はじめに
本日、第167回佐敷町議会定例会の開催にあたり、議員各位のご健勝をお慶び申し上げま
すとともに、日頃のご精励に対し深く敬意を表する次第であります。
私は、町民はじめ議会議員各位の温かいご支援のもと昨年9月に第7代佐敷町長に就任いた
しました。本3月議会は、私の3期目の最初の予算議会でありますので、今後の町政運営へ
の決意と平成14年度の主要事業等についてご説明し、町民の皆様をはじめ議員各位のご理
解とご協力を賜りたいと存じます。
21世紀の幕開けという大きな節目の年であった昨年は、多くの人々から希望と期待を持っ
て迎えられました。しかしながら、9月にアメリ力で起きた同時多発テロ行為は、多くの
尊い人命を奪い市民生活や世界経済を大きな混乱に陥れました。残酷、卑劣なテロ行為に
対し強い憤りを覚えると同時に、真の平和への道のりの険しさを改めて感じさせられたと
ころであります。
また、国内におきましても、狂牛病の発生や、いわゆるバブル崩壊後の長引く不況の下で
、企業倒産の続出、失業者の増加など厳しい社会情勢が続き、国民の間には不安感と閉塞(
へいそく)感が広がったところであります。
かかる時こそ私たちは、逆境の中にあって国土の再建に尽力し、国際社会での確固たる地
位を築いてきた先人たちの気概と勇気に学び、英知を結集してこの難局を乗り越え、新た
な時代にふさわしい社会を構築していかなければなりません。
いま政府は、構造改革の具体化の中で、公共投資関係費の大幅な削減や、地方交付税の見
直しなどを打ち出しております。一方、県内では依然厳しい雇用情勢が続き、観光関連で
改善の兆しはみられるものの景気は全体として低迷しています。また、本町においても、
財政環境は依然として厳しい状況にあります。
町政の置かれた現状を展望するとき、限られた財源の中で、さまざまな行政需要に対し、
いかに対応していくのか、本年は、これまで以上に町の力量が試される正念場の年になる
と考えております。
私はこうした認識の下に、自ら道を切り開く気概と勇気を持って、この難局に立ち向かっ
ていく決意であります。地方分権の本旨である自己決定、自己責任の原則を基本に、住民
福祉の向上を図るため、町自らの改革に積極的に取り組んでまいります。情報公開の充実
、情報化の推進、住民参画の機会拡充等によって行政の透明性を確保するとともに、行財
政改革を推進し多様化する行政ニーズに的確に対応できるよう行政の効率化に取り組んで
まいります。
私は、町民から負託された責務の重さを改めて認識するとともに、これまでの慣例にとら
われることなく、斬新な発想と強固なリーダーシップをもって、希望に満ちた活力ある佐
敷町の実現にまい進したいと考えております。その意味で、平成14年度は「改革と実行」
をキーワードに、町民の皆様の声を大事にしながら町政運営にあたる所存であります。
基本施策
私は、昨年9月、町民の皆様の温かいご支持ご支援をいただき3期目の町長に就任いたしま
した。職責の重大さを改めて認識するとともに、初心を忘れることなく町民の心を心とし
責務を全うする決意であります。
私は、平成5年の町長就任以来今日まで町民本意の町政を基本姿勢に明るく住みよいまち
づくりに努めてまいりました。健康、福祉、教育`文化、産業など行政の各分野において町
勢発展の礎となる成果をあげることができましたのも、町民はじめ関係各位のご理解とご
協力のたまものであり、心から御礼申し上げます。
ふるさと佐敷を更に夢と希望の持てる活力ある町にするためには、佐敷シーガーデン構想
等の五大構想を柱とする第三次総合計画の着実な推進が求められています。
私は、総合計画で掲げるまちづくりの五つの基本理念のもと本町の将来像「夢・花・風と
シュガーホール」の実現に向け全力を尽くしてまいります。
これまで培ってきた貴重な経験や教訓を生かし、私は、職員一丸となって行財政改革、情
報公開、情報化等の推進に取り組み、より透明性の高い町政の確立に努め、住民、事業所
そして行政が信頼と協調の絆で結ばれた共同参画型のまちづくりを進めてまいります。
