なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

保健婦だより やっぱり家が一番いい!

若い頃からキビ作りをし、区長もしていたという、字佐敷の宮城徳一さん(68才)。
今から9年前、自転車で畑へ行く途中、誤って溝に転落。頚髄(首の骨の神経が通っているところ)を損傷しました。その結果、下半身と両手が不自由な体になってしまいました。
長い間の病院での治療・リハビリで、全く動かなかった手足も少しずつ動くようになり、3年前に本人の強い希望で退院してきました。
現在でも、下半身や手のしびれ感は続いています。1人では立つことはできませんが、歩行器を使って、室内をゆっくりと歩けるようになりました。手のほうも、ボールを握れるようになり、食事もフォークを使って、自力でできるようになっています。しかし、下半身が麻痺しているため、移動や排泄、入浴などの介助は、ほとんど奥さんがやっています。週1回の病院へのリハビリヘは、娘さんが同伴を協力してくれています。
体の機能維持のための厳しい訓練にも負けず、もち前の根性で頑張っている宮城さん。そのせいか、手足の筋肉の衰えもなく、血液循環もよいため、皮膚の色もとてもよい状態です。
ちょうど働き盛りの時に障害を負ってしまい、家庭のことなど、いろいろと不安やつらい気持ちもあったようです。今では、子どもたちも皆結婚し、13人も孫ができ、休日には、皆集まってにぎやかに過ごしています。
「今は、幼い孫ともけんかするくらい元気になり、本当に良かった。幸せであるよ。」と奥さんが言えば、「ここまで元気になったのも全面的に世話してくれた妻のおかげ。」と涙ぐんでいる宮城さん。
障害があっても、住み慣れた地域(在宅)で暮らす、ということについては、本人の意志、そして家族や周囲の人々の協力、在宅の保健福祉サービスを上手く活用すること等が条件に上げられます。一方、病気やいろいろな事情で、病院や施設での生活を余儀なくされることも現実です。
高齢社会を迎え、介護の問題だけでなく、老後をどのように生き、生活していきたいのか、日頃から話し合っていきたいものですね。そして、障害者が、地域において1人の人間として尊重され、安心して自立した生活が送れるような町づくりをめざしていきたいですね。

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大分類 テキスト
資料コード 008451
内容コード G000000716-0014
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第252号(1998年7月)
ページ 10
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1998/07/10
公開日 2023/12/13