「こころの病」というと、何かしら特別な病気だと思っていませんか?
しかし、「こころの病」は、眠れない、緊張する、イライラする・・そんな日常生活でのありふれたストレスに、環境などの複雑な要因が絡み合うことで発症します。
今回は、こころの病の一つである「統合失調症」について考えてみたいと思います。
「統合失調症」は、以前は「精神分裂病」と呼ばれ、原因不明の病気であると言われていました。
しかし現在では、脳神経の働きが活発になりすぎて、「オーバーヒートした状態」であると考えられています。
人間は、様々な情報を取り入れ、脳の中で整理し、思考や行動を「統合」します。この働きが何かの拍子に不調を来たすと、幻聴(周りの人には聞こえない声や音が聞こえる)、妄想(真実ではないことを信じ込む)等の症状が表れます。症状は人により様々ですが、適切な治療・リハビリを行うことで、社会生活を送ることができます。
誰でもかかる?
「めったにない病気」「もう治らない」「何をするかわからない」等というのは大きな誤解です。
統合失調症は、成人の百人に一人弱の割合でかかり、高血圧、糖尿病などのように「ありふれた病気」の一つなのです。ストレスの多い現代社会。いつ誰がかかってもおかしくないのです。
事件の報道等で「通院歴」や「精神障害」という言葉だけが一人歩きしています。しかし刑事犯として検挙された、こころの病を持つ方の約7割は一度も治療を受けたことがない、または通院を止めてしまっている人です。
多くの患者さんはきちんと治療を受け、個人差はありますが、徐々に回復に向かうことができます。その為にも、家族をはじめ、より多くの方が病気に対する正しい知識を持ち、「思い込み」を修正していくことが大切です。
地域での生活を!
こころの病を持っていても、他の病気と同じように、病状が落ち着けば、家で暮らすことができます。その際には、福祉・保健サービスが利用できますので、ここで紹介しますね。
佐敷町では・・・
①デイケア「あゆみ会」
こころの病をお持ちの方を対象に毎月1回行っています。生活リズムの確立や仲間作りを通して、社会参加・社会復帰を目指しています。浜下り・陶芸など楽しく活動しています。
②家族の集い
こころの病を持つ家族の方の家族同士の交流会です。
毎月1回、4町村(佐敷町・知念村・玉城村・与那原町)合同で行っています。
家族にしか分からない悩み、喜び等、お互いの悩み、体験を皆で語り合ってみませんか?
③電話相談・訪問
誰も分かってくれない、聞いてくれない、その思いを言葉にすることで気持ちが楽になることもあります。一人で、また家族だけで抱えずに、保健師に相談してみませんか?
この他に利用できる施設・機関としては以下のものが有りますので参考にして下さいね!
・地域生活支援センターてるしの 888・5658
・南部福祉保健所 889・6351
・沖縄県総合精神保健福祉センター 888・1443
・南部断酒会 889・6351
・南部断酒会家族たんぽぽ 889・6351
・精神科救急医療情報センター 889・8893
多くの方が自分らしく、より充実した生活を送れますように!
(保健師 野原百合子)
ダウンロード | https://drive.google.com/file/d/1mlGv7Y14TDPyCfjUlSqMypEPnvqZDD5e/view?usp=drive_link |
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008457 |
内容コード | G000000816-0021 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第328号(2004年11月) |
ページ | 11 |
年代区分 | 2000年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 2004/11/10 |
公開日 | 2025/01/20 |