平和憲法の理念を尊重しつつ、地方自治の本旨にのっとり、次の三点を基本姿勢に町政の
運営にあたってまいります。
一産業を振興し、住みよい生活環境の整備を図り、町民に夢と希望を与える明るいまちづ
くりを目指します。
一自然を大切にし、教育・文化の向上を図り、人間的なふれあいと潤いのあるまちづくり
を目指します。
一健康と福祉を大事にし、思いやりとやすらぎのある平和なまちづくりを目指します。
国際化、情報化、少子高齢化、そして地方分権の推進など、時代はいま変革の中にありま
すが、このような時こそ、町の進むべき方向性を正しく見据えて舵をとることが大切です
。私は、町民各層の幅広いご支持ご支援をあおぎながら、「町民参加」「公正・公平」「
対話と協調」そして「思いやり」を基調に、町民本意の町政運営を推進してまいります。
本町の財政は、町税など自主財源に乏しく、地方交付税も落ち込む中、歳出面では、公債
費など義務的経費が増こうしており、引き続き厳しい状況にあります。このため、佐敷町
行政改革大綱のもと、新たな財政需要の高まりに柔軟に対応できる弾力的な財政運営の確
立と執行体制の改革を優先課題として取り組む所存であります。
平成14年度は、機構改革、人件費の抑制、町単独補助金の削減等を進めてまいります。ま
た、IT革命の進展に適切に対応すべく、庁内体制を整備し、住民の利便性の向上を図る
ための電子自治体の構築に取り組んでまいります。
教育分野では、「ゆとりある教育」をキーワードに、平成14年度から我が国の教育が大き
く変化します。学校週五日制の完全実施や「総合的な学習の時間」といわれる新しい学習
内容も導入され、新学習指導要領に基づいた教育課程が展開されます。本町においても、
新しい教育の流れにスムーズに対応できるよう教育委員会を中心に学校現場への支援を行
ってまいります。
合併特例法の期限も迫る中、これから県内でも市町村合併をめぐる動きが一段と活発化し
ていくものと思われます。地域の将来への進路の選択にあたっては、決して受動的であっ
てはならないと考えております。合併を論じ合うことは、町民と行政の双万が地域の将来
を真剣に考えるまたとない機会であり、私たちとしても、行政内部での研究を重ねて、町
民の皆様の主体的な議論のプロセスを保証するための態勢づくりに努力してまいります。
本町の行財政運営の基本施策は、「希望と活力ある佐敷の実現」「地域に根ざした教育・
文化の振興」「安全で快適なまちづくり」「健康で幸せに暮らせる社会づくり」でありま
す。平成14年度はこの基本施策をふまえつつ、町民福祉の向上、町勢の発展に努めてまい
る所存であります。
一.希望と活力ある佐敷の実現
本町は、穏和な中城湾に面し、町土の93%が農業振興地域であることから、農林水産業を
振興することが、潤いと活力あるまちづくりにとって大きな課題の1つであります。また
、活気と賑わいに満ちた都市づくりのためには商工業の振興を図る必要があり、今後とも
、関係機関及び関係者との緊密な連携のもと産業の振興と社会資本の整備に取り組んでま
いります。
町の基幹産業である農業の振興を図っていくことは、大切な食料の生産はもとより、豊か
な町土を維持・発展させていく上で極めて重要なことであります。
農業従事者の高齢化、後継者不足、農産物価格の低迷など農家を取り巻く環境は厳しいも
のがありますが、新奨励品種作目の導入等を検討するとともに生産技術や経営管理能力の
向上に努め所得の安定化を図ってまいります。同時に、機械化による農作業の効率化を推
進し、後継者の育成に力を入れてまいります。
平坦地における農地は、土地改良事業により面的整備はほぼ完了しておりますが、一方で
は、新規就農者の減少によって、農地の遊休化が目立つのも事実であります。
今後も基幹作物であるさとうきびをはじめ果樹や花卉、野菜等、高収益作物への転換によ
る生産拡大及び品質向上に取リ組み、農業関係機関との連携を図りつつ、農家の皆様の協
力を得て農地の有効活用に努力してまいります。
