なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

平成17年度 施政方針

はじめに
本日ここに、第一八九回佐敷町議会定例会の開会にあたり、平成十七年度予算案をはじめ諸議案のご審議をいただくのに先立ちまして、町政運営の基本的な考え方について、私の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご協力をお願いする次第であります。

さて、同時多発テロ以降、世界各地での地域紛争が続き、無差別テロは国際的に広がる傾向さえ見られます。これを受け、米国は、世界的規模で米軍再編を進めており、沖縄を含む在日米軍基地の再編についての協議も進められているところであります。また、アジアにおいても、治安情勢は依然として厳しく、北朝鮮問題を話し合う六カ国協議も先行きが不透明な状況にあります。

我が国の最近の経済動向は、輸出や生産など一部に弱い動きが見られ、このところ回復が緩やかになっており、いわゆる踊り場にさしかかっていると言われています。一方、本県経済は、観光と個人消費が順調に推移するなど、緩やかな回復が続いていますが、雇用情勢は依然厳しく、雇用の確保が大きな課題となっています。

また、国と地方の関係については、地方分権や三位一体改革、道州制の議論など新たな動きが進んでおり、地域の知恵と創意工夫をまちづくりに活かす主体的な取り組みがますます重要となっております。

平成十七年度の本町の一般会計予算は、約三十八億八百万円で前年度マイナス六・五%の緊縮型となりましたが、基金を大幅に取り崩さざるを得ない厳しい財政状況にあります。このため、行財政改革を強力に推進し、人件費の削減、補助金・負担金の削減等で経費の節減を図り、真に必要な事業の重点化を図ってまいりました。今後、更なる歳出削減や行財政運営の一層の効率化について、引き続き議会や町民の皆様のご理解をいただきながら取り組んでまいりたいと考えております。

また、これからの行政運営は、多様な行政ニーズに対応するため、従来にも増して地域課題に対応できる政策形成能力が問われるとともに、行政まかせではない住民との協働による開かれた町政が求められております。そのためには、積極的な情報公開・提供によって、町の情報と政策課題を共有して理解を求め、行政が成すべきことや住民に協力を求めることを明確にした中で、真の住民と協働のまちづくりを目指していかなければならないと思っております。

そうした意味で、平成十七年度は「協働と改革」をキーワードに、職員の資質向上を図るとともに、町民の知恵と工夫により将来に希望の持てるまちづくりにまい進してまいりたいと考えております。

基本施策
私は、平成五年九月の町長就任以来十一年余にわたり、常に町民の目線で考え、より多くの町民が行政に参画できる「対話の行政」を基本としつつ、人と自然が調和した活力ある佐敷町の実現に向け、総合計画を指針として町政運営に当たってまいりました。特に、町民の生活水準の向上を念頭におき、町民一人ひとりが生きがいを享受できる住みよいまちづくりの礎を築くため、農林水産業基盤の整備や商工業の振興、生活環境の改善、健康・福祉の充実、教育・文化の振興など各面にわたっての基盤づくりに全力で取り組んでまいりました。

その結果、一定の成果をあげましたことは、ひとえに議員各位、町民及び関係者の皆様のお力添えのたまものと、心から深く感謝申し上げます。

さて、国及び地方の財政危機は、本町でも予想を上回る深刻な影響が出始めています。このような状況下でその困難を克服して行政サービスを維持していくためには、行政まかせの町政のあり方では到底対応は困難であります。行政が所管すべき仕事と住民が担うべき役割を明確にし、それぞれが責務を果たしながら、共に手を取り合ってまちづくりを進める必要があります。改革に痛みは伴いますが、英知を集め、創意と工夫を凝らしながら行財政の効率化を図り、住民サービスの維持・向上に努めてまいります。

議員各位、町民の皆さんのご支援のもと町政も着実な歩みを続けていますが、新たな時代のまちづくりにとって、マリンタウンプロジェクト、南部東道路の推進など、幾多の課題が残されていることもまた事実であります。

