大里村長 冝保安春
輝かしい一九六五年の年頭を迎えるに当り、皆様のご繁栄を心から祝福申し上げます。
旧年中は、村民各位の並々ならぬご支援とご協力を頂きまして本村の自治行政も順調に進展しつゝあることに対し衷心より厚く御礼巾し上げます。
昨年中をふりかへってみますと事業面の一つとして水道事業を企画したのでありますが幸いに理解ある政府関係当局の御好意と熱誠あふるる地元村民のご援助により、あらゆる苦難を克服しまして予定通り竣工し去った夏から通水が開始されたのであります。従来、本村は飲料水に乏しく、しかも良水佳泉に恵まれず、しばしば村の発展を阻害しまた保健衛生上にも常に脅威を感じつつあったのでありますが、今やこの上水の通水により、それらの恐怖は著しく軽減せられ、村民の日常生活は勿論学校教育にも甚大な利便をもたらして、村の発展を促すこと顕著なものがあると信じ、ご同慶に甚えません。又村自治行政は住民との直結によりその福祉向上を計り、よりよきサービスを提供もしなければならない現今の社会状勢に対処し、各部落に電話が架設されたのでありますがこれから役所との連絡をみつにすると共に防犯の強化や文化社会の向上発展に供することができれば幸いだと存じます。
去った年度における本村の財政面につきましては、自主財源が約三二%に対し依存財源。が約六八%になって居りまして、住民一人当りの税負担額が一ドル六六セントで交付税並に政府支出金をあわせて一人当り約八ドルが才入になっております。すなわち自主的財源よりも依存的な財源によって大きく運営されているのであります。
才出面につきましては、投資的な経費が約四九%で消費的な経費が五一%で前年度と比較し消費部門が約十七%の増しに対し、投資をした部門が約十九%ののびを示して居ることは、それだけ事業度も高くなったといえるのではないかと思います。
又前年度の税負担額が一人当り一ドル四五セントに対して一九六四年度は一ドル五三セントで八セントだけのびて居りますが、それだけ社会的所得すい準がのびているようであります。 本年の糖業問題については誠に多事多難で全く沖縄糖業の運命を賭す困難に遭遇した感が致します此の時に当り、ますますすべての面からコストの低減をはかり、この難関を突破し糖業の安定を計るべく農業の基本施設の整備に尚一層の努力を続けねばならないと思いますので今後共絶大なるご協力をお願い申しげます。
大里村議会議長 知念敏雄
一九六五年の新春を迎えるにあたり、七、〇〇〇村民各位に心からお慶びを申し上げますと共に、この年が皆さんにとって幸福な一年であるよう願望するものであります。
思えば戦後の窮乏の生活から二〇年、村民の一致協力と、たゆまざる精進によりまして、予想もしなかったような発展を遂げましたことは私どもの一人びとりの誠実な努力の結果が大きな力を生みだしたものであり、そこに村民の常に進んで止まない底力がなかったならば、今日の発展は到底期し得なかったものと信じております。
過ぎ去った一年を回想いたしますと変りない自然の中にも時代の変転は目まぐるしく、特に複雑な条件にある沖縄の場合、その流動も一層激しいものがあり、砂糖貿易自由化に伴い沖縄産糖全量買上げ県民大会を開催し、日本政府関係庁へ陳情団派遣、キヤラウエイ旋風のふきまわしにより農連工場合併も全農民の反対を押切って、株式に余儀なく移行されました事は村民と共に遺憾に思います。又電灯料金地域格差問題に対し、問頭解決のため数多くの会議を開催し、関係町村が立法院、行政府に幾度も折衝を続けてまいりました世の中の変動はあまりにも激しく、政治の動き、経済の消長。人心の動向はなお楽観できないものがあります。
年頭にあたり、改めて戒心し、村民の福利増進をモットーとして一層励みたいと決意を新たにするものでございます。
昨年は明暗さまざまの問題が相次いておこり、或時は歓喜にあふれ、又、悲境に苦しみ、厳しい人生の試練を経てきたのでありますが今年は更に志気を鼓舞し相互の誠意と協力によって真に幸福なゆとりのある生活が村民各位のものとなされるよう最善を尽したいと考えております、今年も明朗で快活にそれぞれの持場を守りぬいて下さい。
大里村農業協同組合長 仲里雄勝
明けましてお目出度うございます。
旧年中村民の皆様は勿論全琉の農家の皆様にとって前聞未層有な多難の年と云えましよう。
台風に変る例のキヤラウエイ旋風に見舞われ農家唯一の経済幹で有る農連製糖工場が農民全体の反対を押切って株式会社への合併を余儀なくさせられ各農協は財務の改善を強要されたので其の改善策として組合拡充三カ年計画が打出され各農協とも出資増強運動が展開されたので村組合としましても夜間を利用して各部落と懇談会を開催し増資運動を推進し皆様の御協力を得つゝある時又々吾等農民が汗水流して生産した甘蔗の自由販売権を侵害する製糖業者の打出した原料搬入区域制で有ります、これに全琉の農家の皆様が一斉に立ち上りようやく今期は中止することが出来ましたがいつ又持出すかも知れませんので、常に協力一致の体制を整え如何なる事態にも対処出来る心構えが必要かと思います。
御承知の通り貿易自由化の波は容赦なく持寄せ沖縄の糖業は重大な危機に直面し、是れを打開するため、全住民が立ち上り沖縄産糖全量買上げ、生産費保障支持価格の買上げ要請の陳情を繰返して居りますが未だ決定を見ないので有りますから、尚一層努力し目的完遂に邁進すると共に吾等農民も創意工夫して農業の合理化を計り経営の体質を改善して此の難関を切り抜けねばならないと思う。
就任して日尚浅い私は農協運営や農業経営は未熟で有りますが皆様方の御指導と御鞭撻と役職員一同の御協力によりまして組合の財務の改善や当面の諸問題を解決していく事が出来ると確信して居ります。昨年の悪条件の余韻が未だに尾を引いて居りますが役職員一同張り切って難関突破に突進して居りますから特別の御指導と御愛顧を賜り信用購買、販売各事業共、御利用下さる様御願い申し上げ皆様と共に新春を寿ぎ御多幸を祈りつゝ一九六五年を明るく暮しよい年に築き上げましよう。
| ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1iY75YbCBwFtTA4OX99k60Jm2SNh2mpF2/view?usp=drive_link |
|---|---|
| 大分類 | テキスト |
| 資料コード | 008459 |
| 内容コード | G000000838-0001 |
| 資料群 | 旧大里村広報 |
| 資料グループ | 役所便り大里村 第2号 |
| ページ | 1 |
| 年代区分 | 1960年代 |
| キーワード | 役所・役場行政広報 |
| 場所 | 大里 |
| 発行年月日 | 1965/01/15 |
| 公開日 | ー |