はじめに…
本日、第174回佐敷町議会定例会の開会にあたり、平成15年度予算案並びに関連諸議案のご
審議をお願いするに際しまして、私はここに、町政運営に臨む所信を明らかにし、議員各位
並びに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
世界各地において無差別テロ事件が続発する中で、核兵器をはじめとする大量破壊兵器の
拡散防止がテロ防止の観点からも国際社会の緊急の課題となっております。
県内経済は、観光関連などで一部改善の兆しは見られるものの、雇用・所得環境は予断を許
さない局面にあると認識しております。
今後も、行財政改革を積極的に推進し、事務事業の見直しや計画的・効率的な執行など創意
工夫に努める中で財源の確保を図り、時代の要請に即した施策を展開してまいります。
地方分権、市町村合併の進展など、今、時代は大きな変革期に差し掛かっております。このた
め、町自らも、これからの数年間を町政の改革期間と位置づけ、「創造と信頼の町政」の確立
に向けて、組織改革や財政改革を押し進めてまいります。
平成15年度は「改革と創造」をキーワードに、町民が心から誇れるまちづくりに全力で取り
組んでまいりたいと考えております。
基本施策
私は、町長に就任以来今日まで、常に民意を反映し、公正で公平な町民に分かりやすい町政
の実現に取り組んでまいりました。この間、社会情勢の変化と多様高度化する行政ニーズに
対応すべく、町民のくらしに視点をおいたまちづくりに努めてまいりました。
今後、地方分権や市町村合併、行財政改革、環境問題への対応等、市町村の行政能力が本格的
に問われることとなり、より効果的・効率的な行政サービスの提供体制の確立が求められて
おります。
私は、町民本位の開かれた行政運営を基本理念に、これまで町勢の発展に努めてまいりまし
た。しかしながら、マリンタウンプロジェクト、南部東道路の推進など、新時代を拓く佐敷の
まちづくりにとって多くの課題が残されていることもまた事実であります。
私は、常に初心を忘れることなく、「町民参加」「公正・公平」「対話と協調」そして「思いやり」
を基軸に、分権の時代にふさわしい町民主体の町政運営を推進してまいります。
そこで、町政の運営にあたっては、平和憲法の理念を尊重しつつ、地方自治の本旨をふまえ
次の三点を基本姿勢に全力を尽くしてまいります
一、産業を振興し、住みよい生活環境の整備を図り、町民に夢と希望を与える明るい
まちづくりを目指します。
一、自然を大切にし、教育、文化の向上を図り、人間的なふれあいと潤いのあるまちづくりを
目指します。
一、健康と福祉を大事にし、思いやりとやすらぎのある平和なまちづくりを目指します。
町民に開かれた町政運営を行っていくため、情報公開を推進し、積極的な町民参加を図ると
ともに、広報広聴活動の充実に努めてまいります。
高度情報化が急速に進展する中、住民の利便性の向上と簡素で効率的な行政運営を図るた
め、電子自治体の構築に取り組んでまいります。プライバシー保護のための個人情報保護対
策を強化しつつ、8月に予定されている住民基本台帳ネットワークの第2次稼働に取り組む
とともに、国や他の地方公共団体との電子文書のやり取りが可能となる総合行政ネットワ
ーク(LGWAN)の整備を進めてまいります。
併せて、狭隆で老朽化している電算室のスペース拡大と体の不自由な方々のためのトイレ
の設置を主眼に、庁舎の増築を行ってまいります。
昨年4月から完全学校週5日制や総合的な学習の時間が導入されるなど、学校教育は大きな
転換期を迎えています。児童・生徒1人ひとりの個性や能力を伸ばすため、各学校の特色ある
総合的な学習の時間の取り組みを推進してまいります。また、学校評議員制度を活用して、
地域に開かれた特色ある学校づくりをより一層推進してまいります。
平成17年3月末の合併特例法の期限も迫る中、市町村合併を巡る動きが一段と加速化してい
ます。
私は、行財政基盤の強化、行政サービスの安定的な提供の観点から、市町村合併は避けては
通れない問題だと認識しております。去る2月20日には佐敷町、知念村、玉城村、与那原町に
よる任意合併協議会を設置いたしました。今後、この任意合併協議会や、新たに立ち上げる「