私は、「町民参加」「公正・公平」「対話と協調」「思いやり」を基調に課題解決に努め、地方分権の進展に耐えうる足腰の強い自治体づくりに取り組んでまいります。そこで、町政の運営にあたっては、平和憲法の理念を尊重しつつ、地方自治の本旨をふまえ次の三点を基本姿勢に全力を尽くしてまいります。

一 産業を振興し、住みよい生活環境の整備を図り、町民に夢と希望を与える明るいまちづくりを目指します。

一 自然を大切にし、教育、文化の向上を図り、人間的なふれあいと潤いのあるまちづくりを目指します。

一 健康と福祉を大事にし、思いやりとやすらぎのある平和なまちづくりを目指します。

私は、引き続きこの基本姿勢を堅持し、住んでいることに誇りと希望の持てるまちの実現に向け努力していく決意であります。

ところで、町民参加のまちづくりを進めるためには、行政が持っている情報を正しく提供し、行政と町民が共通の認識に立つことが必要です。そのため、個人情報の保護についても適切に対応しながら、広報・広聴活動の充実に努めてまいります。

また、行政の効果的な運営を進め、行政課題に的確に対応するため、平成十七年度は、「水道課」に都市計画課の下水道事業を移管して(仮称)「上下水道課」とし、「建設課」と「都市計画課」を統合して(仮称)「都市建設課」を設置いたします。さらに、健康課の環境業務を住民課へ移管し、健康課の精神衛生業務(「あゆみ会」を除く)と乳幼児医療費助成事業は福祉課へ移してまいります。

さらに、職員の定数管理につきましては、平成十七年度の職員採用は見送り、定数条例より六名を減ずることとし、臨時職員や嘱託職員等も大幅に削減してまいります。なお、二十年以上勤続者の退職時一号の特別昇給は、平成十七年一月一日をもって廃止いたしました。

町税、国民健康保険税、保育料などの自主財源の確保につきましては、横の連携を密にして収納体制を強化するとともに、専門研修や市町村アカデミー研修へ職員を派遣してまいります。併せて、さわやか窓口運動を推進し、親切丁寧な住民サービスの提供に努めてまいります。

学校教育につきましては、生きる力と思いやりを育む教育の充実に努めるとともに、学校・家庭・地域が連携しながら安全で開かれた学校づくりを推進し、子どもたちへの地域活動教育の展開を図ってまいります。

また、私の公約であり、父母や議会からも要望のありました町立児童館につきましては、町
公共施設配置審議会の答申を受け、シュガーホール駐車場内に(仮称)「シュガーホール児童センター」を設置してまいります。

さて、昨年十二月には、新市の事務所の位置の問題で協議がまとまらず佐知城与の合併協議会が解散するという残念な結果となりましたが、去る二月二十八日には、佐敷町、知念村、玉城村、大里村合併協議会が設置され、新たな枠組みでの合併協議が本格的に始まりました。私は、これからの地方分権の推進、少子高齢化の進展や財政状況などを考えた場合、町村合併により、行財政基盤をしっかりとしたものにしていく必要があると思っております。また、この四町村の合併は、今後の島尻東地域の発展のためにも、ぜひとも実現させなければならないと決意しております。大変厳しいスケジュールではありますが、四町村それぞれの特性を十分に理解し、尊重し合いながら、平成十八年一月の合併実現に向け全力で取り組んでまいります。

本町の行財政運営の基本施策は、「希望と活力に満ちたまちづくり」、「元気で豊かな心を育むまちづくり」、「安全・安心で快適なまちづくり」、「安らぎと思いやりのまちづくり」であります。町村合併を控え、まさに歴史的転換期にありますが、私は、佐敷人の誇りと気概を失うことなく、皆さんとともにこの地域の生き残りをかけて、未来に希望の持てる行政運営に全力で取り組んでまいります。

一、希望と活力に満ちたまちづくり
希望と活力に満ちたまちづくりを行うためには、経済復興と社会資本の整備充実が鍵を握ります。農林水産業の発展はもちろんのこと、商工業振興、上下水道や基幹道路の整備を関係機関と密接に連携をとりながら推進してまいります。

