なんじょうデジタルアーカイブ Nanjo Digital Archives

保健婦だより障害をのりこえて

体の不自由な人の苦労は、並み大抵ではありません。不慮の事故や病気のために、健常な体から不自由な体になってしまった人などとお会いしていると、その苦労の大きさに胸が痛む思いです。
銘苅敏子さん(字津波古・63歳)は50歳の頃、脳梗塞で倒れ、左半身麻痺になってしまいました。働き盛りの毎日で忙しく、まさか自分が倒れるとは思いもしなかったとのこと。身の不幸を嘆き、幾度も死ぬことを考えたということです。
四ヶ月の入院生活を終え、家に戻り、高校2年生を頭に小5までの子供5人を抱え、これからどうしたらよいのかとつらい気持ちでいっぱいだったそうです。しかし、彼女は「負けてなるものか」という気持ちで、麻痺のため左手も使えませんが、これまで様々な工夫をして家事一切をやっています。
右手だけで野菜の皮むきや、洗濯干し、入浴の際の背中を洗うこと、爪切りなど身のまわりのことも一切です。その努力には頭が下がります。
町の実施しているリハビリ教室に通うのを楽しみにし「同じ障害を持つ仲間同士で体を動かしたり、話し合ったりして心の支えになっているよ」と話す。教室で出会えた仲間には「悲観的になってはダメ。前向きな気持ちで何でもやってやろうと挑戦することが大切」と励ます。
障害者になって13年。「今はとても幸せ。夢のよう。こんなに元気になるとは思わなかった」と笑顔をみせています。ここまで来れたのも、家族の支えがあったからこそ。夫や子供たちは、ふさぎこむ私をちょっとした買い物でも一緒に行ってくれた。今では3人の娘たちも嫁ぎ、孫も5人になったと幸せいっぱいの笑顔です。
東京や福岡にも家族旅行に出かけている銘苅さんには、何でも挑戦しようというパワーが感じられます。

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大分類 テキスト
資料コード 008450
内容コード G000000703-0013
資料群 旧佐敷町(佐敷村)広報
資料グループ 広報さしき 第243号(1997年10月)
ページ 11
年代区分 1990年代
キーワード 広報
場所 佐敷
発行年月日 1997/10/10
公開日 2023/12/14