耳よりなお話~3月3日は耳の日~
耳をそっと両手で覆ってみましよう。さあ、何が聞こえますか?どんな感じがするでしょう?ほんの少し音を遮るだけで何となく違和感や不安感が感じられたのではないでしょうか。
〈耳の構造〉
耳は大きく分けて外耳(耳介・外耳道)、中耳(鼓室・耳管)、内耳(骨迷路・膜迷路)から成り立っています。外から見る耳は大きなイメージがありますが、中の見えない部分は、考えている以上に小さくて、繊細な構造をしています。
例えば、外耳と中耳の境である鼓膜は直径約1cmの円形で、厚さはわすか0.1mm程度です。耳の外から見える穴は、奥に進んでいくとのどや鼻にもつながっていますし、神経も通っています。
〈耳の働き〉
耳は目と並んで情報をキャッチする重要な働きをする感覚器官です。第一に『音をキャッチする』という働きはよく知られていますが、第二に『体の姿勢や方向、運動に関する情報をキャッチする』という働きも行っています。
〈どうして耳は聞こえるの?〉
音には高い音、低い音、鈍い音…いろんな音があります。どんな音でも聞こえるのは当たり前のような気がしますが、音を音として感じる為に、単なる穴を通っているのではなく、その繊細な構造になっているからこそ、いろんな音を聴くことができるのです。
まず音は外耳道から入り、鼓膜に達します。鼓膜は音波が達するとよく振動して内耳にある鼓室に音を伝えます。鼓室には耳小骨という三つの小さな骨(つち、きぬた、あぶみ)があり、それらを動かし音を伝えます。中耳炎などで膿が溜まったりすると音がよく聞こえなくなるのは、振動がうまく伝わらないせいなのです。
中耳に届いた音は次は内耳に伝わります。内耳はリンパ液で満たされており、耳小骨の振動で伝えられた音はリンパ液の振動に変わります。内耳は前庭、半規管、蝸牛(かたつむり管)という三つの部位から成る迷路(前述の骨迷路・膜迷路)があり、その一つ蝸牛を刺激し、脳にある聴覚の神経に音を伝える仕組みになっています。
残りの前庭、半規管は怠けているのではありません。ここでは、目の第二の働きである体の平衡感覚を保つ働きを行っています。この部分の働きが悪くなるとめまいやふらふらするといった症状が起こるようになります。
〈耳の病気〉
耳の病気は、大きく分けて外耳、中耳、内耳の病気に分けられます。耳垢栓塞(耳あか)といった処置が軽く済むものから、真珠腫といった時には手術を要する病気など、さまざまです。
かゆい、痛い、耳なり、聞こえが悪い、耳だれなど耳の病気もあなどるなかれ。どれをとっても不快な症状ですよね。症状や原因を知つておくことで、ある程度予防や悪化を防ぐこともできます。
〈耳のお手入れ〉
ふだんできる耳のお手入れは、『清潔にしておく』『耳の病気にならないよう心がける』ことと言えます。
よく見られる外耳道炎などの病気は、耳の中で増えた細菌が皮膚に感染し炎症が起こる病気です。
その原因の多くは耳掃除のしすぎと言われます。一方『耳の治療は清掃から』と言われるほど、ふだんのお手入れも基本は耳掃除できれいにしておく事が大切です。矛盾しているようですが、『耳あか掃除をしすぎないこと』がこつのようです。
急性中耳炎の原因は風邪による鼻やのどの炎症が耳につながっている耳管を通して起こります。また、鼻の働きが悪いと耳管の働きも悪くなることが多く、中耳に滲出液がたまる滲出性中耳炎を起こしたりします。これらのことから、風邪をひかないようにする、鼻やのどをきれいにしておく事が大切です。
小さなお子さんやお年寄りなど『耳の異変』に気づかなかったり、訴えが遅れたりする事があります。
周囲の人が注意してふだん観察してあげる事も重要です。
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008454 |
内容コード | G000000772-0009 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第296号(2002年3月) |
ページ | 5 |
年代区分 | 2000年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 2002/03/10 |
公開日 | 2023/12/15 |