町の基幹産業である農業の振興につきましては、農業基盤の整備と集落地内の生活環境整備を図るため、農村振興総合整備事業を継続して実施し、農道整備、農業排水整備、集落道整備、集落排水整備等を行ってまいります。土砂崩壊による災害を未然に防止するため、見謝原地区における団体営ため池等整備事業を継続して行い、農用地の保全を図ってまいります。また、農業生産基盤の整備を図るため県営一般農道整備事業を継続し、ほ場整備地区内の農道舗装等を実施するとともに、県営かんがい排水事業で排水路の整備を推進してまいります。さらに、斜面緑地につきましては、流域公益保全林整備事業を継続して行い、良好な森林環境の保全に努めてまいります。

高齢化、後継者不足など農家を取り巻く環境は厳しいものがありますが、基幹作物であるさとうきびを中心に果樹や花卉、野菜等の生産技術や経営管理能力の向上を図るため関係機関と連携をしながら農業振興に取り組んでまいります。

農業経営に必要不可欠な農業用水につきましては、これまで、佐敷、新里、小谷、伊原、兼久、津波古地区で営農用水施設を整備してまいりました。今後とも関係機関と連携しながら、既存の施設を含めた全町的な水質源の確保について検討してまいります。

畜産業につきましては、昨年町内から県共進会で優秀賞が出るなど、畜産農家の経営力向上がうかがえます。引き続き予防接種事業や飼育指導等を活用し、足腰の強い畜産農家を育成するとともに、家畜排出物の適切な管理、指導に努めてまいります。

活力ある地域振興を目指すため、商工会と連携しながら、経営基盤の強化と近代化を図り、商工業の振興を図ってまいります。

水産業につきましては、漁業組合や関係機関と連携を深めながら諸問題の解決に向けて話し合いを持ち漁業経営の活性化に努めてまいります。

南部東道路につきましては、佐敷・知念・玉城・大里地域にとって合併後の基幹道路ともなるため、関係機関と連携してその早期実現に努力してまいります。

新たな時代に対応した特色ある「みなと・海辺のまちづくり」を目指して、今後とも国、県及び関係機関との連携を密にしながら、マリンタウンプロジェクト(佐敷東地区)の実現に向け取り組んでまいります。

二、元気で豊かな心を育むまちづくり
「まちづくりは、人づくりから」を基本に、家庭や学校、地域社会が密接にかかわりながら、子どもから高齢者まですべての人が個性と創造性を磨き、ともに学び成長する地域社会を目指してまいります。

佐敷幼稚園においては、働く女性の子育て支援を推進するため「預かり保育」を継続して実施するとともに、浄化槽の改修、園舎ひさしの修繕など、安全で快適な園内環境の整備に努めてまいります。

学校教育につきましては、新学習指導要領に基づき、児童生徒一人ひとりに基礎・基本の定着を図るとともに、やさしい心、思いやりの心を養うことができる児童生徒の健全育成に努めてまいります。

今、児童生徒の「学ぼうとする力」や「学ぶ力」にも重点を置いた指導の展開と教職員の意識改革が求められています。このため、教科時間数を確保し「生きる力」が育成されるよう、平成十七年度より、町内幼稚園、小・中学校において「二学期制」を導入いたします。

小学校における職場見学、中学校における職場体験学習を引き続き実施しキャリア教育を推進するとともに、児童生徒の不登校をなくすため、小、中学校とも全校あげて豊かな心の育成と楽しい学校づくりを推進します。また、外国人英語教師を各学校に継続して配置し、国際理解教育の充実に努めてまいります。

青少年の問題行動の深刻化に伴い、地域や家庭の教育力を高めるため、「地域子ども教室推進事業」を継続してまいります。地域人材を活用し、子どもたちの放課後、週末におけるスポーツや文化活動などの様々な体験活動や、地域住民との交流活動等を支援してまいります。また、親と子のふれあいを目的に、乳幼児をもつ保護者の方を対象とした絵本の読み聞かせ講座等を行い、「ブックスタート事業」開始のための環境づくりに努めます。

