文化協会佐敷句会十月例会より　選者　瀬底月城　山城青尚

島酒を酌みつつ待つよ後の月　幸喜正吉

バス停に独り佇む秋思かな　安里洋子

蜻蛉群る非常警戒基地の島　富永信

土帯君の静けさやぶる鵯嵩音　与那嶺末子

東御廻り案内親方先頭に　前城守人

太陽石の句碑は斧型鷹渡る　崎間恒夫

総引きは三代の貌豊年祭　山城百合子

風車祝媼の頬の薄化粧　真栄城佐月

貫花を踊る御庭の十三夜　垣花和

地下の茎引っ張る軍手竹の春　安谷屋竹美

露天風呂大満月を浮かせたり　屋部英子

秋燕電線上の羽繕ひ　城間睦人

※選者吟※
久方の鷹の尿雨夜もすがら　瀬底月城

みずん釣り岸に溢るる失業者　山城青尚