大里村第七回定例会は去る六月十三日に開会されたが開会冒頭六七年度に於ける冝保村長の施政に対する所信。施政の方針が発表された。
開会初日は施政方針発表のあと会期を三十日までの十八日間と決め二十案件提出説明がなされた。
施政方針
一九六六年第七回定例議会を召集致しまして、諸種の議案を提出し、議決をお願いするに際し、施政の概要を申し述べたいと思います。
現年度における行政執行に当りましては、議会はもとより、村民各位の深いご理解と絶大なるご協力のお蔭で、円滑なる行政連営が進められたことに対し、深甚なる敬意を表すると共に心から感謝を申し上げる次第でございます。
本年度の追加更正予算につきましては、主として、特別交付税が確定相成りましたので、これを財源と致しまして、現在異常発生を来しました甘蔗の害虫防除対策として、農薬を補助し、生産の増進を計りたいと思います。
一九六七年度予算の産業土木につきましては
財源の範囲において、産業基本施設の改善及び補助事業を行い産業振興と相まって道路の保全につとめ交通の便を計り、文化継済の進展に努力する所存でございます。
村税制につきましては
教育委員会法の一部改正に伴い、市町村税法の一部改正が行なわれましたので、教育税にかわるべき教育費負担金や担税力を考慮致しまして、税率を改正すると共に課税客体に検討を加え、適正課税を計りたいと思います。
親子ラジオ業務運営に関しましては
有線放送の改正に伴う有線電気通信設備の経費、取扱要員の身分保障及び充分なる保全を行うための経費等の関係で、現在のような協会の業務運営では、継続がむづかしい状態でございます。
去る三月十九日付け郵政庁から村宛の文書で有線放送検査結果の通知書が参って居りますが、有線電気通信法の規定に基づく技術基準に適合していないので、設備の改善を計ると共に、業務運営については、現在の親子ラジオ協会から、村に移管するように勧告されておりまして、その後鋭意検討を続けたのでありますが、村行政の一還として公報活動の重要性をおびて居りますので勧告に応じ村に移管して業務を運営し、住民サービスに寄興したい所存でございます。
村が処理しなければならない事務或いは村が管理し及び執行しなければならない事務につきましては、
法の制定又は一部改正に伴い、法の規定にもとづきまして、それぞれの経費を計上した次第でございます。
すなわち
一つには、医療保険法の規定にもとづきまして、市町村は、被保険者とされて居りますので、これに相当する経費を計上致しまして、法の示す住民生活の安定及び保健の向上に寄与する目的を達成したいと考えます。
二つには、公務員退職年金法でございますが、公務員すなわち、常時勤務に服することを要する市町村の職員も当該各号の内に定められて居りますので、これに相当する経費を計上致しまして、公務員の退職、廃疾又は死亡に関して適切な給付を行い、公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与する目的を期したい所存でございます。
三つには、老人福祉法の制定に伴いまして、老人家庭奉仕員を設置し、身体上又は精神上の障害があって、日常生活を営むのに支障がある老人の家庭に派遣して、日常生活の世話を行わせたいと思います。又義務的規定による六五才以上の老人に対して、健康診査を行ない老人福祉法の目的達成に努力したいと思います。
近年における老令人口の増加の傾向、家族制度の変革と家族構造の変化による私的扶養の減退老人をとりまく社会環境の複雑化等によって、その生活は、極めて不安定なものとなっており、一般住民の老後の生活に対する関心もまた著しくたかまっている現状でございますが、老人が多年に亘り社会の進展に寄与してきた功労者であり、かつ程度の差はありますけれども老令に伴う身体的或いは精神的ななやみがあることに思いを致し老人の特種性に応じた施策を実施致しまして、その福祉を増進しなければならないと考える次第でございます。
教育費負担金につきましては、
一九六七年度から新しく制定される費目でございまして、これは従前の教育税を廃止して、村税に含めて徴収し、教育費負担金として区教育委員会に交付する制度に基く経費でございます。
改正制度は、教育委員会法の一部を改正する立法にもとづくのでございまして、現在極度にひっぱく状態にある教育財政をたて直す、そのためには教育税を廃止して、村税に一本化し、それに見合う教育費は、村予算に計上致しまして、不足する教育需要費は、市町村交付税で補いたいと思います。
教育財政を極度にひっ迫状態にしている理由と致しましては、一つには、教育税が法的裏づけをもってないことでございます。すなわち、教育税の賦課徴収は、市町村に委任すると、教育委貝会法第四十七条に規定しているだけで課税客体、課税標準、税率などについて法的な定めがありません。そのため市町村の税率はまちまちであります。祖税の賦課は必ず法律によらなければならないという祖税法律主義の要件にもあてはまらないのでございまして、このような法的不備が結果的に市町村問の教育財政に、不均衝を生じさせた大きい理由であると思います。