町内外からの利用客で活況を呈している佐敷町農産物直売所は、経営も順調に推移し、生
産者と消費者の交流の場として親しまれています。農家の皆様の生きがいづくり、地域活
性化につながるよう今後も指導助言に努めてまいります。
農業経営の中で重要な水の確保につきましては、これまで、佐敷、新里、小谷、伊原、兼
久及び津波古地区で営農用水施設を整備してまいりました。懸案の浜崎地区につきまして
も、水の安定供給に向け引き続き多角的に検討してまいります。
土砂崩壊による災害を未然に防止するため、見謝原地区において団体営ため池等整備事業
を新たに実施いたします。また、落水地区団体営農地保全整備事業を継続して行い農用地
の保全を図ってまいります。
県営一般農道整備事業において浜崎土地改良区内の農道舗装、排水路の整備を行うととも
に、新規事業として団体営基盤整備促進事業による津波古地区土地改良区内の農道舗装等
を実施してまいります。
また、農村振興総合整備統合補助事業においては、平成14年度は佐敷公民館建設、馬天小
学校の緑化事業、伊原一周線の整備及び仲伊保地内の農業排水路の整備を実施してまいり
ます。更に、農村振興地理情報システム整備事業を新たに導入し、情報技術を活用した活
力ある村づくりを進めてまいります。
波静かな中城湾と斜面緑地に囲まれた本町は、自然環境に恵まれた安らぎのまちとして知
られています。流域森林総合整備事業を継続して行い、良好な森林環境の保全と有効活用
に努めてまいります。
畜産業につきましては、これまで同様予防接種事業や飼育指導などの諸制度を活用し、畜
産農家の経営改善に取り組んでまいります。また、懸案の悪臭対策につきましても、引き
続き畜産農家を指導し改善に努めてまいります。
就業者の高齢化等に伴い厳しい状況に直面している水産業につきましては、漁業組合や関
係機関と連携を図りつつ当面する諸課題の解決に向けて論議し、漁業経営の活性化に努め
てまいります。水産業振興計画の見直し、巻き上げ機の整備等に取り組むとともに、にぎ
わいの場の確保等を視野に入れた港湾計画の改訂作業を進めてまいります。
待望の商工会館の誕生を契機に商工会の果たす役割は一段と高まっており、商工会を中心
に経営基盤の強化と近代化に努め、商工業の振興を図ってまいります。また、町としても
、商工会と連携しながらシュガーホールを核とした地域活性化策をはじめ活力あるまちづ
くりに取り組んでまいります。
上水道事業につきましては、水の安定的供給を図るため、引き続き老朽管更新や配水管新
設を実施し、赤水対策や漏水防止対策に努めてまいります。
下水道は、健康で快適な生活環境の確保と公共用水域の水質保全を図るため不可欠な施設
であります。今後とも県や関係機関と協力しながら、年次計画に基づき円滑な事業執行に
努力してまいります。
広域的アクセス道路として検討されている南部東道路の整備につきましては、ルートの問
題で調整に時間を要しておりますが、次の世代に誇れる事業とするためにも論議を重ね、
合意形成を図りながら事業実施に努めてまいります。
21世紀のまちづくりの礎となる中城湾港マリンタウンプロジェクトは、町の重要施策のひ
とつであり、町民の期待も大きなものがあります。環境にも配慮しつつ、関係機関と緊密
な連携を図りながら、夢ふくらむ快適都市・佐敷シーガーデンの実現に向け、佐敷東地区
の早期事業化に全力を尽くしてまいります。
二.地域に根ざした教育・文化の振興
教育立町として知られる本町では、これまで「まちづくりは人づくりから」を基本理念に
掲げ、多くの有能な人材を世に送り出してまいりました。先人たちの積み上げてきた佐敷
の文化風土を町発展の礎に、国際社会、情報化社会に対応できる人材の育成、地域に根ざ
した教育・文化の振興に努めてまいります。
学校は、すべての子どもに学ぶ喜びを体験させ、それぞれに個性と能力を伸長し、また、
友だちや教師とのふれあいを通して、自他の人格を尊重する心を持たせる場だと認識して
