私の身体を考えるシリーズ第1弾「野放し肥満天国!」
「反響がありました。」
先月号からシリーズでお伝えしています「肥満と生活習慣を考える」ですが、住民の皆様
からの反響もあり、読んで考えて下さっているという喜びでいっぱいです。
さて、先月号で車社会による運動不足や高脂肪食の内容に「うちあたいした!」、「食べ
たらダメなのか?」という声もありました。そこで今回は栄養(特に脂質)の視点からお
伝えしたいと思います。
「脂質さん、あなたはなくてはならない存在」
栄養素には大きく3つに分けることができます。たんぱく質、脂質、糖質です。
脂質という栄養素は身体にとって、なくてはならない栄養素の1つです。その働きは『①
身体の中に脂肪という形でエネルギーを貯蓄する。②細胞膜を作る材料。※③ステロイド
ホルモンを作る材料』として機能しています。
脂質が悪者なのではありません。食べたらダメだという食物も何1つありません。食事は
美味しく楽しく摂りたいものです。
30年前から始まっていた?『26ショック!』
さて、図1をご覧下さい。
エネルギー量に占めるたんぱく質、脂質、糖質の摂取構成比を表しています。ここで注目
して欲しいのは脂質の量(F)です。20歳以上の脂質理想摂取率は全摂取量の20~25%と
なっています。
沖縄県では昭和47年(26.5%)以降、脂質の量は増加傾向を示しています。そして、平
成10年には、必要摂取量を4.7%超えて31%となっています。
ちなみに平成10年全国平均では、26.3%を示し、30年前の沖縄県よりも低い値です。怖
いですね。沖縄県では30年前から『26ショック』が始まっていたのです(男性の平均寿命
が26位へ転落)。
図1のグラフ右側、1日のカロリー摂取量をご覧下さい。
昭和47年からカロリー摂取量は年々減少傾向にあります。
でも、脂肪の摂取率は増えてきています。余った脂質は脂肪という形で貯蓄されています
。
子ども達もあぶない?!
図2をご覧下さい。ここでは、年齢階級別の構成比を表しています。
注目して欲しいのは18歳未満の脂質の量です。18歳未満での脂質の理想摂取率は全摂取率
の25~30%となっています。特に、1~6歳では34%と高率になっています。この年齢の子
ども達は自分で食事を作ったり、買ったりして口にすることが少ないですね。
親として子どもにも考えて食事をあげたいものです。
同じく長寿を保っている80歳以上の摂取構成比をご覧下さい。バランスが取れていること
が分かります。
じゃこれからどうしようか?
目標値に近い栄養素を摂取し、脂質を多く含む食品を見直し、工夫をしていきたいもので
す。
皆さんのお役に立てるように、これからじっくりと栄養について伝えていきたいと思いま
す。
現在、老人福祉センターにおいて、住民検診を実施いたしております。脂質の気になるあ
なた、住民検診の場で詳しくお尋ね下さい。多くの皆様のお越しをお待ちしています。
(嘱託栄養士知念久美枝)
ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=1QG5pEEWqUxklWkWZ7olMwtP6JXd_o52T |
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008456 |
内容コード | G000000793-0010 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第309号(2003年4月) |
ページ | 10 |
年代区分 | 2000年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 2003/04/10 |
公開日 | 2023/12/18 |