近年、子どもの体力・運動能力は低下傾向にあります。このため、文部科学省より3年間の委嘱を受けて「子どもの体力向上実践事業」を推進し、小学生の体力・運動能力の向上と望ましい生活習慣の形成を図ってまいります。

生涯学習の振興につきましては、文化センターを拠点に、各種生涯学習講座・教室等の内容の充実を図り、町民の学習意欲に応えるとともに、サークル活動の自立支援に努めてまいります。

町民の多様なスポーツニーズに応えるため、スポレクセンター等のさらなる利活用を図ってまいります。また、昨年誕生した「さしきスポーツクラブ」の活動を支援し、仲間づくりと町民の健康増進を図ってまいります。

「第四回尚巴志ハーフマラソン in Sashiki」を、町民はじめ内外の多くの関係者、企業の皆さんのご協力のもと開催し、町のイメージアップと南部東地域の活性化につなげてまいります。

内外で高い評価を受けているシュガーホールにおいては、地域に根ざした特色ある文化・芸術活動を継続してまいります。特に平成十七年度は、町民と専門家の協働による第三回町民ミュージカルの公演をはじめ、財団法人地域創造との共催で生の演奏を親しみのあるプログラムで提供する「公共ホール音楽活性化事業」などを行い、町民文化の向上に努めてまいります。また、障害者や高齢者の方々でも利用しやすい文化センターを目指すため、正面及び東側スロープ階段の改修など施設のバリアフリー化を図ってまいります。

情報化の推進につきましては、個人情報保護の観点から情報漏えい防止策を徹底し、全庁体制で住民のプライバシー保護に努めるとともに、ホームページの充実を図ってまいります。

文化財の保護活用につきましては、尚巴志の居城として知られる佐敷上グスクの県・国指定に向け、範囲確認調査を引き続き実施するとともに、「佐敷の方言集」を発刊し、次代を担う子どもたちの学習用教材として活用してまいります。

男女共同参画につきましては、男女共同参画行動計画「とんとんみープラン」を全庁体制で推進し、女性と男性が互いに尊重し責任も分かちあい、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画の実現を目指してまいります。

世界の恒久平和が希求される中、今なお世界各地で地域紛争や無差別テロなど憂慮すべき現実があることは残念でなりません。また、終戦から六十年を迎えた今日でも、沖縄には米軍基地が過度に集中し、痛ましい事故が絶えることがありません。戦後六十年を機に、地域や家庭、学校等において平和について考える機会をもち、平和な社会づくりに努力してまいります。

三、安全・安心で快適なまちづくり
誰もが安全で安心して生活できる快適なまちづくりは、町政における主要な課題の一つであります。町では、自然との調和を基調としながら、町民、関係機関の協力を得て、年次的に生活環境の整備に努力してまいりました。今後とも、地域のニーズを総合的に判断しながら、生活環境の整備に努めてまいります。

町道整備につきましては、平成十六年度で完了を予定しておりました浜之端連絡線道路改築事業が、物件補償で難航したことにより平成十七年度に完了予定となりました。道路は住民生活の根幹であることから、早期解決に向けて努力してまいります。また、仲伊保冨祖崎線、小谷真謝線、丸井工場線につきましても、円滑に事業が執行できるよう努めてまいります。

基地上流から流出する雨水等による浸食を防止するための、知念分屯基地周辺障害防止対策事業につきましては、排水路整備に向けて取り組んでまいります。

台風の度に砂礫が堆積する仲伊保地内の排水溝につきましては、地元や県と協議、連携しながら護岸整備事業を通して改修が実現できるよう努力してまいります。また、津波古地内の排水溝につきましても、港湾計画の見直し等を通してその改修に取り組んでまいります。

