七月一日、青少年の深夜はいかい防止と交通安全推進町民大会が開催されました。

子ども、大人併せて二百名余りが参加。激励のあいさつのなかで宮里久雄与那原警察署長は、「東京都よりも沖縄県のほうが人口千人当たりの飲酒運転数が多い」ことを挙げていました。

意見発表の部では、佐敷中学校三年の新里慶乃さんが、意見発表を行い、会場に集まった人が目頭を押さえる光景も見られました。

大会後は、町老人福祉センターから新開地内にかけて大会参加者や吹奏楽団がパレードを行なっていました。

七月十四日には、関係者五十名余りが見守るなか、交通安全旗市町村リレー引き継ぎ式が行われました。式では、古謝景春知念村交通安全推進協議会長から津波元德佐敷町交通安全推進協議会長へ旗と知事メッセージが引き継がれました。

他にも、町内各所で、交通安全に対する啓蒙活動が行われていました。

佐敷町交通安全事故発生状況
発生件数　死者　重傷者　軽傷者
平成13年　41　1　5　43
平成14年　37　1　3　44
平成15年　46　0　2　56
平成16年　38　1　6　31
平成17年（5月末）　18　0　1　17

佐敷町飲酒運転等逮捕被疑者調べ
逮捕数　人口　人口千人当たりの逮捕数　順位（県内市町村中）
平成13年　11　11,647　0.944　6／53
平成14年　4　11,624　0.344　31／52
平成15年　3　11,635　0.258　31／52

交通事故相談所について
※電話相談もあります
・相談時間　月～金　午前8時30分～午後5時15分
・相談場所　本所
・弁護士相談（要予約）　本所　毎週木曜日（第5木曜日を除く）　午前10時～12時

本所　南部合同庁舎9階（旧沖配ビル）　866-2185

生と死を見つめて　新里慶乃
みなさん、自分の手にそっと息をふきかけてみて下さい。その手に感じるあたたかさとぬくもり。それが、あなたが生きている証拠なのです。

みなさんは、自分の命を感じていますか？あたりまえのようにある自分の命。あたりまえに生きている私達でも、そのあたりまえを今、見つめ直す必要があるのです。

私が、小学校の時です。休み時間、いつもの様に友達と遊んでいました。すると急に姉がやってきました。
「帰るよ。」
とただ一言言われ、私は訳も分からぬまま姉と歩いて家に帰りました。
「ただいま。」とドアを開けると、大勢の人が家の中に集まっていました。たくさんの人が集まっているのに、家の中は妙に静かだったのを覚えています。理由も分からない暗い雰囲気の中、私は、母に、
「なにがあったの。」
と聞いてみました。すると母は、鼻を赤くしながら言いました。
「お兄ちゃんがね、死んだの。」
意味がわかりませんでした。「死」という何度も聞きなれているはずの言葉なのに、私の頭と心はその意味を理解できませんでした。

そして、いつのまにかそうしきが終わりました。

兄は、事故死でした。バイクを運転中、カーブを曲がりきれずそのまま車にはれられたのだそうです。

兄が死んだ日。その日の夜、私はなぜだかゆっくりねむることができました。

翌朝、私は普通に起き、いつも通り学校に行く準備をしていました。でも聞こえないのです。いつものおはようの声がきこえてこないのです。その時になって涙がいっぱいあふれてきました。

兄は死んだのです。あの兄の声を二度と聞くことができないのです。私の目から、いや、私の心から涙はあふれて止まることはありませんでした。

その日私は、学校を休みました。その夜は、ねむろうとしても、全くねむれませんでした。兄が死んだことが、あたりまえのようにそこにありました。次の日も、その次の日も、これから先ずっと兄のいない日々が私をまっているのです。命が一つ消えたことが、私の心に大きな悲しみを生みました。

兄の死から数日後、いとこに男の子の赤ちゃんが生まれました。兄の死をひきずったまま、私は赤ちゃんを見に行きました。扉をあけるとそこには、思いっきり泣く赤ちゃんの姿がありました。小さな手、小さな顔。まるで大きな光をはなっているようでした。そこには、命があったのです。あふれでて、輝いてる命があったのです。とてもうれしくて涙が出てきました。死んでいく命。生まれてくる命。その二つを私は感じたのです。

だから私はみんなに伝えたい。あたりまえに生きることがどれだけすばらしいことなのかを。

一つの死からたくさんの悲しみが生まれます。でも、一つの生からはたくさんの喜びが生まれるのです。

手に感じるぬくもり。胸に感じる鼓動。この命の証を大切に、私は生きよう。

なにがなんでも、自分の力で生きぬいていこう。

私の命から生まれるよころびのために。

第五十五回沖縄県意見発表会（最優秀賞）
第十四回島尻地区意見発表大会（最優秀賞）

（平成十六年）