昭和六十一年度第三回大里村議会定例会が三月十二日から二十八日までの会期で開会されました。
今定例会には、昭和六十一年度大里村一般会計予算、特別会計予算(国民健康保険・老人保険・村有家畜導入貨付事業)、条例案等十七議案が提案され、議会初日、仲程村長は、昭和六十一年度の施政方針を表明しました。施政方針(全文)は次のとおりです。
昭和61年度施政方針
村長 仲程實信
本日ここに三月定例議会を迎え、昭和六十一年度一般会計予算、特別会計予算並びに条例案等を提案するに当たり、村政運営の基本について、私の所信の一端を申し上げ、議員各位、村民皆様の御理解と御協力をお願いします。
私は、村政運営に当たりこれまでの行政効果を踏まえ、引き続き「農業の振興」教育の振興」「生活の安定及び文化の向上」の三点を重点柱とする近効農村で"調和ある豊かな村づくり"建設に努力していく考えでございます。
一、経済情勢・財政状況昭和61年度予算編成方針
はじめに、わが国の経済情勢、財政事情等について述べますと、「昭和六十年十二月二十三日閣議了解」で次のように発表されております。先づ経済情勢は、昭和六十年度に入り、世界景気の緩やかな拡大、物価の安定、技術革新、情報化の進展等を背景として、輸出が引き続き高水準で推移する一方、設備投資が総じて着実に増加したほか、その他国内需要についても緩やかに増加するなど、全体として景気は緩やかな拡大を続けております。この結果昭和六十一年度の経済成長率は名目で5.1%、実質で4.0%程度が見込まれ前年度に比べると名目では、僅かに下回っているものの実質では、ほぼ前年度並みとなっております。
ところが、国の財政は巨額の国債の累積赤字をかかえ、不均衡財政が続いており、引き続き財政再建を重点施策として、行財政の改革が強力に進められております。
このことから、昭和六十一年度は、国家公務員の定員について計画的削減を行うとともに、財政の重点的かつ効率的配分を図るため一般行政経費の抑制、補助金等の徹底した整理合理化と総額の圧縮等が行われ、一般会計予算は前年度当初予算に比べて3%増えたが、うち一般歳出は四年連続のマイナスシーリングの予算編成が進められています。
一方、地方財政対策は、歳入面では、たばこ消費税引き上げによる特別措置等が講じられてはいるものの国庫補助金負担率が引き続き下げられる等厳しい財政措置が講じられています。
このような国の厳しい財政措置は、地方財政に大きな影響をおよほし、とりわけ、依存財源率の高い本村にとりましては、近年の財政構造は、公債比率や人件費の伸び等による経常経費の上昇が続き苦しい対応をしいられ、今後は一層財政の在り方について、徹底した是正を行い、財政の健全化を図る必要があり、昭和六十一年度は前年度にも増し、緊縮財政をとらざるを得ない状況にあります。
以上のことから、昭和六十一年度の財政運営に当たっては、村単独事業の抑制をはじめ、賃金、備品費、需用費、補助金等について見直しを行い、財源の重点的、効率的配分を行うことに努めました。結果として昭和六十一年度一般会計の予算額は、21億5千万円となり、前年度の当初予算額19億2千万円に比べ12%の増となっております。
前述のように前年度より増加したのは、主に村道整備事業費の増をはじめ、学校校舎整備事業費(大里中学校の校舎建設)並びに昭和六十二年度に行われる海邦国体の準備費(リハーサル大会費等)等が増加したためであります。
次に、昭和六十一年度の主な施策について申し上げたいと存じます。
二、昭和61年度の主な施策
1、生活環境の整備について
《道路の整備について》
村道の整備は、これまで年次的に進めてまいりましたが、本年度は、国の補助事業として前年度に引き続き、西原半田線をはじめ、ライフル射撃場へ通ずる内原線、大山線の改良工事を予定しております。又、新規に田原線(嶺井団地入口から南風原区間)を国の補助事業で改良工事を計画しております。又、村単独事業の村道舗装工事も前年同様引き続き進めてまいります。
《大里内原公園の整備について》
これまで村単独事業として、総合運動場建設にむけて造成を進めてまいりましたが、施設の利用度並びに村財政上の利点から、本年度から国の補助事業としての大里内原公園整備事業に変更し、工事を進める計画でございます。
