妹食いそこねた鬼
大里ウナーの話(鬼モチの話の姉妹編)
昔、南風原(区)と西原(区)の間の山に、ウナー屋敷というのがあった。戦前まではウナー屋敷のほら穴が見られたが、今は、およその見当がつくくらいだ。
ウナーというのは、人間だが、人を食うといううわさがあったので、村の人達は、恐れてウナー(鬼)と呼んでいた。
ウナーには妹がいた。
妹は、嫁にいっていたが、うわさを確めに、ウナーに会いにやってきた。
ウナーは喜んで、「これはこれは、ちょうどよい時に来た。ごちそうが出来ているよ。食べていきなさい」と、大きななべをあけた。
すると、なべの中には、人間の手・足・首などがはいっていた。
妹は恐ろしくなり、「便所はどこかね」と尋ね、用足しをするふりをして、便所の中からカギをかけて、窓から逃げていった。
妹がいつまでも出てこないので、ウナーは様子を見に行った。便所にはいない。遠くの方に、妹が逃げていく姿が見える。
妹も食おうと思っていたウナーは、妹を追いかけた。
ずっと追って、今の西原(区)のヤードゥイ(新居留地)佐敷の近くまで追いこんだ。
その時、ウナーが「マテー、マテー」と呼んだので、そこは"マティガア"と呼ばれている。
逃げる妹は命がけだから、大男のウナーでも、なかなかつかまらない。
妹が佐敷に逃げこんだので、ウナーはあきらめて「ナア、イケーイケー(もう行け行け)」と叫んだので、そこは"イチジ"ということになった。
妹は与那原まで逃げた。ひとたびはあきらめたウナーが、又追ってきた。
逃げる体力と気力を失った妹は、知恵を働かせ、海にあったいかだをひっくりかえして隠れた。
ウナーは、力はあるが知恵がない。妹を見つけることが出来ず、とうとう帰っていった。
妹は、二度とウナーに会いに行かなかったそうだ。
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|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008460 |
| 内容コード | G000000915-0014 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 広報おおざと 第83号 |
| ページ | 10 |
| 年代区分 | 1980年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1985/02/01 |
| 公開日 | ー |