佐敷町合併検討委員会」(仮称)など様々な機会を通して、住民の皆さんに正しい情報を提供
しつつ合併の是非について論議しながら、方向性を見いだしていきたいと考えております
。本町の行財政運営の基本施策は、「活力と創造牲に満ちた産業の振興」「心を育む教育と香
り高い文化の創造」「安全で快適な魅力ある都市空間づくり」「健やかに暮らせる地域社会の
形成」であります。
私は、地域・社会の動向を的確に把握し、21世紀の活力ある豊かな地域社会の実現に向け、
精一杯努力してまいる所存であります。
一、活力と創造性に満ちた産業の振興
町の基幹産業である農業の振興を図っていくことは、豊かな町土を維持・発展させていく上
で極めて重要なことであります。平成15年度は、平成8年に策定した「農業振興地域整備計画
」について関係機関と協議の上見直しを行います。そして、新たな農業振興地域整備計画を
策定し、活力と創造性に満ちた産業を推進してまいります。
農業従事者の高齢化、後継者不足、農産物価格の低迷など農家を取り巻く環境は厳しいもの
がありますが、生産技術や経営管理能力の向上に努め、所得の安定化を図ってまいります。
同時に、機械化による農作業の効率化を推進し、後継者の育成に力を入れてまいります。
町内外からの利用客で賑わいを見せる佐敷町農産物直売所は、生産者と消費者の交流の場
として定着しています。農家の皆様の生き甲斐づくり、地域活性化につながるよう今後も指
導助言に努めてまいります。
農業を営む上で不可欠な水の確保につきましては、これまで、佐敷、新里、小谷、伊原、兼久及
び津波古地区で営農用水施設を整備してまいりました。平成13年度から県営で実施してお
ります湧水量調査の結果を受けて、関係機関と連携しながら、既存の施設を含めた全町的な
水資源の確保について多角的に検討してまいります。
農業基盤の整備と集落地内の生活環境整備を図るため、浜崎土地改良区内の農道舗装の整
備、津波古地区土地改良区内の農道舗装等を引き続き実施してまいります。また、農村振興
総合整備事業においては、集落排水整備、農業排水整備、農道整備、集落道整備を引き続き実
施してまいります。更に、土砂崩壊による災害を未然に防止するため、見謝原地区における
団体営ため池等整備事業、落水地区団体営農地保全整備事業を継続して行い、農用地の保全
を図ってまいります。斜面緑地につきましても、流域公益保全林整備事業を継続して行い、
良好な森林環境の保全と有効活用に努めてまいります。
畜産業につきましては、これまで同様予防接種事業や飼育指導などの諸制度を活用し、畜産
農家の経営改善に取り組んでまいります。また、畜産経営に起因する環境問題につきまして
は、家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律を踏まえ、野積みや素掘りは
行わないよう指導し悪臭等の改善に努めてまいります。
年々就業者の高齢化が進行し、一段と厳しい状況に直面している水産業につきましては、漁
業組合や関係機関と連携を図りつつ当面する諸課題の解決に向けて論議し、漁業経営の活
性化に努めてまいります。
地域活性化の原動力となります商工業の振興は、商工会を中心に経営基盤の強化と近代化
に努めているところでありますが、町としても、商工会と連携しながら魅力と賑わいのある
地域づくりに取り組んでまいります。
安全で良質な水を安定供給することは町民生活においてのライフラインとして重要なこと
であります。
引き続き老朽管の敷設替えを行い、赤水対策や漏水防止対策に努めてまいります。
下水道事業は、年次計画に基づき円滑な事業執行に取り組んでいるところですが、今後とも
県や関係機関と協力しながら、平成17年度の一部供用開始を目指して努力してまいります。
南部東道路につきましては、概略ルートが決定され、今後地元の合意形成や環境アセス調査
、都市計画などの調査を行い、事業化を目指していくこととしております。本町としまして
も、関係機関と連携して早期の事業化に努めてまいります。
21世紀のまちづくりの礎となる中城湾港マリンタウンプロジェクトにつきましては、環境
問題にも配慮しつつ所要の見直しを行うとともに、県や関係機関との連携を図りながら、佐
