平成元年第二回大里村議会定例会が三月十日から二十八日まで、十九日間の日で開かれました。議会初日の冒頭で仲程實信村長は、村政運営の基本方針である平成元年度の施政方針演説を行ない、「農業の振興」「教育の振興」「生活の安定及び文化の向上」を三本柱に「調和ある豊かな村づくりを推進していくことを明らかにしました。
施政方針
仲程實信村長 はじめに
本日ここに三月議会定例会を迎え、平成元年度一般会計予算、特別会計予算並びに条例案等を提案するに当たり、村政運営の基本方針と施策のあらましについて、私の所信を申し上げ、議員各位、村民皆様の御理解と御協力をお願いします。私は、村政運営に当たり、本村が都市近郊農村として、「調和ある豊かな村づくり」を基本方針として村政を運営してまいりました。本年度もこれまでの行政効果を踏まえ、引き続き「農業の振興」、「教育の振興」、「生活の安定及び文化の向上」の三点を重点柱として推進し、村民の期待に沿うべく、全職員一体となりまして、村民の信頼と付託に応えられるよう努力していく考えでございます。
平成元年度予算編成方針
わが国の経済情勢、並びに財政事情について述べますと、「平成元年一月十八日閣議了解」で、次のように発表されております。先づ平成元年度の経済情勢は、原油価格の安定、低水準の金利、技術革進等による国際貿易収支の伸び、物価は消費税制度との関連でいくらか上昇するものの内需拡大策等にささえられ、景気は引き続き緩やかに拡大するものと期待される。このことから平成元年度の経済成長率は名目で五・二パーセント、実質で四・〇パーセント程度になるものと見込まれている。ところが、国の財政事情は、巨額の国債残高をかかえ、加えて今後急速に進展する人口の高齢化や国際社会における我が国の責任の増大など、社会経済情勢の変化に財政の弾力的対応力を一日も早く回復することが緊急な課題であり、さらに税制改革を円滑に実施するためにも、行財政改革を引き続き推進する必要があり、このことから公債依存度の引下げを努力目標に、歳出を徹底した見直し合理化等により、経常経費の徹底した節減を図ると同時に、引き続きNTT(日本電信電話株式会社)の株式売買収入財源を活用し、内需拡大策を講ずることになっている。又行政改革面では、国家公務員の定員数を引き続き縮減し、経費の徹底した節減合理化を図り、各種施策の厳選、財政の重点的効率的配分を図る等により、平成元年度の国の一般会計予算は、前年度当初予算に比べ六・六パーセントの伸びを示し、昭和五十六年度以来の伸びとなっている。方、地方財政対策等については、国庫補助負担率の一部について復元、地方交付税の増額(ふるさと創生に係る交付税)等の財政措置を講じることとなるが、自主財源に乏しい本村においては、村税の伸びの鈍化、反面人件費の上昇に伴い、経常収支比率が高まり財政は一段ときびしい状況にあります。以上のことから、平成元年度の財政運営に当っては、行政需用が高まっている現状にありながら、村単独の建設関係の工事費の縮減をはじめ、旅費、需用費、備品費等経常経費の節減を行い、財源の重点的配分を行うことに努めました。
平成元年度の一般会計予算
上述の結果、平成元年度一般会計予算は、「ふるさと創生」に係る費用を含め、二十五億九千万円となり、前年度当初予算に比べ三・三パーセントの伸びとなった。又、「ふるさと創生」に係る費用を除くと二十五億一千万円であり、前年度当初予算とほぼ同額でございます。このように前年度を上回ったのは、歳入面では主に、「ふるさと創生」に係る交付税が伸びたことによるものであり、歳出面では主に人件費の伸び、「ふるさと創生」に係る庁舎建設基金への積立金、並びに道路舗装工事費の伸びでございます。尚、詳細については、お配りした平成元年度一般会計予算書案をご覧になっていただきたいと存じます。次に平成元年度の主な施策について申し上げることにします。
平成元年度の主な施策
一、ふるさと創生事業について
ふるさと創生事業については、地方交付税として前年度二、〇〇〇万円、本年度八、〇〇〇万円交付されます。この資金の活用については、村民の創意による事業を行うことになっています。本村としましては、前年度に村民の要望等を検討した結果、自己財源に乏しい本村の現状にかんがみ、村民の経済面、生活面の活性化に継がる事業に活用することとしました。本年度の八、〇〇〇万円の活用は、その一部は村道の舗装工事に、一部は村民行政サービスの中心となる役場庁舎の建設資金に積立する予定であります。
二、環境の整備について道路の整備について
村道の整備は、前年度着工した屋宜原線、目取真~大城線の改良工事は、用地買収も殆ど完了しており本年度は両線とも整備工事を進める予定であります。X、対米請求権事業で、平良地内の高嶺線をはじめ、ふるさと創生事業で村内全域の村道の舗装整備を予定しております。次に、村単独事業として、村道島袋~嶺井の部整備を前年度から進めてまいりましたが、そのうちの一部が用地買収の遅れから未整備となり、不便をかっておりました。本年度は、その分の幅員拡張、舗装、側溝等の工事を行う予定であります。
