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みんなで考えよう① 非行防止

少年非行は、ここ数年来著しい増加を続けてきました。
昭和五十七年中の刑法少年の補導人員は、十九万一千九百三十人で、戦後最悪の状態が続いており、五十五年、五十六年に続き、三年連続して戦後最高を記録しました。
この欄では、"非行防止"について、共に考えてみたいと思います。

まず、左に掲げた表を見てください。これは村内少年が五十七年度中に、県内で補導された状況です。
男女合わせると一一三名と数が多いのにびっくりされるでしょう。しかし、この数字は補導されたものだけで、実際には、この数字を上回るものと思われます。
補導されたもので最も多いのが「深夜はいかい」で、全体の四六・九%となっています。「深夜はいかい」とは、青少年が夜中遊び歩くことであり、少年非行の前ぶれだと言われています。
今回は、東京保護観察所次長大石勉氏の話しを紹介します。
非行防止について、共に考えてみたいと思います。

🔶非行防止は本人次第🔶
医者が病気を治すのではない、治すのはあくまでも本人自身である、とよく言われます。同じように、少年非行の場合も、立ち直ることができるかどうかはもとより、非行に走らないようにするのも、結局は本人次第です。
しかし、わたしたちがその手助けをすることはできます。それが親として、大人としての役目であり、責任でもあります。

甘やかしすぎの親子関係

🔶複雑な非行の背景🔶
少年非行は、現在、わたしたちがかつて経験したことのない深刻な事態に直面しています。なぜ、それほど"重症"かと言うと、戦後二度あった少年非行のピーク時に比べて非行の背景・原因が、現在の社会情勢を反映してより複雑になってきているからです。
戦後の貧しい生活が少年を非行に走らせていたとも言える昭和二十六年(第一次ピーク)当時に比べ、いま、はるかに生活は豊かになっています。にもかかわらず、非行は後を断つどころか逆に増加の一途をたどっているのです。
現在の"非行の芽"は、より深深いところに根ざしていると言えるでしょう

🔶現実から逃れる🔶
非行少年には、いくつかの共通した特徴がみられます。
まず、精神的に大変ひ弱なことです。中学・高校から大学あるいは職場へと、成長とともに広がっていく生活環境に、たくましく対応していけるだけの精神的な強さを持っていません。そのために、例えばシンナーを吸ったりして、現実から逃れようとするのです。
また、人との付き合い、つまり人間関係の結び方が上手でないことも、非行少年の特徴です。友達は欲しいが、つくり方を知らない。例えば、暴走族などの場合は、仲間になるには車さえあればいい。車を媒体に、ともにスピードに酔うことで一体感を味わっているのです。
とは言え、どんな方法であれ、どのような"悪友"であっても、仲間がつくれるうちはまだいい。これが、友達すらできなくなるともはや重症です。社会に適応できないという疎外感が、家族に向かって爆発する-家庭内暴力は少年非行のなかでもいちばん大きな問題を含んでいると言えるでしょう。

🔶五百万円もの小遣い🔶
わたしが扱ったケースに、親が高校生の子供に三年間で五百万円もの小遣いを与えていた例があります。毎月十万、二十万と渡していくうちに、やがて金が底をつく。子供はもっとよこせと、親に暴力を振るうようになる……。
もう一つ例を挙げましょうパケツを手にした親子づれが公園にやってきて、捕えてはいけない池のコイをすくって車で持って行ってしまった。

🔶自分さえよければ🔶
昔は、親に冷たくされたために子供が非行に走るというケースが多かったのですが、いまは逆に、甘やかしすぎる親子関係が非行の原因である場合が目立っています。
それに、先にあげた公園のコイの例にみられるような、"自分たちさえよければ…"という親たちの考え方も、少年非行を増加させている一つの背景と言えるでしょう。

🔶社会とのつながりを🔶
非行防止-何よりもまず親が、甘やかしすぎたり、自分たちさえよければといった子供に対する接し方を改めることが先決です。子供は、いつまでも"赤ん坊"ではありません。大事なことは、親も子供とともに成長することです。同時に、小さい時から、地域の子供会などに参加させるなど、社会とのつながりを持った生活を送らせるよう心掛けたいものです。

東京保護観察所次長
大石勉氏

防ごう非行助けよう立ち直り 社会を明るくする運動(7月1日~31日)

ダウンロード https://drive.google.com/file/d/1K8a2Z-YIdWm1o0xSIAWOQ7JlUz3hRQhn/view?usp=drive_link
大分類 テキスト
資料コード 008459
内容コード G000000901-0010
資料群 旧大里村広報
資料グループ 広報おおざと 第69号
ページ 6
年代区分 1980年代
キーワード 役所・役場行政広報
場所 大里
発行年月日 1983/07/15
公開日