敷東地区と馬天地区が一体となった海辺のまちづくりが実現できるよう最大限の努力をし
てまいります。
二、心を育む教育と香り高い文化の創造
本町に住む誰もが町に誇りを持ち、自己の個性を発揮し、心豊かに生きがいを実感できる地
域づくりは、町政運営の基幹をなすものであります。教育立町を掲げる本町では、これまで
幾多の人材を輩出してまいりました。先人たちが築き上げてきた偉大な歴史・文化の継承発
展に努めるとともに、時代の変化に機敏に対応できる人材の育成にも力を入れてまいりま
す。
近年、女性の社会進出はめざましいものがありますが、町としても、総合的な子育て支援を
推進するため、本年1月から開始した佐敷幼稚園における「預かり保育」を、平成15年度も継
続して実施いたします。
義務教育におきましては、引き続き学校教育環境の整備に努めるとともに、急速に進展する
国際化を踏まえ、佐敷小学校、馬天小学校においても英語講師を配置し、総合的な学習の時
間を利用して英語教育の充実を図ってまいります。また、佐敷中学校においては、豊かな心
とねばり強く取り組む態度を育てるため、自然体験学習や職場体験学習等の「豊かな体験活
動推進事業」に取り組んでまいります。さらに、心の教室相談員による学校現場での相談な
ど、相談機能の充実に努めてまいります。
平成15年度は、「地域ぐるみの学校安全推進モデル事業」を新たに導入して、町立三校の児童
・生徒の安全確保に取り組むとともに、特に、馬天小学校においては、児童等の安全の確保と
事件・事故災害の防止に資するため、平成15年度から2か年間、「学校安全研究推進事業」に取
り組んでまいります。
学校における情報化の推進につきましては、教育情報基盤整備事業等で導入したシステム
を活用し、すべての子ども達にとってわかりやすい授業を各学校において推進いたします。
また、全教員がこのシステムを活用できるように、コンピュータ特別講師を配置し、教員対
象の講習会を実施してまいります。
中学校においては、現在2、3年生を対象に実施している「知能学力検査」を1年生まで拡大し、
全校生徒のより一層の基礎学力向上を図ってまいります。
シュガーホールでは、これまで文化庁の助成を受け、特色ある多彩な事業を展開してまいり
ました。
その成果を踏まえ、平成15年度は、財団法人地域創造の助成を受け、地域を題材とした「町民
ミュージカル」の製作等をはじめ、シュガーホール開館十周年記念事業に向けた取り組みを
進めてまいります。
また、国際交流、地域間交流に寄与するため、特に子どもたちを対象とした「大阪シンフォニ
カ交響楽団コンサート」や「アジア民族芸能公演」を開催いたします。
平成14年度から学校週5日制が完全実施され、家庭や地域での子育てが重要視されています
。また、社会構造が複雑化するなかで、青少年による非行が社会問題としてクローズアップ
されてきております。
それらを踏まえ、青少年の健全育成のため、異世代、異年齢間の交流・体験学習等の地域活動
を積極的に展開してまいります。
生涯学習の振興につきましては、文化センターを拠点に、各種生涯学習講座・教室等の内容
の充実を図り、町民の学習意欲に応えるとともに、成果発表の場の確保やサークル活動の育
成、自立支援に努めてまいります。また、今年県内で開催される全国生涯学習フェスティバ
ルに参画し、生涯学習の一層の振興に努めてまいります。
生涯スポーツの振興につきましては、平成15年度も「総合型地域スポーツクラブ育成事業」
等の事業を推進し、町民の健康の保持増進を図り、福寿のまちづくりを目指してまいります
。また、NAHAマラソンと連携した「第2回尚巴志ハーフマラソンin Sashiki」を、町民はじめ
内外の多くの関係者、企業の皆さんのご協力のもと開催し、町のイメージアップと南部東地
域の活性化につなげてまいります。
急速に進展するIT革命に対応するため、庁内に情報化に関するプロジェクトチームを設置
し、情報化基本計画に基づき電子自治体の構築に取り組み、事務の効率化と行政サービスの
向上に努めてまいります。併せて、ネットワーク社会における住民のプライバシーを保護す
るため、個人情報保護対策の強化を図ってまいります。
地域情報化の推進にあたっては、高齢者等情報弱者やパソコン初心者が気軽にパソコンや
