なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

さとうきび病虫害 一斉防除実施反省

病虫害による被害は申すまでもなくすでに農家の皆様はよくご存じのとおりであります。いくら肥料を施しても虫に食われたのでは毎日の労苦も大無しになってしまいます。沖縄における気象条件からしましても年中温暖で湿度が高く、四季をとおして植物が繁茂し、病害虫の繁殖には恵まれた環境条件にあります。そのため病害虫の種類や発生量等が多く又発生期間も長いこれに伴って全琉の農薬の消費量をみますと一九六五年に五四三、六五一ドルであっだのが一九六六年には八三一、五三〇ドル三九・九七%と伸長率を示していることはいかに病害虫の発生が多いかを現わしている。沖縄の基幹作物であるサトウキビは全耕地面積の約六〇%の栽培面積を占めこの作物は、一度植付けると収穫まで一六ケ月の長期を要し、特にNCO三一〇が普及してからは株出栽培が大半を占めて連作が続いているため病害虫の発生も毎年多くなる一方であります。
本村における農薬の消費量も毎年培増する傾向で一九六七会計年度における総消費量が約一三、四〇〇ドルとなっております。村予算からも三、〇〇〇ドルの補助金と二、〇〇〇ドルの農薬を購入して一斉防除にあてて病虫害対策事業として実施したのであります。
去った六七年度は政府から日政援助による大型防除機ハイスプレーヤーを借受けしましたので従来まで一斉共同防除用として農薬を無償配布して一斉防除を実施しましたが今回は試みとして大型防除機を使用して共同一斉防除を村が実施しましたがその反響も一鳥一夕でありました。実施の経過をかえりみると、調合水が多量要するためそれに伴い水利と運搬の問題、労力面では各部落若い者は出稼ぎが多く人夫が思うように雇えず年寄りや女の出動が多かった重労働であるため無理を期たした点、農道が開通してなく一部行き届かなかった点、キビの生長するに従って時開かかゝりそれに伴い労力が多く費する等の難点はあったのであります。
効果面からみまするとたしかに村一円に徹低的に一斉防除して一〇〇%までは撲滅できないにしても大きな効果が現われていると思う住民の声を間いてみますと効果的であった。一方では効果がなかったとの声があるが農家の皆様の中には村が大型防除機で一斉防除してあげるから自分個人では防除するのは待っておこうと害虫が発生してもなん等の対策もしないで村からの一斉防除で全滅するものだと誤解をおもちな方がおりましたがこれは誤った考え方といえましょう。
キビの一般的害虫はカンシャコバネナガカメムシ(ガイダー)ガンジャワタアブラムシ、カンシャシンクイハマキ等の害虫が加害しているがこれ等の害虫は一回撤布するだけで全滅するものではなく、少なくとも二~三回は撒布しなければ安心できません、農家の皆様も毎年二~三回は撤布なさっていることだと思います。村が大型防除機によって一斉防除実施しましたことも指導的立場から又は農家の方が二~三回撒布するのを一回は村一円に村がやってあげよう試みたのであります。村がやるから待っておこうと村をたよりにする農家の皆様方の考え方からなおしてしかるべきではないでしょうか。
過去を反省して農家の皆様が農薬と病虫害に対する知識と理解を深め病虫害の被害から未然に防止し増産に邁進されんことを望みたい。
なお、過去を反省し検討を加え。農家の皆様の御期待に添うべき努力をしたいと存じます。今後とも御批判御指導を賜りたい。

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大分類 テキスト
資料コード 008459
内容コード G000000845-0008
資料群 旧大里村広報
資料グループ 役所便り大里村 第7号
ページ 2
年代区分 1960年代
キーワード 役所・役場行政広報
場所 大里
発行年月日 1967/08/01
公開日