二つには、交付税制度がないのでございます。
市町村が教育税の課税対象にしている税の種類は、法的に定めがたいため市町村民税と固定資産税がその対象になっております。
将来増額が期待できない村民税や固定資産税に教育税の賦課がかたより、逆に経済伸長などで、徴収の増額が予想される事業税をその対象にしているところが少ない。附加税的な教育税が、市町村民税よりも比率が高く納税者に喜ばれない。殆んどの市町村が基準財政収入額より標準教育税がオーバーしておる状況でございます。教育費の需要額が年々増大してゆく昨今でございますが、それにひきかえ住民の負担能力が限界に来ている現状であります。市町村行政の場合は、市町村交付税法によって財政的にその運営が保証されているのでございますが、教育をつかさどる教育区に対しては、このような財政的保証がない。そこで区教育委員会の財政のゆきづまりがこれ以上どうにもならないという打解策として、教育委員会法および市町村税法等その関連立法を改正して教育財政制度の再建をはかり青少年の教育が国家百年の大計たるにかんがみ困難を克服致しまして、さらに進んでは、本土政府による教育費の大幅援助の受入れに資するため立法改正になったことは、まことに時宜をえた措置であると思います。しかしながら市町村と同一の区域、同一の住民をもった市町村、教育区を別法人とすることは、制度を従らに複雑にしているだけで、又税を賦課徴収するということと、教育行政を行なうことのつながりのない制度は、民主主義国家の制度としては、当を得たものではなく、今後改正されるべき基本問題だと思います。
教育予算につきましては
区教育委員会が教育長のご助言と各学校長のご要望を尊重し、討議を重ねられ、慎重ご審議の上見積予算を編成し、村に送付されましたので、私共と致しましても、多年の要望でありました教育委員会法の一部改正は変則的ではありますが、改正の趣旨を理解し法改正によって、私共の行政にしわよせがないように、担税力も検討し、又教育の重要性にかんがみ、教育財政の確立を計りたいと思います村将来発展のもっとも基礎をなす義務教育であり、又教育は、人格の完成をめざし、平和的、民主的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価置をたっとぴ、勤労と責任を重んじ自主的精神に充ちた心身ともに健康な日本国民の育成を期さなければならないと考えます。こと教育に関する限り、優先して教育委員会のご提出になった原案通り計上した次第でございます。
教育委員会法一部改正による村の義務につきましては
法の規定にもとずき、村の負担を伴う規則、議会に附議すべき事件をそれぞれ提案申し上げる次第でございますが、これはいずれも教育委員会の運営と教育行政の円滑を期するための案件でございますので区委貝会の原案を提出した次第であります。
吏員給改正に関しましては
給与を改善することによって生活維持の保障は勿論でありますが、有能なる職員を確保して行政事務を遂行するためにも、又職員をして、安んじて職務に専念せしめる事も、或いは、他団体との均衡保持の点からしても極めて重要な意義をもつものでございます。
今回行政府におきましては、市町村交付税法の一部改正の参考案を提出して市町村財源の均衡を図り、交付税を増額して人件費の単位費用基準額が引き上げられますので、改正法の趣旨に基いて改善することは、使用者たる者の配慮すべきことであり、又近代人事行政の要因でありまして、かかる見地から財源のゆるす限り改正したいと考える次第でございます。
以上施政の概要を申し述べた次第でございますが、諸種の法律制定、或いは一部改正に伴い、その趣旨に則りまして、円滑なる行政の運営をとおし福祉向上ににちだんの努力を払い、皆様と共に村の発展を期すべく邁進したいと思います。もりたくさんの提案でございますがよろしくご審議下さいますようお願い致します。
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1CDv3kzPDkKrFe7umZlC_PaWR_vScYrBf/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008459 |
| 内容コード | G000000843-0001 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 役所便り大里村 第5号 |
| ページ | 1 |
| 年代区分 | 1960年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1966/08/01 |
| 公開日 | ー |