文化協会俳句教室12月例会より。瀬底月城選
御崇べの洞穴に響動むや初時雨 新垣春子
(評)神に祈る巫女や祝女等の声が神意と相通じたように洞穴の中から、響いて来る。
外では初時雨(冬の季語)が静かに降っているよ。
友の葬芳名録に落葉舞ふ 垣花和
(評)葬儀の受付の芳名録に、氏名を記入して居ると折からの鳳で木の葉がその上で、あたかも亡き女の霊が舞い下りたように見える。なおさら、亡き女への思いがつのる。落葉にも命を見つけた。
善忠忌「おもろさうし」のページ繰る 前城守人
(評)琉球の万葉集とも言われる「おもろさうし」をひもとき、昔の人々の「ウムイ」をしのび、琉球の古代人の祈りや行事を学ぶ。ふと「おもろ」研究家の仲原善忠氏に思いが走る。
*「善忠忌」とは、氏が没した日で11月25日。
鰯雲あひかた積みの木曳門安谷屋竹美
(評)沖縄戦で破壊された首里城の木曳門も昔のように自然石の相かた積みで復元された。石工達の技への思いと、ヨイシーヨイシーの木曳き式の唄が頭に浮かぶ。折しも鰯雲(鱗雲)が青空に拡がっていた。
針供養乙女のピアスひかりけり 儀間博昭
(評)縫い針を休め、古い針をコンニャク等に差して供餐し、裁縫が上手になるように祈る。和裁の乙女の耳にはピアスが光っている。古い習慣と近代のとり合わせに俳味が生じた。
※選者吟
潮引くやにはかに踊るとかげ沙魚
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008451 |
内容コード | G000000722-0008 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第258号(1999年1月) |
ページ | 8 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1999/01/10 |
公開日 | 2023/12/14 |