インターネット等に接してもらえるよう、出前IT講習会を地域の公民館等で実施してまい
ります。また、文化センターでは、中級程度のパソコン操作技術を修得できるよう、引き続き
IT講習会を開催いたします。
琉球三山を統一した郷土の英雄・尚巴志の心意気とその偉業をまちづくりに活かすため、「
尚巴志関連事業検討会」を立ち上げ、尚巴志関連事業の具体化を検討してまいります。また、
佐敷上グスクの県・国指定に向け、引き続き佐敷上グスクの範囲確認調査を実施するとと
もに、歴史的資源の保全・活用を検討してまいります。
町史の四巻目となる「移民編」は、平成15年度の発刊を目指し最終の編集作業を急ピッチで
進めております。これまで発刊した町史や広報誌等と併せてデジタル化して、保存あるいは
公開するデジタルアーカイブ(電子図書館、電子博物館)を推進し、町を知るための手引き書
としての活用を図ってまいります。
男女共同参画行政につきましては、先の町民意識調査の結果や町男女共同参画社会をつく
る懇話会から提出された提言等を基に、平成15年度は、「佐敷町男女共同参画行動計画」(仮称
)の策定に取り組んでまいります。
世界の恒久平和は、人類共通の願いであります。
しかし、この地球上では、現在でも地域紛争などが絶えません。このような情勢の中にあっ
て、私たちは、平和への願いを新たにし、『非核平和宣言』のもと、引き続き平和意識の高揚
と諸外国との交流や協力をとおした国際平和への貢献に努めていかなければなりません。
このため、平成15年度も、学校や地域において平和教育の推進、平和体験学習、平和思想の普
及啓発に取り組んでまいります。
また8月には、ブラジル及びアルゼンチンの県人移民九十五周年式典に参加し、町出身移住
者との交流を深めるとともに、移住国との友好関係を促進してまいります。
三、安全で快適な魅力ある都市空間づくり
安全で住みよいまちづくりは町政における主要な課題の1つであります。町では、自然との
調和を基調としながら、地域の実情を踏まえ、年次的に生活環境の整備に努力してまいりま
した。今後とも、住民の理解と協力のもと、安全で快適な魅力ある都市間の形成に努めてま
いります。
町道整備につきましては、平成15年度で完了予定の新開一周線は、歩行者に優しい快適で潤
いのある道路環境をつくるため植栽や照明灯を設置してまいります。また、小谷真謝線、仲
伊保冨祖崎線、浜之端連絡線につきましては、引き続き事業を推進してまいります。さらに、
新里・新開地内に転落防止の防護柵を新設・改修し、町民の安全を確保してまいります。
人々の憩いの場である冨祖崎公園、新開緑地等の都市公園については、緊急地域雇用創出特
別事業を活用して環境美化に努め、快適な空間を維持してまいります。
地球規模での環境悪化が懸念されている中、循環型社会の構築は、美しい環境と快適な住民
生活を維持するために取り組まなければならない課題であります。このため、町としても、
ごみ問題に関する啓蒙活動を強化し、分別収集を一層推進するとともに、好評を得ているフ
リーマーケットを引き続き開催してまいります。
南部地区最終処分場問題につきましては、地元の皆様のご理解を得るべく努力してまいり
ましたが、合意に至らず、平成14年度で推進協議会は解散することになりました。今後、南部
広域行政組合を中心に課題解決に取り組んでまいります。
町の五大構想の1つである全町植物園化構想の推進につきましては、町心豊かなふるさとづ
くり推進協議会(CGG)や関係団体、町民の皆様のご協力をいただきながら、公共施設の緑化
や花いっぱい運動、町植樹祭、緑化イベントなどに取り組み、人々がやすらぎと潤いを感じ
る空間づくりを進めてまいります。
交通安全対策につきましては、交通安全推進協議会や関係機関と連携をとりながら、交通安
全に対する啓蒙活動を行い、町民1人ひとりの自覚を促してまいります。また、季節毎の街頭
指導や、ガードレール等の交通安全施設の整備なども引き続き実施し、交通事故の減少、死
亡事故ゼロを目標に努力してまいります。
四、健やかに暮らせる地域社会の形成
少子・高齢化が急速に進む今日、町民が安心して心豊かに暮らせる福祉社会を築くことは、
