なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

俳壇さしき

文化協会俳句教室十二月例会より。瀬底月城選

藷の花キリストを説く里の姿 城間睦人
(評)藷は近年は貴重食品(消化を助ける)になったが、琉球王国時代、沖縄戦中、日本敗戦後、人民の命を救った。イモ、跣論の愚かな政治論も今は消えた。藷の花と宗教感、老女は命どう宝と説く。アーメン。

少子化や芒野となる改良地 幸地正吉
(評)農は国の元と言われる。工業化した日本は麦も大豆も輸入。自動車輸出のツケは農地の減反、減反しながら耕地埋立の無駄金。産む子が少なくなり、農地改良しても、耕作する入も少なくなり芒が生え放題となった。

屋根獅子の冬至冷さに身構へり いなみ悦
(評)屋根の獅子はトゥンジービーサに耐えて家を守ろうと睨み返す。私達はシーサーにありがとうと手を合わせた事があろうか。火事や悪風から我々を守っているのに。沖縄ではすべての物に魂が宿るという良習があるのだが…。

冬渚遠くを見ている俊寛像 与那嶺末子
(評)僧俊寛は平清盛の討伐の密議で、遠く鬼島に流刑された。仲間の二人は赦免され船で帰ったが、彼一人島に残されて死亡した。京都の空を見上げている像に哀れさを感じる。
按司墓や紅葉初めたるももたまな 前城守人
(評)ももたまな(クワデーサー)の美しい名のある木の葉が紅葉しはじめた。この木は、死者を弔う泣き声で育つと、言われる。昔はお墓だけに植えたが、近年は街路樹にもある。古い按司墓にこの木の紅葉が始まった。

*選者吟
延へ縄の出舟はげます黒鯛期

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大分類 テキスト
資料コード 008450
内容コード G000000706-0004
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第246号(1998年1月)
ページ 4
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1998/01/10
公開日 2023/12/13