おります。しかしながら、現実にはいじめや不登校等の問題があり、非行の低年齢化も進
んでおります。教育の重要性を改めて認識し、子ども達の心を大切にする目配りのきいた
学校教育の実践に努めてまいります。
義務教育においては、ゆとりある環境づくりや心の教育の充実、情報化の推進等が求めら
れています。昨年、待望の佐敷小学校の新校舎も完成し教育環境の向上が図られましたが
、平成14年度は、馬天小学校の運動場の整備等を行うとともに、町立小・中学校において
情報化時代に対応した施設の整備と教育内容の充実に努めてまいります。また、ALT(外国
人英語教師助手)及び佐敷小学校音楽専科教師を引き続き配置し、英語教育、音楽教育の充
実を図ってまいります。
更に、本年は、佐敷小学校が創立120周年、馬天小学校が創立20周年を迎えることから、
その節目を飾るにふさわしい記念事業を実施してまいります。
平成14年度からは、学校における週休二日制が完全実施となることから、休業日における
対策として「社会教育プログラム」に取り組んでまいります。シュガーホールや文化セン
ターの特色を生かしながら、低学年を対象としたキッズ音楽コース、地域探検講座などを
実施し、心豊かで健康な児童生徒の育成に努めてまいります。また、昨年に引き続きジュ
ニアリーダークラブを活用し、幅広い年齢層の交流、体験学習を通して青少年の健全育成
を図ってまいります。
シュガーホールでは、地域に根ざした特色ある芸術文化を創造するために平成10年度から
「文化のまちづくり事業」の指定を受け多彩な事業を展開してきました。その最終年度と
なる平成14年度は、子ども文化教育支援事業、シュガーホール新人演奏会オーディション
などの育成事業、五嶋(ごとう)みどりヴァイオリンリサイタルをはじめとする鑑賞公演事
業を軸とした事業を推進してまいります。
近年、生涯スポーツや生涯学習に対する町民の気運が高まりを見せています。平成15年度
のクラブ立ち上げを目指して総合型地域スポーツクラブ育成事業を継続するとともに、南
部東地域の新たな魅力づくりに資するため、英知を結集して「尚巴志健康マラソン大会(仮
称)」の開催に向け準備を進めてまいります。また、文化センターを拠点に、町民の創造性
と自主性を尊重した文化活動を支援するとともに、地域コミュニティーとの連携を図って
まいります。
更に、町民がITの恩恵を等しく享受できるようインフラ整備はもとより、lT講習会を引き
続き開催し、情報ボランティアの育成、町民の情報リテラシー(情報技術を使いこなす能力
)の向上等に努めてまいります。
平成12年度からの佐敷上グスク範囲確認調査、平成十三年度からの平良川原遺跡などの発
掘調査によって、数々の遺物が発見され成果を収めています。「佐敷上グスク」の文化財
指定に向けて更に調査を継続するとともに、調査結果の報告書を刊行し、先人たちの文化
遺産を次世代へ引き継いでまいります。
町の文化振興に貢献し昨年創立10周年を迎えた佐敷町文化協会につきましては、更なる飛
躍を期待しつつ今後も支援してまいります。また、平成14年度は、地域文化への認識と関
心を高めるため、「さしき文化まつり」を開催いたします。
町史編集事業につきましては、郷土史を学ぶための手引き書となるよう、「移民編」の早
期発刊を目指し精力的に編集作業に取り組んでまいります。
男女が、社会の対等な構成員として互いの人格を尊重しつつ共に役割を担う男女共同参画
社会の実現へ向け、昨年町では懇話会を立ち上げ、町民意識調査を実施いたしました。平
成14年度は、フォーラム等を開催して男女共同参画に対する町民の意識高揚を図るととも
に、行動計画の策定に努力してまいります。
先の大戦において、唯一地上戦を体験した我が県は、23万人余の尊い命と貴重な文化財産
や豊かな自然をも失いました。あの悲惨な戦争を二度と起こしてはならないという思いは
、県民共通の願いであると考えます。
しかしながら、沖縄の基地問題は、県民のくらしと安全を守る上でも多くの課題を抱え、
