその改善策が急務となっております。このことは短期間で解決することはむずかしいが、平成三年度も引き続き畜産農家の指導、畜舎悪臭防除対策に努力してまいります。
●土地改良ほ場整備事業について
本村は農業の基盤となるほ場を整備し農地の高度利用による生産性の高い農業を確立するため国、県等の補助事業を導入し農業基盤の整備を図ってまいりました。これまでに要整備計画面積の五〇%余のほ場が整備完了されています。継続中の真境名地区土地改良事業も平成三年度で完了することとなり、又、目取真地区は平成三年度から県営事業として工事が始まります。更に計画中の地区についても採択に向けて推進を図ってまいります。
●農地保全事業について
この事業は、急傾斜地帯の農地保全対策として、農用地の侵食崩壊防止のための排水施設、農道等を整備し、農業の生産性の高い農地を確保するものであり、平成三年度も継続中の平田原地区、大石原地区の工事を実施する予定であります。
●農村総合モデル事業について
この事業は、農業基盤及び生活環境を総合的整備する事業であり、国、県の補助受けて昭和五十二年度から着工され、集落内の生活道路、排水路農村公園、農村環境改善センター農道、ほ場整備等を整備し、活力ある村づくりを推進してまいりましたが平成三年度も引き続き事業を進めてまいります。尚、高宮城地区ほ場整備事業については平成三年度で完了する予定であります。
五、環境衛生の充実について
環境衛生の充実は、村民が健康に恵まれた日常生活を維持していくために重要な施策の一つであり、平成三年度も引き続き生活環境の保全に努めてまいります。又、集落のごみ置き場においては、ごみが飛散するような所が多く衛生面からも問題であり、その解決策として年次的に箱型等のチリ箱の整備を進めてまいります。粗大ごみについては年々増加の傾向にあるが、当分の間は前年度同様年二回収集運搬処理を実施してまいります。し尿処理については、各家庭の浄化槽は浄化槽法の規定により浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃を年一回実施する義務があり村民への周知を図り、島尻消防清掃組合の近代的な処理施設で円滑に処理されるよう推進してまいります。
六、村民の健康保持と福祉の向上について
●健康保持について
健康は社会生活を営むうえで最も大切なものであり、平成三年度も引き続き村民の健康増進に努めてまいります。まず、老入保健法による健康診査、健康相談、健康教育、機能訓練、寝たきり療養者の訪問診査等を実施してまいります。特に健康診査では肺ガン、乳ガン、子宮ガン等の検診を平成一年度同様実施するとともに、住民健診の県目標の五〇%を上回るよう受診率の引き上げに努力するとともに成人病等の早期発見に努めてまいります。又、各種予防接種乳幼児健診及び健康相談、妊産婦健康相談、妊産婦栄養相談等も例年どおり実施し、乳幼児、児童生徒及び母子の健康保持に努めてまいります。また、村民の健康保持及び健康増進にかかわる業務を県派遣保健婦と昨年配置した村保健婦により、村民の健康づくりにより一層努力してまいります。
●村民福祉について
村民が安心して暮らせる地域社会の建設を目指し、村社会福祉協議会をはじめ、民生児童委員等福祉関係各位のご協力で年々村民福祉も充実してまいりました。特に、平成二年六月に社会福祉関係法の改正が行われ、平成三年度から日常生活用具給付事業等が実施されます。業務に対応するため、担当職員の配置、村社会福祉協議会においては、職員の増員による組織の強化を図る必要があり、又、重度心身障害者への医療費助成事業、日常生活用具給付事業の実施、更には地域福祉基金の活用で、要援護者に対する潤いのある福祉行政を推進する所存であります。
●児童福祉について
明日を担う幼児の保育及び児童の健全育成を図るため、引き続き保育所、児童館の管理運営を強化するとともに、懸案でありました、わかば、わかくさ両保育所に平成三年度から所長を配置し、保育所運営、児童福祉の向上に努めてまいります。長年地域社会の発展に貢献なされた老人が健康で安心して暮らせるように引き続き老人福祉事業を推進し、老人クラブの育成、一人暮らし、寝たきり老人の介護に家庭奉仕員の派遣、短期保護事業等による介護委託、日常生活用具の給付等を実施し、より一層の老人福祉の向上に努めてまいります。