行政に課せられた大きな使命であります。町民の様々なニーズを的確に把握し、総合的な施
策展開と福祉の風土づくりを進めてまいります。
介護予防サービスにつきましては、老人福祉センター内に昨年整備されたミニデイサービ
スセンターを拠点に、対象者や体の不自由な方々の健康の保持、機能回復に努めるとともに
、配食サービスの充実を図ってまいります。
高齢者福祉につきましては、お年寄りの方々の健やかで、生きがいある生活環境を支えるた
め、各種クラブ活動や講座に対しても引き続き支援を行ってまいります。
「生きがい活動支援通所事業」、「ふれあいのまちづくり事業」「外出支援サービス事業」につ
きましても、町社会福祉協議会への委託を継続し、利用者のニーズに応えるサービスを提供
してまいります。
母子・父子福祉につきましては、引き続き、母子及び父子家庭に対する医療費助成事業を推
進してまいります。また、乳幼児医療費助成事業においては、従来の12歳未満児を対象とし
た医療費の無料制度に引き続き、平成15年度からは、県に準じて、新たに入院費のみの無料
制度を3歳から5歳未満児へ導入いたします。
平成15年4月から、障害者福祉サービスの利用の仕組みが、今までの「措置制度」から「支援費
制度」へ移行いたします。現在、町が決定しております入所・通所施設や福祉サービスなどを
、障害者自らが選択し契約することが可能となります。この制度への円滑な移行のため、調
査もれがないようにするとともに、利用者が十分なサービスが受けられるよう努めてまい
ります。
また、「共同作業所さしき」につきましては、作業所の安定運営を確保するため、これまで以
上に支援を行うとともに、関係機関とも連携し、自主製品の販路拡大等に努めてまいります
。
児童福祉につきましては、少子化が進む中、安心して子育てができるように、引き続きゼロ
歳児保育、すこやか保育サービス事業、放課後児童対策事業、特別保育事業を実施するとと
もに、認可外保育所への運営補助を増額してまいります。また、第一・第二保育所の天井内
部補修工事を行い、安全な環境を整備してまいります。
児童福祉の拠点・「ひまわり児童館」につきましては、運営の充実と子育て支援機能の強化に
努めるとともに、人々の交流の場、ふれあい体験の場としての活用を図ってまいります。ま
た、「児童館等整備検討委員会」(仮称)を設置し、平成16年度の建設をめざして佐敷小学校区
への児童館等の整備について検討してまいります。
「健康の町・福寿のまち」を掲げる本町では、これまで健康づくり事業に積極的に取り組んで
まいりましたが、今後、生活習慣の改善や疾病の予防は、避けて通れない課題となっており
ます。昨年行った中高年被保険者参加型生きがい健康づくり事業は、ウォーキング大会や駅
伝大会等に多くの町民が参加し成果を上げました。
また、高齢者を対象にした「美容介護」の実践や町民の健康増進を目的とした「水中健康教室
」の取り組みは、各方面から注目されました。平成15年度も、引き続き健康づくり推進員や食
生活改善推進員、地域健康ボランティア等の協力のもと、総合健康指導事業や国保生活習慣
改善モデル事業等を行い、町ぐるみの健康づくりに力を注いでまいります。
国民年金につきましては、昨年から収納業務が国に移行しておりますが、手続き等は引き続
き町で行っております。不況という社会情勢や若年の未納者が多いこともあって、沖縄県は
全国で一番低い納付率となっており、町としても関係機関と連携して、無年金者を減少させ
るための広報活動の強化を図ってまいります。
医療費の高騰による財政悪化が懸念される国民健康保険制度につきましては、関係機関の
協力のもと、健康づくりの推進等、更なる医療費抑制に向けての活動や徴収率アップ作戦を
推進し、国保財政の健全化に努めてまいります。
介護保険制度につきましては、昨年8月に県内34の自治体で構成する沖縄県介護保険広域連
合が設置され、平成15年4月から広域連合での業務がスタートすることになりました。介護
保険財政の安定とサービスの平準化、効率的で質の高い事業が展開できるよう、町としても
広域連合や関係機関との連携を図りながら、介護予防施策の一層の推進を図ってまいりま
す。
おわりに
