部活から学んだこと 津波正志
中学1年生の時、私は小学生の頃から続けていた野球部に入部しました。そして、私にとっては初めて先輩と呼べる仲間ができました。しかし、あいさつや先輩への態度など、初めての経験で、とまどうこともたくさんありました。
入部したての頃は、玉拾いばかりでまともに練習にも参加できず部活があまり好きになれませんでした。
しかし、玉拾いの1ヵ年がすぎ2年生にもなると後輩もでき、少しずつ練習に参加できるようになりました。やっと本番だと言う気分になったものです。僕のポジションはセカンドでした。なれないセカンドを先輩からの指導を受けながら練習しました。さすがに先輩はうまく、その時はレベルの違いを感じさせられました。
夏期大会にはおしくもベンチ入りメンバーに選ばれることができず、応援にまわされたのですが、応援席では声を張り上げて声援を送りました。試合開始までは佐敷有利と思われた試合でしたが、キャッチミスなど小さなミスが重なり先輩たちはサヨナラ負けをしてしまいました。それは私にとっても久しぶりに感じたくやしさでした。
3年生になると練習は僕たちを中心に行われるようになり、今まで以上に厳しくなっていました。
後輩も増え最上級生として、いやでも先輩としての見本にならなくてはいけませんでした。
そして最後の夏期大会が近くなってきた時、僕はキャッチボールの時に利き腕の右ひじに変な痛みを感じ、それはやがて我慢ができなくなるまでになりました。不安を抱えて病院に行ってみると、成長期の体に無理をさせすぎて骨に異常が出ているということでした。大会を間近にした私にとって、それはとても大きなショックでした。ボールを投げられない日が続き、走り込みの毎日ばかりでした。 その間はとても退屈で、最後の年ということもあってみんなに置いていかれるんじゃないか、というあせりも心の中でふくれ上がっていきました。我慢していたかいもあって、大会の1ヵ月前に治すことができました。
その喜びは、私に日頃何げなく応えてくれている体の機能が、どんなに大切かを身にしみて教えてくれました。手が治ってからの練習は、今までと違いとても楽しく思いました。
いよいよ中学校最後の戦い夏期大会。私は3ヵ年間の思いをぶつけるつもりでその日に望みました。おしくも1回戦で球場を後にすることになりました。練習の成果を十分に出すことができずある時、私が打っていたらと悔し涙をのみました。その時、昨年戦いに敗れた先輩たちもこんな思いだったんだろうと思いました。
部活を終えた今、確かに悔しさの残る思いはたくさんあるけれど、「部活」からはいろんな事が学べたと思います。仲間を作ることの大切さ、目標を持つこと、心を1つにして全力をつくすこと、心の底から悔しいと思ったことなど、今は1つ1つが自分自身の糧となっています。
3年前、草野球が大好きだったという理由から野球部に入部した自分を思い出すと、確かに大きな収穫があったと確信しています、それは自分自身の未来に対する大きな自信でもあります。
この経験をいかし、今後仲間とのつながりを確信しながらいろんな事にいかしていきたいと思います。
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008451 |
内容コード | G000000719-0011 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第255号(1998年10月) |
ページ | 10 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1998/10/10 |
公開日 | 2023/12/13 |