上水道につきましては、良質な水を供給するため、水の安定的な確保と給水を図る目的で年次的・計画的に整備してまいりました。引き続き配水管敷設や改良を実施し、赤水対策や漏水防止対策に努めてまいります。

平成十六年度から津波古、新開地区において共用開始された公共下水道につきましては、平成十七年度は馬天小学校・新開公園・津波古児童公園の公共下水道への接続を行うとともに、引き続き対象地区住民への啓蒙普及に取り組み、川や海の自然環境に優しいまちづくりを推進してまいります。

環境問題につきましては、身近にできる温暖化対策を広報紙等により啓蒙してまいります。また、ゴミの減量化についても、ゴミの分別の徹底、生ゴミの自己処理奨励金の活用、フリーマーケットの実施などにより、ゴミの発生を抑える(リデュース)、再資源化する(リサイクル)、再利用する(リユース)の3R運動を展開してまいります。

交通安全対策につきましては、交通安全推進協議会や関係機関と連携をとりながら、交通安全に対する啓蒙活動を行い、町民一人ひとりの自覚を促してまいります。また、毎月一日と季節毎の街頭指導を引き続き実施し、交通事故の減少、死亡事故ゼロを目標に努力してまいります。

地域防災につきましては、平成十六年度に町内六カ所に災害時避難所標識板を設置いたしました。平成十七年度においても新たに六カ所に設置し、災害時における円滑な避難誘導と日頃からの地域住民に対する防災意識の高揚を図ってまいります。

暗闇での事件・事故、ハブ咬傷等を防止するため集落内に設置している防犯灯につきましては、引き続き地域と連携して点検整備を行うとともに、平成十七年度は、町内一〇カ所に新たに防犯灯を設置し、防犯対策に努めてまいります。

四、安らぎと思いやりのまちづくり
町民一人ひとりが安らぎと思いやりを実感できる「福寿のまち・佐敷」の実現を目指し、健康福祉分野のさらなる充実を図ってまいります。

特に平成十七年度は、児童福祉分野の主要事業として、子どもに健全な遊びを提供して、その心身の健康を増進し情操を豊かにすることを目的に、佐敷小学校校区(シュガーホール駐車場内)へ町立児童館を設置いたします。子どもたちが安全で楽しく過ごせる施設となるよう保護者や関係者、専門家の意見も十分お聞きしながら建設に取り組んでまいります。

児童手当につきましては、昨年度より支給年齢が小学校三学年修了時まで引き上げられましたが、これを引き続き実施し、家庭生活の安定に取り組んでまいります。

また、親にとって少しでも働きやすい環境を提供するため、平成十七年度は町立保育所における延長保育を実施するとともに、「佐敷町次世代育成行動計画」に基づき、少子化対策の子育てを総合的に支援してまいります。併せて、新すこやか保育事業、ゼロ歳児保育、放課後児童対策事業、特別保育事業を引き続き実施し、子育て環境の充実と子どもたちの健やかな成長を図ってまいります。

介護保険制度につきましては、沖縄県介護保険広域連合とともに、今後も制度の円滑な運営を行うため、要介護認定の公平、公正化並びに介護サービスの適正利用に努めてまいります。また、予防介護を目的とした平成十八年の介護保険制度の改正に向けて、老人福祉、老人保健分野と連携し、「老人保健福祉・介護保険事業計画」の策定に取り組んでまいります。

高齢者福祉につきましては、老人福祉センターや公民館を拠点とした生きがい活動支援通所事業(ミニデイサービス)を継続し、在宅の高齢者の生きがいと社会参加を促進してまいります。

利用者の多様化する需要に応えるため、「食」の自立支援事業、ふれあいのまちづくり事業、外出支援サービス事業等の町社会福祉協議会への委託を継続してまいります。

障害者福祉につきましては、障害者の自立と社会参加を促すため、「支援費制度」を継続し、多様なニーズに応えてまいります。また、「共同作業所さしき」につきましては、障害者の方々の就労の場や積極的な社会参加を促進する拠点であり、引き続き地域や関係機関と連携を深めながら支援してまいります。