平成14年度の町政運営においてまず特筆すべき点は、「第一回尚巴志ハーフマラソンin
Sashiki」の成功であります。町民はじめ多くの関係者、ボランティアの熱意に支えられ、内
外から参加した3800人余のランナーが爽やかな汗を流した本大会は、佐敷町に新しい風を
吹き込み、大きな感動を共有することができました。
「さしき文化まつり」から「尚巴志文化まつり」へと名称を改め、約一月間にわたり開催した
文化まつりも大盛況のうちに幕を閉じました。特に、町民劇「ぐゎんくー三代」は、異世代間
の熱心な協働作業が実を結び、多くの観客を魅了しました。
学校教育では、馬天小学校の運動場、防球ネット等も整備され、教育環境の向上が図られま
した。佐敷小学校の創立120年、馬天小学校の創立20周年記念式典も盛大に挙行され、記念事
業も所期の目的を達成し、教育環境の充実に大きく貢献しています。ご協力いただいた関係
各位、町民の皆様に心から感謝申し上げます。
また、佐敷中学校野球部、柔道部は全国大会へ出場し、伝統の吹奏楽部においては、日本管楽
合奏コンテストで最優秀賞を受賞するという快挙を成し遂げました。
冨祖崎公園の改修工事では、園路やトイレ、あずまやが整備され、高齢者や障害者が安心し
て利用できるようバリアフリーに配慮したスロープも設置されました。また、農業農村振興
総合整備統合補助事業では、字佐敷の新コミュニティー施設の工事に着手いたしました。
大量の放置自動車につきましては、平成14年度、県の補助事業を活用し適切な対策を講じる
ことになっています。
一方、各方面から要望のあります国道331号への道路照明灯の設置工事が現在行われており
ます。
一気に26機もの照明灯が増設されることは画期的なことであり、交通事故の防止、住民生活
の向上に大きく寄与するものと喜んでおります。
庁内におきましては、職員の町政に対する共通認識の確保、地域づくりの担い手意識の高揚
を図るため、佐敷町行政課題研究会を設置し、全職員が参加して町政を取り巻く諸問題につ
いて多角的に研究してまいりました。今後、研究の成果が行政運営に活かされるよう職員一
丸となって努力してまいります。
また、去る3月2日には”中高年からの健康づくり”をテーマに、健康づくり推進大会を開催い
たしました。「福寿のまち・佐敷」の実現を目指し、町ぐるみの健康づくりに取り組んでまい
ります。
さらに、今回の3月補正予算で、つきしろ、伊原地区への介護予防拠点施設の整備事業費を計
上してありますので、ご審議の上議決賜りますようお願いいたします。
以上、所信の一端と施策の概要について申し上げました。
今、時代は大きく動きつつあります。私は、時代のすう勢を冷静に見極め、新しい時代に果敢
に挑戦する姿勢をもって、個性豊かなまちづくりに取り組んでまいりたいと考えておりま
す。また、地方分権が具体的に進展していく中で、自治体間競争に打ち勝つためにも職員1人
ひとりの変革意識を高めつつ、効率的で、分かりやすい町政の展開に努めてまいります。窓
口体制の強化を図り、住民の立場に立ったより質の高い行政サービスの提供に努めてまい
ります。
透明性の高い信頼感ある行政運営を押し進め、住民の皆様からたくさんのアイデアをいた
だき、一緒になってよりよい地域づくりに遭進いたしたいと存じます。
三山統一の覇者・尚巴志を輩出したこの佐敷の風土と伝統を大切にしながら、尚巴志の深い
洞察力と先見性、実行力に学びつつ、新時代に輝く「佐敷らしさ」を活かしたまちづくりを目
指して努力してまいりますので、議員各位をはじめ町民の皆様のご理解とご支援を心から
お願い申し上げます。
平成15年3月11日
佐敷町長 津波元德
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008456 |
内容コード | G000000793-0008 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第309号(2003年4月) |
ページ | 4-8 |
年代区分 | 2000年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 2003/04/10 |
公開日 | 2023/12/18 |