なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

めざせ健康・さしきんちゅ こどもの睡眠について

今回は子どもの睡眠についてお話をしたいと思います。食事と同じように人間になくてはならない「睡眠」。
大人にも子どもにも大切な睡眠・・・
特に成長、発達途中の子どもの睡眠や生活リズムについて今一度、考える機会であればいいなと思います。

人の体内時計は25時間?
私たちが知っている地球時間は24時間周期です。でも大人や子どもの体内時計は25時間と言われています。ではどこでその1時間のずれを修正しているのか・・・リセットするための要素は「朝の光」「食事」「生活環境」です。この3要素で3か月の赤ちゃんも私たち大人も24時間に調整する作業をしています。
「眠る」もただ眠れば良いのではなく、睡眠不足を感じたら、次の日は早起きして昼間は活動し、その日の夜は早く寝る「早起き早寝」を心がけてみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんはなぜ夜泣きをするのか?
生後1、2か月の赤ちゃんは地球時間を探っている状態です。大人に比べて、睡眠の深さも違います。大人の睡眠周期は90分です。赤ちゃんは40分~50分と短めです。赤ちゃんは夜になったら寝るものと考え、眠らない子どもを心配する保護者の方がいます。心配しないで下さい。地球時間を探すために成長をしています。焦らずに「成長しているんだ」と気持ちを大きく持ちましょう。でも泣いたからといって電気を付け明るくしないで下さい。寝付くまで一緒に横になる事が大切です。明るくにぎやかな夜の光や、暗く静かな昼では赤ちゃんは地球時間を誤解してしまいます。それでも夜寝てくれない子どもは昼間おもいっきり太陽の下で遊ばせてあげてください。夜にぐっすり眠ることでしょう。

「寝る子は育つ」の根拠
子どもが寝ている間に出てくるホルモンがあります。「成長ホルモン」と「メラトニン」です。
成長ホルモンは骨を伸ばし、筋肉を増やし、傷んだ組織の修復をします。眠らないと子どもは大きくなれません。でも、眠らないからといって全く成長ホルモンが出ないわけではありません。
またメラトニンは眠気を起こし酸素の毒性から身体を守ります。また老化防止や抗がん作用もあることも分かっています。朝起きて、15~16時間後に分泌され、明るいとメラトニンは分泌が減ります。一生のうちで幼児期に多く出るメラトニンです。夜は暗くして早めに眠るようにしたいものですね。

遅寝早起き?
3歳児検診における睡眠の状況を示してみました。佐敷町、沖縄県を全国と比べると22時、23時台に寝ていることが分かります。(図1)また起きる時間(図2)を見てみると、7時台が6割を占めています。このことから「遅寝早起き」という事がわかります。睡眠時間は8~9時間(図3)ということになります。乳幼児にとっては不足気味です。個人差もありますが、乳幼児にとって10~12時間くらいの睡眠が心身ともに安定した睡眠時間です。

早起きにチャレンジしてみよう!!
遅寝がもたらす影響は様々です。①睡眠不足になる。②心身の成長を妨げる。③生活リズムが乱れる。④感情コントールが困難になる。⑤食習慣が乱れる。⑥メラトニンの分泌が減る。などなどです。睡眠は脳にも身体にも影響を及ぼします。
子どもの頃からの生活習慣が大人になっても続きます。睡眠不足で高血圧や糖尿病、肥満も発症することも言われています。
今日からすぐに早寝は出来ないと言う方は「早起きして朝の光のシャワー」にチャレンジしてみませんか。(保健師 田口芳子)

ダウンロード https://drive.google.com/file/d/1vrw5xDCyd44OU4eALNeE4Std9oKUGQ5m/view?usp=drive_link
大分類 テキスト
資料コード 008457
内容コード G000000817-0012
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第329号(2004年12月)
ページ 14
年代区分 2000年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 2004/12/10
公開日 2025/01/20