母子・父子福祉につきましては、母子及び父子家庭への医療費助成事業を継続し、生活の安定と自立を支援してまいります。また、引き続き乳幼児医療費助成事業を実施し、子育てに対する環境の向上に努めてまいります。

世代間の支えあいを基本に老後の安定した生活を守るために大切な役割を担っている国民年金につきましては、広報活動を推進し、年金未加入者の発生防止に取り組んでまいります。

「健康」は町政運営の柱の一つです。今後とも、各種補助事業を有効に活用し、町民のご理解とご協力のもと健康づくり事業に力を入れてまいります。国保ヘルスアップモデル事業につきましては、健康教室の開催、昨年度健康教室に参加された方のフォローアップ、また、時間がとれない方のために通信教育を実施し、多くの方に健康づくりへ参加いただけるよう取り組んでまいります。

健全な国保財運営のため、介護保険部門や保健、福祉活動とも連携して日常的な健康管理による予防の徹底に取り組んでまいります。また、徴収体制を強化し、保険税収納率の向上を図ってまいります。

おわりに
平成十六年度も、議員各位をはじめ町民の皆様の温かいご支援、ご協力を賜りまして、諸事業が順調に進展いたしましたことに対し、心より厚くお礼申し上げます。

三回目を迎えた尚巴志ハーフマラソン大会は、五千名余りのランナーが参加し大きな盛り上がりを見せました。多くの人たちの汗と真心に支えられた本大会は、南部東地域の大型イベントとして更なる発展が期待されています。また、同時開催された尚巴志まつりは、多くの参加者で熱気にあふれ、自治会一芸大会や町民音楽祭、ライブ演奏などを通じて活発な交流が図られました。

地域に根ざした取組みで第一回JAFRAアワード(総務大臣賞)を受賞するなど、高い評価を受けたシュガーホールでは、十六年度も多彩な催しが展開されました。中でも、二月二十七日に開かれた「町民音楽祭」は、町内中学生・高校生ダンスユニットと日本舞踏の競演、さしきウインドアンサンブル誕生コンサートなど、子どもたちと内外で活躍するアーティストとの競演が話題を集め、賞賛の拍手が送られていました。この日の舞台では、第二回佐敷町まちなみ緑化表彰式も行われ、花と緑に包まれた潤いある環境づくりをアピールしました。また、ゴミの資源化、リサイクル化を図り、環境問題への関心を高めるため開催された第七回フリーマーケットは、多くの参加者で賑わいました。

さて、本年は、佐敷町にとりまして新たな発展の跳躍台となる正念場の年であり、ターニングポイントの年になってまいります。町村合併によって、新たな自治体が誕生しようとも、この佐敷の地域は存続し、町民の皆さんがこの地においてこれからも生活を営み続けることは普遍の事実であります。

ご案内のように、佐敷町は、琉球史にさん然と輝く英雄・尚巴志王ゆかりの故郷であり、長い歴史と伝統、豊かな自然と文化が息づく町です。私たちに課せられた責務は、先人の知恵に学び、この地域への思い入れ、地域に対する自信といったものを今一度しっかりと見つめなおし、後世にこのすばらしい故郷を責任を持って引き継いでいくことであると認識しております。

以上、町政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただきました。私の任期も本年九月十六日までとなりますが、私としては残された期間、さらに気を引き締め、行政課題に的確に対処すべく全精力を傾注してまいる所存であります。

ここに、議員各位と町民の皆様のさらなるご理解とご協力を切にお願い申し上げまして、私の施政方針とさせていただきます。

平成十七年度三月十一日
佐敷町長 津波元德

ダウンロード https://drive.google.com/file/d/1HAS_Id3MY_v4gDLitAWdiaP31poWp7xi/view?usp=drive_link
大分類 テキスト
資料コード 008458
内容コード G000000825-0011
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第333号(2005年4月)
ページ 7-10
年代区分 2000年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 2005/04/10
公開日 2025/01/20