内原公園の整備について
内原公園整備事業は、前年度までに外観擁壁工事をはじめテニスコート、ゲートボール場、チビッ子広場、展望台等の工事をしてまいりましたが、本年度は管理棟並びに多目的広場の整備を予定しております。なお、この公園整備事業も次年度に予定している植裁を残すのみとなっております。
河川の整備について
河川の整備については、これまで災害復旧事業で年次的に進めてまいりましたが、本年度も饒波川稲嶺地内の災害地について申請し、国の許可次第災害復旧事業で整備を予定しております。
環境衛生の充実について
環境衛生の充実は、村民の快適な日常生活を維持していくためにも重要な施策であり、本年度も引き続き生活環境の保全に努めてまいります。まず、日常生活から発生するゴミについては、例年どおり収集し、島尻美化センターで処理し、粗大ゴミについては、前期七月、後期十二月に年二回収集処理を予定しております。又、し尿処理については、大里村、具志頭村、玉城村、知念村の四村による一部事務組合で昭和六十二年度に具志頭村に近代的なし尿処理施設「清澄苑」が完成し、し尿処理体制が確立されております。本村のし尿収集運搬は、村長が認可した村内二業者により、昭和六十三年四月一日から実施されております。村としては、円滑な処理ができるよう村民のし尿処理に対する理解を高めることに努めてまいります。
三、村民の健康保持と福祉の向上について
健康保持について
健康は、社会生活を営むうえで、最も大切なものであります。本年度も引き続き村民の健康増進に努めてまいります。まず、老健法による健康診査、訪問診査、健康教育、機能訓練、健康相談等、又、毎週火曜日の午前中は村民の健康相談日を予定しております。健康診査では、肺ガン、乳ガン、子宮ガン等の検診を前年度同様に実施し、成人病等の早期発見につながるよう努めてまいります。次に、各種予防接種、乳幼児健診及び健康相談、妊産婦健康相談、妊産婦栄養相談等を実施し、乳幼児、児童生徒、母子の健康保持に努めてまいります。又、食生活は健康保持の最も重要なものである。本年度も、引き続き栄養教室を開講し、バランスのとれた食生活の高揚に努めてまいります。
村民福祉について
村民が安心して暮せる地域社会の建設を目指し、社会福祉協議会をはじめ、民生児童委員等の福祉関係各位のご協力で年々住民福祉を充実してまいりましたが、本年度も、引き続き関係団体の協力を得て、老人、児童をはじめ、経済的にも社会的にも不安定の立場にある心身障害者、母子・父子家庭、病人や低所得で悩んでいる方々へのうるおいのある福祉向上に努めてまいります。
児童福祉について
明日を担う幼児の保育並びに児童の健康増進を図るため、引き続き保育所、児童館の管理運営を強化するとともに、職員研修の強化並びに保護者との連携を深め、児童福祉の向上に努めてまいります。
老人福祉について
長年地域社会の発展に貢献なされた老人が、健康で安心して暮らせるように、引き続き老人福祉事業を推進し、老人クラブ活動の育成に努め、更に一人暮し・ねたきり老人介護に家庭奉仕員の派遣や、ねたきり老人を一時老人ホームに入所させ、入浴、リハビリ等の介護委託を行う等老人福祉の向上に努めてまいります。
四、農業の振興について土地改良事業について
本事業は、農業の基盤となるほ場の区画、形質の整備及び、ほ場排水路を整備し、労働生産性を高め、今後の農業経営の安定を図るものであり、急速に進展する国際化、農作物自由化の動向を踏まえつつ、農業の体質強化を確立しなければならないと考えています。昭和五十一年度から国、県の補助を受け、これまで稲嶺地区をかわきりに、嶺井地区、平川地区、当間地区、仲程地区、大城地区が完了-ています。本年度は、継続中の真境名地区のT事を進める予定であります。更に未採択地区の採択に向けて努力してまいります。
農業構造改善事業について
この事業は、国県の補助事業として、昭和四十九年度から第一次構造改善事業を導入し、昭和五十六年度から第二次構造改善事業を導入しこれまで各種施設を整備しております。又、昭和六十年度から新農業構造改善事業を稲嶺地区に導入し、前年度まで野菜団地、花き団地の施設を整備してまいりましたが、本年度は本事業の最終年次にあたり、構造改善センター(246平方メートルの建設を予定しております。このセンター完成後は、このセンター活用による稲嶺区の経済、生活、教育、文化の向上に大きな期待が寄せられるものであります。
農村総合モデル事業について
本事業は、農村の基盤を整備する総合的な事業で農業の生産基盤整備、農村生活環境整備、環境施設整備等を村一円で実施されています。これまで集落内の道路排水路、農村公園、農村環境改善センター等を整備してまいりましたが本年度も引き続き事業を実施する予定であります。尚、今年度から高宮城地区のほ場整備を予定しております。
農地保全事業について
この事業は、急傾斜地帯の農地保全対策として、農用地の侵食崩壊防止のため、排水施設乃び農道等を整備し、農業生産性を高めるための事業で、大城区において平田原地区、大石原地区二地区の事業が進められます。本年度も引き続き両地区の工事を進める予定であります