七、しクリェーション・ゾーンの形成について
第二次総合計画で位置づけたレクリェーション、ゾーンの形成については、平成三年度に同地域のマスタープランの調査を予定しております。
八、交流事業の推進について
交流事業の推進につきましては国内交流として平成三年度は、埼玉県大里村との子弟交流を実施する計画をしております。国際交流につきましては、当面海外移民子弟の研修生受け入れ事業に着手すべく、現在事務段階での検討をはじめており、早期に実施できるように努めてまいります。
九、教育の振興について
●学校教育について
本村の学校教育は、「自ら学ぶ意欲を育て、学力の向上を目ざすと共に豊かな表現力と粘り強さを持つ児童、生徒の育成」、「平和で活力ある社会の形成者として、国際性を培い郷土文化の継承発展に寄与する豊かな人間性と創造性に満ちた村民の育成」、「生涯学習を目ざし、家庭、学校、地域社会の相互連携のもとに時代の流れに対応できる人材の育成」の三本の柱を目標に推進しております。新指導要領においても「心の教育」は大きな柱として取り上げられていますので平成三年度も継続して指導に努めてまいります。特に、学力向上対策については、学校、家庭、地域社会、行政が連携し、体となって推進を図り、児童、牛徒の学力向上と健全育成に努めます。平成三年度は、学校教育推進委員会の設置及び埼玉県大里村との児童、生徒の交流会を実施する予定であります。又、大里中学校グランド、ナイター施設の整備、南小学校プールの改修をはじめ、情報化時代に備え、平成三年度から小、中学校にコンピューター整備を予定しております。
●幼稚園教育について
幼稚園教育は、人間形成において大切な時期であり、園児の健やかな成長を図るために幼稚園教育の充実に努めてまいります。
●社会教育について
近年、人々は自己の充実、啓発や生活の向上のため適切な学習要求をもつようになり、生涯学習時代への基礎づくりとして、社会教育の果たす役割は益々増大しています。それに応えるために、平成三年度は社会教育課を設置して、より充実した体制づくりを強化し生涯学習推進体制の整備、少年教育の推進、成人教育の推進、学習機会の提供、社会体育の推進を重点課題として進めてまいります。
●文化振興について
地域に根ざした文化活動の普及奨励を図るとともに、村内の文化財の保護、愛護活動により伝統を活かした豊かな地域文化の創造を目指してまいります。又、由緒ある城跡や無形民俗文化財にも恵まれており、集落の鎮守の森である御獄等も多数分布し古くからあがめられ祭祀行事が行われています。村民の心のよりどころであるこれらの文化財を保存伝承し、復元し、後世に正しく伝える事は文化行政において重要であります。平成三年度は、地域の歴史や文化を多くの方々へ紹介し、村民の文化意識の高揚を図るため、文化協会との連携を深め芸術、文化の振興並びに大里城跡の発掘調査を予定しております。
以上のとおり、平成三年度の施策のあらましを申し上げましたが、財政事情の厳しい現況にかんがみ村政運営にあたっては、行財政の効率的運用を図り、村民の生活向上に向けて、より一層努力して行く所存でございますので、議員各位、村民皆様の御理解と御協力をお願い申し上げ私の所信と致します。
平成三年三月十一日 大里村長城間政徳
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1CMJDTbc8YdK3z-Ox5LmkXzI6onGqugPP/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008461 |
| 内容コード | G000000977-0002 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと 第145号 |
| ページ | 2-6 |
| 年代区分 | 1990年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1991/04/10 |
| 公開日 | 2026/03/27 |