この公園は、村民の健康増進と、幼児、青少年の憩いの場としてスポーツをはじめ、休憩、遊戯、その他多くのレクリェーションに供される園であり、その施設の内容を申し上げますと多目的広場(陸上・野球ソフトボール場等)多目的コート(テニス・ゲートボール場)子供広場、展望広場、入口広場、駐車場、倉庫、便所等となっており、昭和六十一年度から工事をはじめ、昭和六十五年度に完成の予定でございます。
《環境衛生の充実について》
村民が快適で暮らしやすい環境を保持するために、前年同様に島尻清掃組合と連携を密にし、円滑に塵芥処理ができるように努めます。又、伝染病等の媒体となっている蚊についても、駆除対策を強化し、環境衛生の保全に努めてまいります。
2、農業の振興について
《農業基盤整備事業について
土地改良事業について
本村の土地改良事業は、国、県補助事業として昭和五十一年度に着工しました稲嶺地区を第一号とし、次いで嶺井地区、当間地区、大城地区、平川地区の順に事業を進めてまいりました。前年度までの整備済面積は185haで、要整備面積444haの41・6%の整備率となっております。本年度は、前年度までに工事を終えていない、当間地区と大城地区の継続と新規に真境名地区の工事を計画しております。
農業構造改善事業について
この事業は、国・県補助事業として、昭和四十九年度に第一次農業構造改善事業を、昭和五十六年度に第二次農業構造改善事業を導入し、各種施設を整備してまいりましたが、本年度は国の新規事業の「新農業構造改善事業」を導入し、稲嶺地区に花き温室並びに貯水タンク工事を計画しております。
農地保全事業について
この事業は、傾斜地域の農地保全対策として農道、排水路等を整備するものであります。前年度に実施設計を終えた、平田原地区(大城ダムの南西側の傾斜地域については、本年度から工事を進める予定でございます。
又、本年度は新規に大石原地区(大城城跡東側の傾斜地域の整備にむけて、実施設計を計画しております工事完成は、平田原地区は昭和六十五年度、大石原地区は昭和六十六年度の予定でございます。
《農村総合整備モデル事業について》
この事業は、昭和五十三年度から工事がはじまり、集落内の道路をはじめ排水路、農村公園、農村環境改善センター等の整備建設を進めてまいりましたが、本年度も引き続き集落内の環境整備を進める計画であります。
《真境名地区基盤整備事業について》
この事業は、集落内の道路の整備をはじめ、生活排水の浄化に係る一連の施設を整備するものであり、前年度から工事をはじめていますが、本年度も引き続き工事を進める予定でございます。
3、教育の振興について
《学校教育について》
学校教育は、生涯教育の基礎づくりとしての役割を重視し、自主性、創造性を備えた人間性豊かな心身ともに健康なる人間育成をめざすものと考えております。特にめまぐるしく発展しつつある今日の社会に対応できる能力と精神力を養うことは、極めて重要なことだと思慮するものであります。
このような観点にたち、なお一層の教育内容の充実教育環境の整備に努力してまいります。本年度は、大里中学校の生徒増、並びに老朽校舎の対応から7学級の増改築工事を予定しております。
《社会教育について》
社会経済の発展とともに人間生活も多様化してきております。物質的豊かな今日、より生きがいある生活への指向が高まっており、精神面並びに健康面の充実が人間生活に強く要求されるようになってまいりました。このような村民生活向上にむけて引き続き、各種団体の指導者研修をはじめ婦人会、青年会、子ども会並びに高齢者等の団体を対象に学習指導するとともにそれぞれの団体に対し、育成補助金を交付し、組織活動を奨励し、社会教育の振興に努めてまいります。
又、本年度は、本村へ県から社会教育主事が派遣される予定であり、これまで以上に社会教育に力をそそぎたいと考えております。
《文化活動について》
文化財の保存について
祖先の残した文化遺産を大切に保護し、後世に伝えることは、我々の義務であると思慮しております。ところが本村においては今日まで、その取り組みは不充分でありました。このことから、本年度は「文化財の保存及び活用の措置を講ずる」体制を強化するため「文化財保護条例」を制定し、文化財の保存に力をそそぐ予定でございます。
村歌・村民音頭の制定について
村歌・村民音頭が村民に普及されることは、村民一人びとりに「村民意識の高揚」「連帯感の促進並びに愛村心を高揚」させる上から極めて大切なものであり村発展に願いがこめられていると思慮されます。
このようなことから戦後40年を過ぎ、おくればせながら前年度に村歌・村民音頭の歌詞を募集し、「大里村村歌・村民音頭選定審議会」の御協力を得て、それぞれ立派な歌詞を制定しました。本年度は作曲、振り付けを行い村民への発表と普及に努めます。
