なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

福寿のまちをめざして 町民参加の取組で着実な成果

キーポイントは人材と財源の活用
本町では、民間の老人病床等の整備に伴い老人医療費が高騰、老人医療費の1人当り額で平成8年から10年まで連続県内ワースト二位となりました。この危機的状況を打開するため、保健事業が活発になれば老人医療費は下がる-。を合い言葉に町を上げて健康づくりに取り組んできました。目一杯の各種の健康づくり事業の展開は、1人当りの老人医療費が平成12年には県内13位まで下がり着実な成果を上げています。

お年寄りを元気に
元気なお年寄りが増えれば町が幸せになる-。国の「健康日本21」の指針を受け町では、平成12年3月に健康文化と快適なくらしのまち創造プランを策定。平成12年9月可決された第三次佐敷町基本構想の中で、町の五大構想の1つに「福寿のまち構想」が掲げられました。「福寿」とは幸福で健康な長寿の意味。
同年10月には健康づくり推進大会において、健康の町宣言を行い、8つの健康の推進目標を掲げ、毎月第一日曜日を「町民健康の日」と定め、「福寿のまち構想」に基づき全町民が福寿を享受できるように諸々の健康づくり事業を展開してきました。

補助事業を活かす
平成13年度も、老人保健法等の健康づくり事業をはじめに国保の補助事業も活用。高齢者健康指導事業、総合健康指導事業、中・高年被保険者参加型生きがい・健康づくり事業、国保生活習慣病モデル事業の四つの事業を展開しました。さらに保健衛生部門の地域保健推進特別事業(元気・さしき21世紀健康づくり事業)、老人保健健康増進等事業(映像ツールを活用した痴呆啓発及び物忘れ予防教室開催事業)を導入し、福寿のまちづくりを推進しました。

保健事業とタイアップ
本町の老人医療は平成の時代から著しく伸びました。それまで、県並か県平均を下回っていた医療費が時代の経過とともに高騰。県下で一、二位を争う老人医療費が高い町として有名になりました。
本町の健康づくり事業のバックボーンに、保健事業の活発化があげられます。「住民に対する保健事業が活発であると老人医療費は少なくなる。」
を座右の銘に、平成13年度も6本の補助事業に取り組み保健事業を活発にしました。
その中の一つ平成9年度から始まった高齢者健康指導事業は、老人医療費が毎年高騰を続け国保財政を圧迫するという厳しい状況の中、老人医療費を適正化するために取り組んだ事業。この事業は5年間の継続の事業で平成13年度に終了しました。各行政区の健康づくり推進員、母予推進員の協力を得て、毎年65才以上の高齢者300人を対象に健康調査を実施.最終的には65歳以上の老人総数1,500人を全員調査。その結果を基に要指導者の訪問指導を行い、疾病の早期発見、健康意識の向上、疾病予防、寝たきり予防を図り、老人医療費の低減に努めてきました。
高騰する老人医療費の解決策として町では、安易に保険税に転嫁しないために健康づくり事業を強力に展開しています。主管の健康課では、町財政の厳しい折り、国・県の助成制度の有効活用に知恵をしぼっているところです

老人医療費の改善に展望
老人医療費(70才以上社保含む)は、保健事業の強力な展開で、平成9年度をピークに、10年度対前年度比1.3%減、11年度対前年度比5%減、12年度のそれは介護保険制度の誕生で社会的入院が移行し、対前年度比18%減と驚異的に低減し、老人医療費の県下順位も10年度第2位から11年度は第10位、12年度第13位と着実に順位を下げています。
そして県平均との1人当り格差も平成9年度のピーク時で182,099円だったのが、12年度で、15,985円に急迫しています。ちなみに、13年度の1人当り医療費が対前年度を下回ったことは、明るい展望が持てます。
町では今後とも知恵を出し汗をかき、健康づくり、保健事業を推進してまいります。
町民の幸せづくりと、「笑顔輝く福寿のまち」めざして-。

佐敷町長津波元德町民が主役です
時代は今大きな改革の時を迎えています。まちづくりの主役は町民であり、町民一人ひとりの健康や社会的にも健康な環境があってこそ生き生きと輝く活気ある佐敷町が創造できるのです。
本町では今後とも町ぐるみの保健・医療・福祉の充実した、生きがいのもてる福寿の郷づくりを推進してまいります。

琉球大学教授平良一彦町づくり、熱い思いが伝わる佐敷!
4、5年前から取り組んできた佐敷町の健康づくりの効果が次第に現れつつあり、大変嬉しく思っています。ただ長生きでではなく、幸せで生きがいのある健康長寿=福寿を目指し、私たち大学も役場と連携し、頑張ってきました。しかし主役は町の皆さんです。これまでに他の市町村とは違った特徴のある町づくり、健康づくりを推進してきましたが、これらの活動を継続し一層の成果を挙げ、全国のモデルになってほしいものです。
どんなにすばらしい希望を持っていても、どんなにすばらしい計画を持っていても、そしてどんなにすばらしい才能を持っていても健康でなければどうしようもない。幸せな人生の基礎はまず健康だと思います。町の皆さんのゆいまーる精神をどのように発揮するか、これが町づくりの原点です。福寿の町佐敷をめざし、ともに頑張りましょう。

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大分類 テキスト
資料コード 008455
内容コード G000000780-0002
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第300号(2002年7月)
ページ 2-3
年代区分 2000年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 2002/07/10
公開日 2023/12/15