また、同時多発テロの発生、中東やアジアでの紛争など、世界各地では今なお戦争の火種
が絶えないという憂慮すべき現実があります。
私たちは、今一度戦争の悲惨さを再認識するとともに、平和な社会建設に向けた努力を続
けなければなりません。
悲惨な戦争体験の教訓を正しく継承し平和で明るい佐敷町をつくるため、学校や地域にお
ける平和教育や平和体験学習等の開催に取り組んでまいります。
三. 安全で快適なまちづくり
町民生活に密着した安全で快適なまちづくりは、町政運営の大きな柱であります。本町で
はこれまで自然との調和を基本に、多様化するニーズを多角的に検討しつつ、均衡ある発
展を図るため地域の実情に即した整備を行ってまいりました。今後とも総合的な見地から
地域ニーズを的確に把握し、創意と工夫で環境に優しい安全・快適なまちづくりを進めて
まいります。
地域振興の上から、また、生活環境整備の面から重要な役割を担っております町道整備で
は、浜之端連絡線の整備と新開一周線の整備を継続して実施するとともに、平成14年度は
、新たに小谷真謝原線の整備、仲伊保冨祖崎線道路改築事業及び馬天小学校通学路整備の
ための概略調査設計に取り組んでまいります。また、法定外公共物の譲渡申請業務及び管
理がスムーズに行えるよう、地理情報システムと連動した法定外公共物譲与システムの構
築を図ってまいります。
スポーツ施設が集中する冨祖崎公園のトイレ等の改修工事や球場周辺の環境整備を行い、
明るく快適な公園として利用者から喜ばれるようにいたします。また、緊急地域雇用創出
特別事業を活用して公園の環境美化に努めてまいります。
環境対策につきましては、家庭からの積み重ねを基本に、町民の理解と協力を得ながら地
球環境に配慮した循環型社会の実現を目指してまいります。町一般廃棄物処理基本計画に
基づき、ごみ処理問題等への対応を強化するとともに、町フリーマーケットの開催、婦人
会のマイバック運動の促進に努めてまいります。
ビニールハウスなど施設園芸に使用された農業用廃プラの回収事業等につきましては、南
部地区廃プラ協議会やJAと連携して啓蒙普及に努めてまいります。
一般廃棄物の残った灰を処理する南部地区最終処分場につきましては、建設推進協議会と
連携しながら建設予定地の合意形成等に取り組んでまいります。
花とみどりは、私たちに憩いと安らぎを与えてくれます。五大構想のひとつである全町植
物園化構想の実現に向け、佐敷町心豊かなふるさとづくり推進協議会(CGG)を中心に関係
団体や町民の協力を得ながら町内の花いっぱい運動に取リ組んでまいります。平成14年度
は、緊急地域雇用創出特別事業により、花壇整備や清掃など地域の美観保持に努めるとと
もに、地域住民の協力を得て町一斉河川海岸清掃、町植樹祭を実施し良好な景観の形成を
図ってまいります。
社会間題となっております放置自動車対策につきましても、県の補助事業を活用し関係機
関と協力しながら対処してまいります。
交通安全対策につきましては、悲惨な交通事故の撲滅を目指し、引き続き交通安全施設の
点検・整備を実施するとともに、交通安全推進協議会や関係機関とも連携し、町民総ぐる
みで事故のない明るいまちづくりに努めてまいります。
四. 健康で幸せに暮らせる社会づくり
急速に高齢化が進む社会の中にあって、保健・医療・福祉の連携のもと、誰もが健康で長
生きできる福寿社会を築くことは行政に課せられた使命であります。高齢者や障害者等弱
者にやさしいまちづくりを推進するとともに、町民の多様なニーズに対応した総合的な施
策を講じ、福祉の風土づくりを進めてまいります。
介護予防サービスの充実を図るため、町では、平成13年度から老人福祉センターの増改築
を行いミニデイサービスセンターの整備を進めています。現在各公民館で実施されている
ミニデイサービスにつきましては、サービス内容の充実を求める利用者の願いに応えるた
め、本ミニデイサービスセンターを拠点に、対象者や体の不自由な万々の健康の保持、機
能回復に努めてまいります。
