文化協会俳句教室3月例会より。山城青尚選
挨拶の筆談となる春の風邪 安谷屋竹美
(評)風邪をひいて静養中の爺さんを見舞ったが、耳も遠いので、挨拶もままにならなかった。必然的に筆談でもって対応したのだ。作者の優しい心根がよく表れている。
瑠璃はこべ岩の窪みの鍛冶屋跡 伊波悦
(評)岩のくぼみに、わかミンナがいっぱい繁っていたる。そこは昔、鍛冶屋のあった跡だった。今にも童歌を歌いたくなるような懐かしい情景である。
春立つやオペラに乗りし一行詩 前城守人
(評)去る3月1日に、玻名城律子さんによるオペラに乗せた俳句の独唱会がシュガーホールで催された。万物生気に満ち溢れた春立ちにふさわしい情景が見事に描かれている。
壁画染む進貢船と巣文鳥 新垣春子
(評)進貢船を追って、巣立ったばかりの鳥の絵が描かれた大きな壁面がまぶしかった。進貢船と旅立つ若鳥の取り合わせがよい。
甘蔗刈に精出す母の手甲皺 城間睦人
(評)毎年のことながら、年老いた母が甘蔗刈に精出している。離島苦(シマチャビ)に堪えた手の甲は皺だらけになっている。母に対する憐憫の情がよく出ている。
※選者吟
移民史にみる土根性の甘蔗刈り
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大分類 | テキスト |
資料コード | 008451 |
内容コード | G000000713-0007 |
資料群 | 旧佐敷町(佐敷村)広報 |
資料グループ | 広報さしき 第249号(1998年4月) |
ページ | 11 |
年代区分 | 1990年代 |
キーワード | 広報 |
場所 | 佐敷 |
発行年月日 | 1998/04/10 |
公開日 | 2023/12/13 |