なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

俳壇さしき

文化協会俳句教室2月例会より選者瀬底月城
〃山城青尚

朧夜の下駄の蹴とばすポイ捨て罐 新垣春子
(評)春の朧月夜に下駄で散歩していると、カツンと音がした。
ポイ捨ては無心に車から行う。子供達が真似るるぞよ!社会的忠言の俳句。

大鍋や藁帯締める力餅 崎間恒夫
(評)直径80糎の五枚鍋にヒラセーマを置きムーチーを蒸す。
力餅は久葉の葉に包み藁で縛る。「締める」に力餅の精を籠め、子供たちの健康を祈るのだ。

一期田植の草の根張りが畦守りに 幸喜正吉
(評)沖縄の稲は年2回作る。早春の田植の折、畦道の根が畦を守ってくれるというのだ。
畦の雑草が益草にもなる。自然の互助の不思議ないとなみを詠む。

初風呂や四枚鍋に薪足して 城間睦人
(評)昔は四枚鍋(直径57糎)に、お湯を沸かして、半切盥に汲み、ささやかな湯浴みをした。
祖母からの昔語りを句にした。「薪を足す」に省時の様子がある。

恋猫の爪研ぐ古木凹みけり 安谷屋竹美
(評)春の恋猫がミヤーウと喧しく鳴く。相手にはぐれ失恋の雄猫が悔しくて木がくぼむまで引っかく。狂い猫に引っ掻かれないように用心用心。譜誰の句。

※選者吟
新糖の茶請にはずむ長話 山城青尚
諸袖の紺地衣着けむ春近し 瀬底月城

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大分類 テキスト
資料コード 008451
内容コード G000000724-0009
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第260号(1999年3月)
ページ 7
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1999/03/10
公開日 2023/12/14