また、配食サービスにつきましても、同センター内に厨房設備を整備し自営することで更
なる充実を図ってまいります。更に、耳の不自由な方々のために磁気ループ補聴器を設置
するなど、老人福祉センターの機能拡充に努めてまいります。
高齢者福祉につきましては、余暇時間を仲間とともに楽しく明るく過ごしてもらえるよう
に、各種講座やクラブ活動を引き続き支援してまいります。
町社会福祉協議会へ委託し、利用者のニーズに応えております「ふれあいのまちづくり推
進事業」や「生きがい活動支援通所事業」、「軽度生活援助事業」につきましても引き続
き支援してまいります。新たに「外出支援サービス事業」を実施し、ミニデイサービス利
用者の送迎や、通院が困難な方に対しての医療機関までの送迎を行ってまいります。
母子・父子福祉につきましても、生活の安定と自立を支援するための、母子及び父子家庭
への医療費助成事業を継続してまいります。また、乳幼児医療費助成事業につきましても
継続し、子育て環境の向上に努めてまいります。
障害者福祉につきましては、障害者ホームヘルプサービス支援措置事業はじめ、身体障害
者に対する短期入所事業、デイサービス事業、更生援護施設入所通所措置事業及び重度身
障者に対する日常生活用具給付事業等を継続してまいります。
心身に障害をもつ方々の自立と社会参加の場の確保に取り組んでいます「共同作業所さし
き」につきましては、引き続き支援を行い、作業の安定供給や自主製品の販路確保、企業
での実習等の活動の充実に努力してまいります。
少子化のなか多様なニーズが要求される児童福祉につきましては、すこやか保育サービス
事業、ゼロ歳児保育、放課後児童対策事業、特別保育事業を引き続き推進するとともに、
認可外保育所への運営補助を継続してまいります。また、地域の実情をふまえながら、私
立保育園の法人化について検討してまいります。
ひまわり児童館は、利用状況も堅調に推移し児童福祉の拠点としてその役割を果たしてい
ます。空き時間を利用し、乳児と母親を対象とした子育て支援事業を引き続き推進すると
ともに、更に広がりのある機能が発揮できるよう運営の充実に努めてまいります。また、
佐敷小学校区への児童館の設置につきましては、関係者の協力を得ながら早期実現に向け
取り組んでまいります。
「健康の町」を掲げる本町では、平成13年度から健康づくり推進員を増員し、町民一体と
なった健康づくり事業に取り組んでおります。総合健康指導事業や中・高年被保険者参加
型生きがい・健康づくり事業、国保生活習慣改善モデル事業等を活用して疾病予防の大切
さを訴え、健康意識の高揚を図ってまいります。
国民年金につきましては、平成14年度から収納業務が国に移行しますが、届出等の事務手
続きは引き続き町で行います。町民の老後の安定した生活を維持するためにも広報活動の
強化を図り、無年金者の発生防止に力を入れてまいります。
また、国民健康保険につきましては、県内上位を占めていた老人医療費は年々減少傾向に
あるものの、保険税の徴収率を含め依然として厳しい状況にあります。引き続き、徴収体
制の強化や国保のレセプト点検の実施により、保険税の収納率向上及び医療費の適性化に
努めてまいります。
介護保険制度につきましては、運営の効率化やサービスの自治体間格差の解消等を目的に
平成14年8月には沖縄県介護保険広域連合が設立されることになっていますが、本町もそ
の設立準備に関わり、広域連含に参加してまいります。
おわりに
平成13年度の町政運営においては各面にわたる施策・事業を展開してまいりましたが、町
民、議会議員の皆様方の多大なるご理解とご協力のおかげをもちまして多くの成果を上げ
ることができたものと思っております。
まず初めに、情報公開及び個人情報保護制度の導入があげられます。町民の情報の公開を
求める権利及び自己に関する個人情報の開示等を求める権利を確立することにより、町民
参加による開かれた町政の推進を図るため、平成13年4月から施行しました。同じく、行
政運営における公正の確保と透明性の向上を図るため、行政手続条例を施行しました。
