なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

保健婦だより知って防ごう、エイズ 12月1日は世界エイズデー

感染を知ってから、一年半が経ちました。感染を知ったばかりのときは、頭の中には「死」し
かありませんでした。しかし、エイズという病気を知れば知るほど、「エイズで死ぬ」のでは
なく、「エイズとともに生きていく」という気持ちに変わってきました。

何がそう変えていったのかと言えば、やはり「正しい知識」が一番大きなものでした。-これ
は、HIV感染者からのメッセージです。
「今世紀最大の人類の問題」と呼ばれているエイズ。1981年アメリ力で最初のエイズ患者が
発見されて、もうすぐ20年。現在世界中で広がり続け、日本でも例外ではありません。
〈エイズとはどんな病気〉
まず知って欲しいことは、エイズは感染症だということ。正式名称はAIDS=Acquired(後天性
) Immuno (免疫) Deficiency(不全)Syndrome(症候群)。
HlVというウィルスに感染することで、体の免疫力が低下し、健康時では病気を起こさないよ
うな弱い病原体に対しても抵抗力を失い、重症の肺炎や脳炎など、さまざまな病気にかかっ
てしまうのです。
〈エイズウィルス(HIV)に感染するとどうなるの〉
①HlVに感染
HIVに感染しやすい行為により、HIVが十分量体内に入る。
②初期症状
HlVに感染し、約6~8週間で抗体出現。カゼのような症状がでることも。
③無症候性キャリア
自覚症状がない潜伏期間。平均10年。
④エイズ関連症候群
リンパ節の腫れ、急激な体重減少など、なんとなく体の調子がおかしくなる。
⑤エイズ発症
HlV感染症の末期状態。発症後3~5年で、大半の患者が死に至ります。一般には、感染後10年
で、感染者の50%がエイズを発症しますが、10年を経過しても発症しない者も10%近くいま
す。
〈どんな場合にうつるの〉
HIVは、感染力が極めて弱く、空気感染せず、学校・職場での日常的な接触では感染しません。
感染源は、①精液②膣分泌液③母乳④血液の4つが分かっており、最も感染力が高いのは血
液です。これらの体液を通じてHlVが体内に十分量入ると、HlVに感染します。
〈どうすれば防げるの〉
エイズの感染経路は限られているので、感染予防に注意すれば、誰もが防ぐことができます
。逆に、条件さえ整えば誰にでも感染すると言えます。
感染の有無が不明な不特定多数の人とコンドームなしでセックスする、注射の回し打ちな
どの、危険な行為を慎めば、感染を心配する必要はありません。
日常生活では血液がつきやすい力ミソリ・歯ブラシ・タオルなどは他人と共用しないことで
す。
〈エイズに関する相談検査は?〉全国の保健所で匿名で受けられます。相談、検査料は無料
です。
検査は、血液を少量採るだけで、感染の危険のあった日から2~3か月以上経ってから受ける
ようにしましょう。結果は、1~2週間後に本人に直接お知らせします。
献血では、エイズ検査の結果はお知らせしていません。
<エイズについて考えよう>

エイズにかかりやすい人はいません。「どんな人が感染しやすいか」より、「どんな行為が感
染しやすいか」を考えることです。
予防の為に大切なことは、無自覚や無関心による感染を避け、正しい知識を学び、行動する
ことです。
そして、エイズをやみくもに恐れる必要はなく、患者や感染者への温かいサポートを忘れな
いことが求められています。

ダウンロード https://docs.google.com/uc?export=download&id=1z9OWxsI0rpRQD-_yG7d_vwRK_Bc6_jUx
大分類 テキスト
資料コード 008453
内容コード G000000753-0008
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第281号(2000年12月)
ページ 6
年代区分 2000年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 2000/12/10
公開日 2023/12/14