農村基盤総合整備事業について
この事業は、集落内の道路整備をはじめ、生活雑排水の浄化に係る一連の施設を整備するもので、国、県の補助事業として、真境名地区において昭和六十二年度から工事をはじめ、これまで排水施設、生活雑排水処理施設の工事を准めてまいりましたが、本年度も引き続き排水施設の工事を予定しております。
農道整備事業について
この事業は、農村基盤整備事業の一環として、農道等を整備し農作物の鮮度等を保護し、生産性を高める上から、昭和六十三年度より稲嶺地区土地改良区内で実施してまいりましたが、本年度も引き続き同地区の幹線農道の舗装工事を進める考えであります。
農作目の生産振興について
本村は、さとうきびをはじめ、野菜、花き、畜産等が多く生産されています。近年パインアップル缶詰をはじめ、農産物自由化への外圧を辿え、又、さとうきび価格の引き下げ、品質取引等、農業をとりまく環境は、依然としてきびしい状況にあります。本村農家経営の安定を図るうえから、村農協、普及所、農業委員会等と一層連携を深め、その改善策に取り組まなければなりません。そのため、本年度も引き続き、基幹作目のさとうきびをはじめ、野菜、花き等の栽培技術並びに畜産の経営技術の改善について、研究会、協議会を開催し、生産農家の生産経営の安定を高めてまいりたいと考えております。
五、教育の振興について学校教育について
学校教育は、二十一世紀に向けての人づくりであり、基礎教養と基礎知識を育み、自主性、創造性を備えた身心ともに健全な人間育成をめざすものと考えております。社会情勢が、急速に変化しつつある今日社会に対応できる能力と精神を養うことは極めて重要であると思います。このような観点にたち、なお、一層教育内容の充実、教育環境づくりに努力してまいります。特に本県の児童生徒の基礎学力が、他県より低いと言われており、前年度本村においても、行政。学校、地域、父母で組織する「大里村基礎学力向上推進協議会」が設立されておりますので、その成果が上がるよう努力したいと考えております。又、国際化、高度社会に対応できる人材育成を図るため前年度から中学校に外国人教師を雇用し、英語教育を強化してまいりましたが、本年度も引き続き外国人英語教師を雇用し、英語教育の充実を図ってまいります。次に、中学校の一部校舎が老朽化しており、改築の時期にきておりますので、改築に向けて、本年度は当該校舎の耐久度調査を予定しております。
社会教育について
昭和六十一年度から県派遣社会教育(スポーツ)主事が、今年三月三十一日で任期満了になり、また、本年度は、新たに県から社会教育主事の派遣をいただき、村民、各種団体の社会教育をはじめ、体力増進教育を図ってまいります
文化財について
祖先の残した文化遺産を大切に保護し、未来に伝えることは、我々の義務であると痛感し、本年度は、大里、大城の両城跡の分布調査と何ケ所かの発掘調査を県教育庁文化課の指導を得て実施する予定であります。また、村内各地に残されている有形、無形の文化財の指定に努力してまいります。
六、第二次総合計画推進体制の確立について
村政の新たな指針を確立するため、昭和六十三年度は、第二次総合計画の素案策定に取り組んでまいりました。そして、去る二月四日付で素案を決定し、同十六日付で総合計画策定審議会に諮問いたしたところでございます。策定に当たっては、第一次基本構想、基本計画等の評価検討を踏まえつつ、新時代に向けて村民生活の一層の向上発展が図れることに留意し、実効性のある総合計画になるよう配慮したつもりであります。今後の予定としましては、来る六月議会定例会に新たな基本構想をご提案申し上げる予定でございます。又、第二次総合計画が完成致しますと、早速本年度において実施計画を策定し、平成二年度から始まる新たな総合計画の推進に十分な体制を整えていきたいと考えております
おわりに
以上のとおり、平成元年度の施策のあらましを申し上げましたが、財政事情の厳しい現況にかんがみ、村政運営にあたっては、行財政の効率的な運用を図り、村民の生活向上に向けてより一層努力していく所存でございますので議員各位、村民皆様の御理解と御協力をお願い申し上げ私の所信と致します。
平成元年三月十日
大里村長仲程實信
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1Mjn9vBC4a9u-JuqwkQPs5sWGxLpf2ZTT/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008461 |
| 内容コード | G000000956-0002 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと第124号(1989年5月) |
| ページ | 2-6 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1989/05/01 |
| 公開日 | 2026/03/27 |