幅広い層の人々がパソコンやインターネットを活用できる能力を身につけられるよう、町
ではIT講習会を開催し好評を得ました。また、各字公民館、公共機関等にインターネッ
トを活用した情報の送受信ができる環境を整備しました。
シュガーホールでは、平成13年度も魅力的な事業を展開してきました。中でも、世田谷パ
ブリックシアター、宮古平良市マティダ市民劇場との共同制作で8月に開催した音楽劇
、「ふたごの星」は、高い芸術性で観衆を魅了しました。
11月には、世界のウチナーンチュ大会に参加した郷土出身者を招いて、文化センターで世
界のサシキンチュ歓迎の夕べを開催し、交流を深めました。
福祉関係では、老人福祉センターの増築に着手し、介護予防拠点施設としてのミニデイサ
ービスセンターの設置に取り組んでまいりました。
農業振興では、個性豊かで活力ある村づくりを目指す農村振興総合整備統合補助事業がス
タートしました。平成13年度は、佐敷公民館の実施設計、佐敷小学校の緑化、手登根集落
排水及び屋比久農業排水の施工に取り組んできました。
これまで年次的計画的に進めてまいりました道路の整備につきましては、平成13年度は町
道佐敷手登根線、仲伊保海岸線が完了いたしました。
ヘルシーリゾート計画につきましては、長期の経済不況を含めた社会的環境、関係四町村
の脆弱な財政状況や市町村合併等諸々の問題があり、継続して取り組むには厳しい状況と
なりました。これまでの計画推進の過程で得られた成果を糧として、今後は、島振協や関
係機関での論議をふまえながら町民の理解を得てヘルシーリゾート計画の理念を踏襲した
方向性を探ってまいります。
住民サービスの向上を図るため、引き続き昼間の窓口業務を実施し利用度のアップに努め
るとともに、全庁あげてさわやか窓口運動を推進してまいります。併せて、利用者の立場
に立った総合窓口の導入を検討してまいります。
また、今後とも、町民一丸となって“元気・佐敷・21世紀”の健康標語のもと、健康で生き
がいのあるまちづくりに取り組んでまいります。
以上、所信の一端と施策の概要について申し上げました。激変する社会環境の中にあって
、時代の流れに翻弄されない強固な信念と実行力をもって、まちづくりの礎を築き、分権
型社会を担う町政運営が重要であります。
行財政改革を更に強力に推進し、簡素で効率的な行政システムの構築を図ってまいります
。
職員の意識改革を進めるとともに、職場環境の改善、特別自主研修等の実施を通して職員
の創造性の発揮、政策形成能力の向上に努めてまいります。
おりしも平成14年度は、新たな沖縄振興がスタートする重要な年度であり、また、祖国復
帰30周年という記念すべき節目の年でもあります。新時代のプロローグともなるのこの時
期に、私は、町政を担当する責任の重さを感じながら、これまで先人が連綿と築いてこら
れた輝かしいふるさと佐敷に、限りない愛情と情熱を注いでまいります。町民の負託に応
えうる地域の経営主体としての役割が果たせるよう精一杯努力してまいりますので、議員
各位をはじめ町民の皆様の変わらぬお力添えをお願い申し上げます。
平成14年3月12日 佐敷町長 津波元德
ダウンロード | https://docs.google.com/uc?export=download&id=1HeHpEyMPPBNmv7cxOW9Z4qEIKB7bM16O |
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008455 |
内容コード | G000000777-0008 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第297号(2002年4月) |
ページ | 4-9 |
年代区分 | 2000年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 2002/04/10 |
公開日 | 2023/12/15 |