嶺井地区土地改良総合整備事業は昭和五十四年七月四日、県の認可があってスタートし、五十九年十一月九日の換地総会で終了しました。同地区は、ほとんどの耕地が不整備、面積も小さい状態でした。また、地区の中央を流れている宮平川は、断面が狭小で、曲がりくねっているため、雨が多い時には畑に水があふれ作物に大きな被害を与えていました。この事業で四〇ヘクタアールの区画整理と幹線排水路二〇〇〇メートルの整備がなりました。事業の経過を担当職員(経済課・屋宜宣吉)のレポートで紹介し、換地でご苦労された換地評価委員長・町田宗清さんの談話を紹介します。
54年度
土量バランスに苦心
嶺井地区は大里村で二番目の土地改良地区です。五十四年度は農地の区画整理五・九ヘクタール、幹線排水路三〇○メートルの工事を福原区域から始めました。
区画整理では土量バランスに苦心しました。土量バランスとは、凸凹や急斜面の土を切ったり盛ったする際、一つの区画の土の量は改良前と同じにすることをいいます。地区外と次年度工事か所から土を搬入し土量バランスをとりました。
まずは順調のスタートとなりました。
55年度
水害対策で喜ばれる
五十五年度工事は区画整理が三・二ヘクタール、幹線排水路が宮平川の田原橋から福原地域まで七六四メートルです。
区画整理では、土量が設計以上にあり、残土を地区外に搬出しました。その結果クチャだけが残り、これでは農作物の生育が悪いということになりました。製糖工場からのケーキ肥料を入れ、クチャをユンボーで深耕して対処しました。
幹線排水路の工事は青空保育園、自動車整備工場のある住宅地域の上、軟弱地盤のため手間取りました。
この周辺は、雨期には床下浸水や畑に水があふれ農作物に被害があったが、工事完成後は水害が解消し、関係者から喜ばれました。
56年度
原野の遺骨を収集
嶺井地区土地改良の三期目は、嶺井区新垣原です。事業量は区画整理一〇ヘクタール、幹線排水路約五〇〇メートルです。この地域は畑となっているが、面の凸凹が激しく、畝道が屈折して、収獲高も低い状態でした。与那原町との境界にある原野をくみ入れることによって畑面積の拡大を図りました。
この原野をブルトーザーで切土作業中に、遺骨が続出しました。先の大戦でこの原野の底に防空壕を造ってあり、この壕で戦死した丘隊の遺骨だとわかりました。村長は工事をストップし、採骨して御霊を供養しました。その甲斐あって原野も立派な畑となり、工事も順調に進んだと思います。
57年度
太平洋が見える
五十七年度事業量は区画整理一三ヘクタール、幹線排水路三○〇メートルです。
平たんな地形のため、区画整理はスムーズに進み、排水路工事が手間取りました。ジャーガル土壌は水はけが悪く、平たんだと水が流れず、農作物が水ぐされしてしまうことになります。
幅広排水路の下に暗渠排水(ドレン・ブロック)を入れ、水はけを良くする対策を施しました。
嶺井区から古堅区の農道を幅五メートルの直線道路に舗装することができました。この道路は細く曲がりくねって、雨で決壊があったり不便でした。通学路であり、与那原町と連絡道路となっており、利用度が大きい道路です。
改良後は形の整った広い農地となり、与那原町と太平洋が見渡せるようになりました。
58年度
全工事を完了
五十八年度は約一〇ヘクタールの区画整理の工事でした。これで五か年にわたる嶺井地区の土地改良工事が無事終りました。
59年度
本換地で事業の完了
土地改良事業は、工事が完了しても、換地配分が終らなければ「完了」とは言えません。
五十九年度は、関係地主の中から選任された十五人の換地評価委員とともに、県や関係機関の指導を仰ぎながら、換地作業を進めました。十一月九日の換地総会で、換地計画書が承認されました。昭和六十年三月に土地の登記ができました。
嶺井地区の土地改良事業の完了です。
この事業の本当の効果は、五年以上たってから現われるといわれています。
関係者の皆さん、ご指導ご助言ありがとうございました。
換地評価委員の皆さん、長い間、本当にご苦労さまでした。
水害解消を喜ぶ
換地評価委員長町田宗清
嶺井地区は農排水の未整備で、大雨のたびに家屋や農作物が被害を受けていました。また自力農道が少く幅も狭く不便でした。
土地改良のおかげで水害や農道の不便さが解消し、感謝にたえません。私たち換地委員は、公平かつ平等に恩恵が受けられるように努力しました。本換地も無事に終了、肩の荷がおりた昨今です。
国、県、村の関係者の皆さん、有難うございました。
担当職員のご苦労は大変だったと思います。きっと地主の方々から感謝される時期がくるものと思います。
ひと□メモ
ジャーガル
クチャ(第三紀層泥灰岩)に由来す灰色のアルカリ性重粘土壌。おもに沖縄本島中南部に分布する。ジャーガルは腐植含量が低く、きわめて緻密なやや軟らかい下層土があり、乾くと急に硬くなって深い亀裂ができる。湿ると軟弱で粘り気が強くなる。下層が緻密であるため排水性が悪く、多雨のとき害が発生しやすい欠点がある。沖縄ではもっとも肥沃な土壌である。
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1Z7p8R7Oiz_JgXiM3K0Z0m34oScsZN0Wa/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008460 |
| 内容コード | G000000916-0002 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと 第84号 |
| ページ | 2-3 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1985/05/01 |
| 公開日 | ー |