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佐敷町について語る新任キャリア研修生

今年4月に採用された、国家公務員第Ⅰ種試験合格者(キャリア)の地方自治体実地研究が、佐敷町でおこなわれました。
この研修は、国民全体の奉仕者である公務員としての自覚と、行政の基本的素養を身に付けることを目的に、平成9年度から実施されているものです。
佐敷町に派遣されたのは、小西香奈江さん(厚生省)、早藤努さん(運輸省)、佐藤人海さん(文部省)の3氏。7月6日から10日までの間「自治体行政とまちづくりについて」を研究テーマに研修をおこないました。
最終日の10日には、役場課長らとの意見交換会が開かれ、研修生から次のような意見が発表されました。

小西香奈江さん(厚生省)
老人介護問題について、福祉制度が在宅へと向かっている中、佐敷町では、在宅のお年寄りよりも施設に入所しているお年寄りが多いということに興昧を覚えました。
在宅が少ないのは、共働きや社会的入院といった要因もありますが、在宅介護の制度を利用しやすい環境にないからではないのでしょうか。今ある制度のPRや共働きの方々のための環境整備が必要だと思います。
つきしろ学園と共同作業所を見学しましたが、行政と一体となって運営されている様子に、障害者福祉を重要視している姿を感じて、すばらしいと思いました。

小西香奈江さん(厚生省)
ゴミ問題については、門口収集や有料化に興味深く感じました。
分別化も住民の同意を得るのは大変だっただろうと思います。また、分別のパンフレットは、効果的で、リサイクルの様子がよく分かり、住民の意欲をかきたてる効果はすばらしいと思いました。

早藤努さん(運輸省)
いろいろなプロジェクトがあるようですが、ハコものをつくる場合、当初から維持運営の費用も念頭において計画していくことが大事です。既存の施設、例えばシュガーホールやすばらしい夜景を、有効に活用する方法も考えてみてはいかがでしょうか
観光の面でも、町に全部ある必要はないと思います。町営の巡回バスなどを作って、知念や玉城の海岸、パラグライダー、文化財などを結んだ観光ルートがあっても面白いでしょう。売り込みが大事です。観光情報誌などに佐敷町の名前を出すだけでも、観光客はやって来ると思います。
また、休暇センターに宿泊しても、佐敷町のお土産がないのは残念でした。パッションフルーツを特産品にするためには、量産化が必要です。広域的な取組みがあってもいいのではないでしょうか。
つきしろの街からの眺めはすばらしいものがあります。ただ、佐敷町の人口が分かりにくいので、大きな看板が必要です。今ある資源に一捻り二捻り加えるだけですばらしいものになる可能性があると思います。

佐藤人海さん(文部省)
馬天小学校を見学させてもらいました。まず感じたのは、子供たちが元気だということ。のびのびとしていて、人なつっこく物おじしない様子に都会の学校とは違い、学校の原点を見る思いがしました。
町全体で子どもの教育に携わっている環境や豊かな自然が、子供たちの成長に良い影響を与えていると思いました。将来の学校週5日制移行に伴い、地域の自主性を尊重した学校づくりが出来るようになっていきます。佐敷町では音楽に力を入れ、シュガーホールを利用して、音楽鑑賞の機会を設けたらどうでしょうか。
シュガーホールは、音楽ホールとして優れた施設だと感じました。
特に音響が良く、座席もリラックスしたムードで音楽が聴けると思います。アイディア次第では、全国から来てくれるようになると思います。
文化財関係では、尚巴志関連とか観光資源はあるものの、場所がわかりにくいので、マップの活用とルートの整備が必要だと感じました。
児童数の減少で、将来空き教室がでたら、それを利用して土・日など住民と子どもたちがふれあうような学級をつくってはどうでしょうか。お年寄りの生きがいづくり、子どもたちの人格形成にもつながることと思います。

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大分類 テキスト
資料コード 008451
内容コード G000000717-0002
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第253号(1998年8月)
ページ 2-3
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1998/08/10
公開日 2023/12/13