4、村民の健康推進と福祉の向上について
《村民の健康推進について》
健康は、社会生活をしていくうえで、最も大切なものであり、村の発展も村民の健康によって達成されるものでございます。村民の健康を保持するために、前年同様健康教育、機能訓練健康相談、訪問診査、予防接種、乳幼児検診、妊産婦健康相談、栄養学習等を実施し健康保持に努めてまいります。
又、本年度から成人を対象とする検査で肝機能検杳と循環機能検査を新たに取り入れて成人病の予防、早期発見に努めます。
《村民の福祉について》
村民が安心して暮らせる地域社会の建設を目指し、これまで村社会福祉協議会の関係者の方々の御協力を得まして、年々福祉活動の成果を高めてまいりましたが、本年度も前年度同様、同協議会や社会福祉団体に育成補助金を交付し、福祉活動の強化に努めてまいります。
《児童福祉について》
児童及び幼児の健康な保育と健全な児童育成を図るため、前年度同様、管理運営の強化並びに保護者との連携を深め、保育の向上に努めてまいります。
《老人福祉について》
老人が健康で、安心して暮らせるよう、前年度同様老人保健事業の強化をはじめ、老人クラブ育成補助金を交付し、老人クラブ活動の奨励を図ってまいります。
又、一人暮らしのねたきり老人介護のため家庭奉仕人を前年度同様派遣するとともに、本年度新たにねたきり老人を老人ホームへ一時入院させ、入浴、リハビリ等の介護を委託し、これまで以上に老人福祉の向上に努めてまいります。
《海邦国体の準備について》
昭和六十二年度に開催される第42回国民体育大会は本県にとっては、復帰15周年の記念祭典として意義づけられ、これを契機に県民の健康増進と体力向上と明朗、不屈の精神をもって活力ある郷土づくりをめざしております。本村もご承知のようにライフル射撃競技会場地としてその準備をしてまいりましたが、本年度は、村民への理解を深めるとともに国体の円滑な運営を図るため、実施本部体制の確立、専門委員会の設置リハーサル大会の開催、村民運動の強化等について強力に推進してまいります。
《行財政の確立について》
近年の産業経済の急速な発展に伴い、社会情勢の変動も著しいものがあり、とりわけ本村の行政需要も以前に比べ著しく高まっております。
しかしながら、村財政は多額の財源不足をきたし、行財政運営は、一段と厳しくなりつつあります。
このような行財政情勢のなかで、今後の行財政対策は、緊急且つ重要な課題として対処していかなければなりません。今後は、行財政制度及び運営について徹底した見直しを行い、行財政の簡素合理化、村財政の充実強化を図り、時代の要請に対応する行財政の運営を行わなければなりません。
こうした厳しい情勢のなか、地域社会の活性化及び住民生活の安定と環境整備の充実向上を図り、時代に対応した地域社会建設に向けて行政改革を強力に推進する必要があります。このことから前年度「大里村行政改革推進委員会」を設置し、同委員会の審議答申を踏まえ、当面の措置事項(昭和六十一年度から昭和六十五年度を目標)に係わる「大里村行政改革大綱」を制定することができました。今後はこの大綱を柱とし、「行政改革推進委員会」の提言を遵重し、議会と連携しつつ、村民の御理解と御協力を得て各部所が一体となって行財政の確立に取り組んでまいります。
以上のとおり、昭和六十一年度の施策のあらましを申し上げましたが、財政事情の厳しい現況にかんがみ村政運営にあたっては、行財政の効率的な運用を図り村民の生活向上に向けて、より一層努力していく所存でございますので、議員各位、村民皆様の御理解と御協力をお願い申し上げ私の所信と致します。
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1U_RLxqm6hV5-rftprPTZfYbeKVR47rT2/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008460 |
| 内容コード | G000000926-0002 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと 第94号 |
| ページ | 2-6 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1986/05/01 |
| 公開日 | ー |